近年、日本はグローバル化に転じていますが、この変化に対応できる幼稚園教諭や保育士の育成を目的として実施されたのが、幼保英語士の資格試験です。試験は英語能力を判定するものなので、筆記試験やリスニング試験などの一般的な形式で出題されます。

しかしながら、乳幼児や外国籍の保護者とのコミュニケーションができる幼稚園教諭等を育成することが目的とした試験であるため、現場において実用的な英語を習得できるような出題内容になっています。

今回は、このような幼保英語士の資格を取得することによるメリットについて、いくつかご紹介します。

近年の幼児教育・保育との関わり

先にも述べたように、日本もグローバル化が進んでいます。小学校においては英語教育が早期化し、小学校高学年では正式教科として外国語が追加されました。それに伴い、幼児教育や保育の現場でも英語教育を実施するところも増えてきています。

そこで、ここ数年で急激に需要が高まっているのが幼保英語士の資格を持った幼稚園教諭や保育士です。かつてはイングリッシュエキスパート保育士と呼ばれていましたが、試験の名称変更と共に幼保英語士に名前が変わりました。しかしながら、特に役割が変わることはなく、歌やダンスなどを用いることで、日常生活や遊びの中で英語を身近に感じさせることが主な役割となってきます。

乳幼児期において英語教育が実施されるようになったことで、幼保英語士の資格所有が必須となる求人も出てきていますので、この資格を持っておくことによって、就ける職の幅が広がることは間違いないでしょう。

ランキングも確認する
出典:出版社HP

資格を活かせる職業

それでは、幼保英語士の資格を活かすことのできる職業は、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。以下では、どのような職業を3つピックアップして紹介していきたいと思います。

・バイリンガル幼児園の保育士や英語幼児園のスタッフ

幼保英語士の資格が直接的に活用できる職業としては、やはり、バイリンガル幼児園の保育士や英語幼児園のスタッフが挙げられるでしょう。英語を母国語とする乳幼児の教育・保育やその保護者とのコミュニケーションは、一般的な幼稚園教諭や保育士にとっては非常に難しいものになってきます。そこで、乳幼児の教育・保育のノウハウに加えて、現場で実用できる英語力も併せ持つ幼保英語士の需要は大変高いものになるでしょう。

・一般的な幼稚園や保育園での英語教育のサポート

先ほども述べたように、幼児教育や保育の現場でも英語教育を取り入れるところが増えてきています。そこで、英語教育を行う時間だけ現場に赴き、そのサポートをするという活動でも、幼保英語士の資格を活用することができるでしょう。契約の仕方にもよりますが、このような形態で働けば、別の仕事や趣味に時間を割くこともできます。

・英会話教室の乳幼児担当講師

乳幼児に対する英語教育が行われる機会が増えているのは、幼稚園や保育園だけではありません。英会話教室の需要も高まりつつあるため、教育や保育の現場ではなく、塾業界において幼保英語士の資格を活かすことも考えられるでしょう。英会話教室の講師は英語力をしっかりと持っていながらも、保育や幼児教育に関する専門的知識を併せ持つことは少ないことが予想されます。幼保英語士の資格所有者はそれらをどちらも持っているため、特に乳幼児担当の講師として非常に重宝されると考えられます。

給与面

ここまで記事を読んでいただいた方の中には、以下のような疑問を抱く方もいらっしゃるかと思います。

「資格を活用できる職に就いたところで、実際にもらえる給与は違ってくるのか。」

確かに、さらなる専門的知識をつけ、それを活かせる職についたのに、もらえる給与が変わらなかったら少し悲しいですよね。
結論から申し上げると、一般の幼稚園教諭や保育士と比較すると、幼保英語士の給与はもちろん高くなります。具体的には、平均月収が30万円程度であると言われています。

また、幼稚園教諭や保育士は、基本的に年功序列で給与が増えていきます。しかしながら、幼保英語士の待遇は年齢だけでなく経験やスキルによって決定されることが多いです。したがって、確かなスキルを持ち、それを現場に還元することが出来れば若くから高級を期待できる場合もあります。

幼保英語士の資格を活かして働く方は、所有級をアピールしたり、英語力を測る他の資格(英語検定やTOEICなど)の所有を伝えたりすると良いでしょう。

幼保英語士のメリットについてのまとめ

今回は、幼保英語士のメリットについてご紹介しました。この機会にぜひ取得して、乳幼児の英語教育に貢献してみてはいかがでしょうか。

ランキングも確認する
出典:出版社HP