放射線を扱う事業所では放射線取扱主任者を選任して、原子力規制委員会に届け出なければなりません。放射線取扱主任者として選任されるには、公益財団法人 原子力安全技術センターが主催する同名の資格試験に合格後、資格講習を修了し免状の交付を受ける必要があります。
そこで今回は、放射線取扱主任者の資格講習について詳しく見ていきたいと思います。
放射線取扱主任者の種類
放射線取扱主任者の資格試験は、扱える放射線のレベルによって第1種〜第3種に分類されていて、第1種が最も業務範囲が広くなっています。
第1種と第2種は試験に合格後、資格講習を修了することで免状の交付を受けることができます。第3種は、講習の受講のみで取得が可能です。
第1種・第2種の講習は?
前述したとおり、第1種と第2種では、放射線取扱主任者の試験に合格した後、資格講習を受講することで免状の交付を受けることができます。資格試験の方には特に受験資格は設けられていませんが、講習は18歳以上が対象となっていることに注意してください。
講習はいくつかの団体によって主催されていて、開催場所や受講料が異なります。比較検討してから受講を決めることをおすすめします。
第1種で5日間、16万〜17万円、第2種で3日間、9万〜10万円が目安となります。
第3種の講習は?
第3種は、資格試験はなく、講習を修了することで取得できます。そのため、実習よりも講義メインの講習内容となっています。期間は2日間、料金は8万〜9万円が目安です。
参考として、公益財団法人 原子力安全技術センターによって開催されている講習の概要をまとめて以下の表に記載します。
区分 | 講習日数 | 受講料 | 講習内容 |
第1種 | 5日間 | 167,546円 | (1)放射線の基本的な安全管理に関する課目
(2)放射性同位元素及び放射線発生装置並びに放射線汚染物の取扱い並びに使用施設等及び廃棄物詰替施設等の安全管理の実務に関する課目 (3)放射線の量及び放射性同位元素又は放射線発生装置から発生した放射線により生じた放射線を放出する同位元素による汚染の状況の測定の実務に関する課目 (4)放射性同位元素等又は放射線発生装置の取扱いに係る事故が発生した場合の対応の実務に関する課目 |
第2種 | 3日間 | 103,176円 | (1)放射線の基本的な安全管理に関する課目
(2)放射性同位元素(密封されたものに限る)の取扱い及び使用施設等(密封された放射性同位元素を取り扱うものに限る)の安全管理の実務に関する課目 (3)放射線の量の測定の実務に関する課目 (4)放射性同位元素(密封されたものに限る)又は放射性汚染物の取扱いに係る事故が発生した場合の対応の実務に関する課目 |
第3種 | 2日間 | 93,398円 | (1)法に関する課目
(2)放射線及び放射性同位元素の概論 (3)放射線の人体に与える影響に関する課目 (4)放射線の基本的な安全管理に関する課目 (5)放射線の量の測定及びその実務に関する課目 |
放射線取扱主任者の講習についてのまとめ
今回は、放射線取扱主任者の資格講習についてまとめてきました。
放射線取扱主任者は、試験にプラスして長期の講習も受講しなければならず、取得コストの高い資格ですが、取得すれば資格手当や報酬金がもらえる場合も多いです。ぜひこの機会に挑戦してみてはいかがでしょうか。