診療報酬請求事務能力認定試験とは

診療報酬請求事務能力認定試験とは、日本医療保険事務協会が実施している医療保険事務に関する検定試験です。分野は「医科」と「歯科」に分かれています。厚生労働省後援のため、医療保険事務関連としては最も知名度が高く評価も高い資格です。請求額を正確に計算する力のほか、保険制度や法令に関する知識、専門用語が求められる資格となっており難易度が高い資格となっています。

この診療報酬請求事務能力認定試験は医療事務に関連する資格の一つですが医療事務に関する資格は他にもたくさんあります。今回はそれらの資格について診療報酬請求事務能力認定試験との違いも交えながら紹介していきたいと思います。

他の資格との違いは?

医療事務の資格として診療報酬請求事務能力認定試験の他に以下のようなものが挙げられます。

・メディカルクラーク
・医療事務認定実務者試験
・医療事務管理士技能認定試験

これらの資格についてそれぞれ説明していきたいと思います。

メディカルクラーク

概要

この資格は受験者数が最も多く試験の規模が最大となっています。診療報酬請求事務能力認定試験は公益財団法人日本医療保険事務協会が認定する資格でしたが、メディカルクラークは一般財団法人日本医療教育財団が認定する資格となっています。診療報酬請求事務能力認定試験ほどの認知度・評価はありませんがメディカルクラークは40年以上の歴史があり、医療事務資格の中でスタンダードな資格の1つとなっています。

試験内容

カルテとレセプトを確認しながら誤りを指摘するような診療報酬請求事務の関する知識が求められます。その他にも医療機関の窓口業務において重要とされる患者さんへの対応・院内のコミュニケーション能力についても問われます。

合格率

診療報酬請求事務能力認定試験の合格率は30%前後と医療事務資格の中で最も難易度の高い試験となっています。一方でメディカルクラークの合格率は、50~60%程度です。

受験方法

診療報酬請求事務能力認定試験と異なりメディカルクラークは、自宅で受験して試験翌日までに答案用紙を日本医療教育財団に郵送で返送する在宅試験となっています。

このように異なる点はいくつかありますがどちらの資格も医療事務資格の中で人気の資格の一つとなっています。

医療事務認定実務者試験

概要

この資格は医療事務の経験がないという方におすすめの資格となっています。初学者でもチャレンジしやすい代表的な資格です。全国医療福祉教育協会が主催しており他の資格と比べると比較的易しい試験となっています。そのため最初にこの試験を受けてからより難易度の高い診療報酬請求事務能力認定試験を受験する方も多いようです。

試験内容

接遇とマナーに関する知識、医療機関の各種制度に関する知識、医療事務業務に関する知識、診療報酬請求に関する知識が求められます。実技試験としては診療報酬明細書作成する能力も問われます。

合格率

合格率としては60%から80%程度となっています。

受験方法

対象の通学受講生は学校、スクールの教室等で受験することも可能ですが基本的には在宅受験となっています。

療事務認定実務者は、医療事務に関する基礎的な知識が身についていることを証明できる資格です。難易度も低く手のつけやすい資格と言えるのではないでしょうか。他の資格を受ける前の第一ステップとしてもピッタリの資格であると言えます。

医療事務管理士技能認定試験

概要

この試験は技能認定振興協会(JSMA)が実施している日本で初めての医療事務の資格です。メディカルクラークと同様に長い歴史があり、認知度も高い資格となっています。
診療報酬請求事務能力認定試験と同様に医療事務管理士認定試験は医科・歯科の2つの試験があります。

試験内容

医療保険制度・公費負担医療制度などの法規についての知識や医療保険制度などの保険請求事務についての知識、各臓器の組織・構造などの医学一般についての知識が問われます。その他にもレセプ作成などの実技試験もあります。

合格率

50%程度となっていて医療事務の資格の中でも平均的な合格率の資格となっています。

受験方法

会場試験の他、決まった日にちに家で受験する在宅試験と好きな時に好きな場所で受験できるインターネット試験があります。特にインターネット試験は忙しい方にぴったりな受験方法であると言えます。

この試験は日本で初めて医療事務としての能力を保証する資格で歴史ある資格です。インターネット受験もでき受験資格も必要ないためチャレンジしやすい資格なのではないでしょうか。

まとめ

今回は医療事務の資格についていくつか紹介しました。診療報酬請求事務能力認定試験は医療事務の資格の中で最も難しい資格ですが評価はとても高い資格となっています。しかし医療事務の資格には他にもたくさんあります。難易度や受験方法などを考えながら自分に合った資格を目指してみてはいかがでしょうか。