そもそもビジネス実務法務検定とは
「ビジ法」こと、ビジネス実務法務検定とは、東京商工会議所が主催する、営業、販売、総務、人事などあらゆる職種で必要とされる法律知識が習得度を測る民間試験です。
業界や分野を問わず、まさしく「仕事」に関連する法律知識を網羅的に習得することが求められます。具体的に必要となる法律知識は、民法、 商法、会社法、独占禁止法、民法や自賠責法、民事再生法、民事保全法、会社更正法など、多岐にわたります。
ビジネス実務法務検定試験の勉強を通して、仕事に関する実務的な法律知識を身につけコンプライアンスについて学ぶことは、社会人としてのスキルアップだけでなく、会社や自身を守ることにもつながります。現代において、とても重要な能力です。
ビジネス実務法務検定の試験概要
ビジネス実務法務検定には、1級、2級、3級と3つの級が設定されており、それぞれ難易度とそれに伴い受験する目的も異なります。
2級と3級は年に2回、1級は年に1回試験が実施されます。
2級と3級はIBT方式で行われ、すべて選択問題です。
また、1級と比べて、より単純な知識の有無について問われます。合格率は、3級で80%程度、2級で50%程度です。
対して、1級はCBT方式であり、すべて記述式の試験です。専門的な知識に加えてより実務的な問題解決能力が問われます。そのため、必然的に合格率は下がり、毎回10%前後です。難関試験だと言えます。
ビジネス実務法務検定を主催する東京商工会議所は、受験者に合格して級に応じて称号を授けています。
その称号がなにかの役に立つとは考えられませんが、各級合格者に下記の通りに称号が与えられます。
3級 ビジネス法務リーダー
2級 ビジネス法務エキスパート
1級 ビジネス法務エグゼクティブ
ビジネス実務法務検定の履歴書への記入方法
ビジネス実務法務検定の記入の仕方は
令和○年○月○日 ビジネス実務法務検定N級 合格
以上のように記入すれば十分でしょう。
ここで注意したいことは、取得した年月日を正確に記入することです。
どの資格を記載する際にも、当然のことですが、資格の名称は正確に記入しましょう。
4.就活に役立つのか。評価されるのは何級からか。
結論から言うと、企業の法務部への就活でアピールできるかもしれません。
この検定試験の名前からして、そうだろうと予測できた人も多いかもしれません。前述のとおり、コンプライアンスをしっかり理解している人は企業にとってかなり重要です。ですから、企業の法律的な業務をこなす部門である法務部門への就職において、ビジネス実務法務検定を持っていることは評価される可能性があります。
ただし、ここでアピールできるのは、2級以上になります。
2級では法律実務の基礎知識の具体的な内容に踏み込み、法律問題を考える力が求められます。そのため2級まで取得すれば、外部専門家との一定のやり取りをスムーズに行うことができるからです。
しかし、注意すべきなのは、この資格を持っていることが採用の決定打になることはないということです。この検定資格は、独占資格ではないので、資格を持っているからといって特別できる仕事があるわけではありません。しかも、ビジネス実務法務検定は社会人が受験者のほとんどを占めますので、入社後に合格を目指すことも十分に可能です。
法務部への就活で重視されるのは、「資格」よりも「実務経験」です。ですから、資格の有無よりも実務経験が有ることをアピールすべきでしょう。
ビジネス実務法務検定の履歴書のまとめ
ここまで、ビジネス実務法務検定の履歴書への記入方法、就職に役立つのか、そしてどの級からなら履歴書に書けるのか、について解説してきました。
- 記入方法:令和4年7月12日 ビジネス実務法務検定N級 合格
- 企業の法務部への就活でアピールできるかも
- 2級以上をめざせ
- この資格を持っていることが採用の決定打になることはない
- 「資格」よりも「実務経験」