調剤事務管理士とは?

調剤事務管理士とは、保険調剤薬局において窓口業務や会計、保険請求分のレセプト作成等を行うための民間資格です。正式には調剤事務管理士技能認定試験といいます。医療事務の技能認定を行う技能認定振興協会(JSMA)が実施しています。調剤事務管理士は調剤薬局事務の資格の中で最も一般的で知名度がある資格となっています。

調剤事務管理士は調剤薬局事務の資格の1つですが他にはそのような資格があるのでしょうか。今回はその他の調剤薬局事務の資格について紹介していきたいと思います。

その他の調剤薬局事務の資格

調剤薬局事務の資格として調剤事務管理士の他に以下のようなものが挙げられます。

・調剤報酬請求事務専門士
・調剤報酬事務技能検定
・調剤薬局事務検定試験

それぞれの資格について説明していきたいと思います。

ランキングも確認する
出典:出版社HP

調剤報酬請求事務専門士

概要

調剤報酬請求事務専門士は、調剤事務資格の中で難易度の高い資格と言われています。試験は専門士検定協会によって実施されています。この資格は調剤薬局で保険請求分のレセプトを正確に計算し、レセプトの説明を行えることを証明してくれる資格です。難易度によって3級、2級、1級に分かれていています。薬局によっては、この資格を持っていることが昇給や手当の対象になることがあります。

受験資格

調剤報酬請求事務専門士に受験資格はありません。誰でも受験可能となっています。

試験内容

試験内容としては以下のようなものがあります。級によってより専門的な知識が求められますが、主な範囲はこのようなものとなっています。
・薬剤や疾病についての基礎知識
・医療保険制度、調剤関連法規
・調剤報酬請求についての知識
・薬局業務や在宅業務について
試験形式としては学科試験の方は記号でマークシートとなっています。

合格率

合格率は3級の場合約50〜60%、2級の場合は約30〜40%、1級の場合はおよそ20%となっています。より専門的な知識が要求される1級ほど合格率は低く難易度が高くなっていることがわかります。

調剤報酬事務技能認定

概要

日本医療事務協会が実施する試験で医療保険制度や薬剤の基礎知識の他に調剤報酬請求事務の知識とスキルが求められます。
請求事務処理技能と医療関連知識を兼ね備えた専門職としてのスキルアップが期待できます。

受験資格

調剤報酬事務技能認定は調剤事務管理士と違い独学では受験資格を取得することが出来ません。調剤報酬事務技能認定の受験資格を得るためには、ニチイや医療事務協会の開講する調剤薬局事務講座などを受けなければいけません。

試験内容

試験内容としては以下のようなものになっています。
・医療保険制度
・高齢者医療制度
・公費負担医療制度
・医事法規の一般知識
・薬学の基本的な知識
・保険薬局業務について
・調剤報酬明最初に関する知識

合格率

この検定は受験資格があり誰でも受験できるというわけではありません。しかし合格率は70%程度と比較的高く難易度はそこまで高くはないでしょう。

調剤薬局事務検定試験

概要

日本医療事務協会が主催している試験です。調剤薬局での請求事務業務の基礎的な知識と技能が求められます。

受験資格

この試験も調剤報酬事務技能認定同様、独学では勉強するだけでは受験資格をもらうことが出来ません。受験資格を得るためには日本医療事務協会の認定許可を得た講座を修了する必要があります。

試験内容

試験内容としては調剤報酬算定に関わる基礎知識が求められます。その他に調剤報酬の算定や調剤報酬明細書作成も含まれます。

合格率

受験資格はありますが合格率はおよそ90%と大変高いです。受験資格さえ得ることができればほとんどの人が合格できると言えるでしょう。

どの資格が一番おすすめ?

調剤薬局事務の資格には様々なものがありましたがどの資格が一番おすすめなのか気になった人も多いと思います。いずれの資格も公的資格であるため難易度が高いほど働く際に有利になるとは言えません。そのため一番スタンダードで知名度も高い調剤事務管理士はおすすめの資格であると言えます。
また調剤報酬事務技能認定、調剤報酬請求事務専門士はレセプト作成に特化した資格であるため資格手当がもらえる可能性があるという面ではおすすめとも言えるかもしれません。

まとめ

調剤薬局事務の資格はさまざまなものがあるということをご理解いただけたでしょうか。
資格によって難易度や受験資格の有無など様々な違いがあったと思います。おすすめの資格も挙げましたが自分の都合にあった検定を受験することが一番大切です。調剤薬局事務の資格を目指したい方はまずどの資格を目指すか考えてみてはいかがでしょうか。

ランキングも確認する
出典:出版社HP