様々な分野で応用され、利便性が高い放射線技術ですが、その一方で取り扱いを間違えると人体に悪影響をもたらす面もあります。放射線を扱う現場の保安業務にあたるのが放射線取扱主任者です。放射線技術者として従事するには、同名の資格試験に合格する必要があります。
本記事では、放射線取扱主任者の難易度について詳しく解説していきます。
放射線取扱主任者は、放射性同位元素や放射線発生装置を使用している事業所に1人以上設置され、放射線障害の防止についての管理、監督を行います。本資格は第1種〜第3種に分かれていて、業務範囲の違いによって分類されています。第1種と第2種は資格試験に合格かつ講習の受講、第3種は講習の受講のみによって資格を取得することができます。
試験の概要
放射線取扱主任者の試験の概要は以下の表のとおりです。
区分 | 試験課目 | 出題方式 | 試験時間 | ||||
1日目 | 放射性同位元素等の規制に関する法律に関する課目 | 五肢択一式(30問) | 75分 | ||||
第1種放射線取扱主任者としての実務に関する課目 | 多肢択一式(6問) | 100分 | |||||
物理学のうち放射線に関する課目 | 五肢択一式(30問)
多肢択一式(2問) |
110分 | |||||
2日目 | 化学のうち放射線に関する課目 | 五肢択一式(30問)
多肢択一式(2問) |
110分 | ||||
生物学のうち放射線に関する課目 | 五肢択一式(30問)
多肢択一式(2問) |
110分 | |||||
第2種 | 放射性同位元素等の規制に関する法律に関する課目 | 五肢択一式(30問) | 75分 | ||||
第2種放射線取扱主任者としての実務に関する課目 | 五肢択一式(10問)
多肢択一式(2問) |
75分 | |||||
物理学のうち放射線に関する課目
化学のうち放射線に関する課目 生物学のうち放射線に関する課目 |
各科目について
五肢択一式(10問) 多肢択一式(1問) |
120分 | |||||
第3種 | 講習のみ |
※受験料→第1種:14,565円、第2種:10,389円
また、放射線取扱主任者の試験に合格後、講習を修了することで免状が交付されます。この講習はいくつかの団体によって行われています。開催場所や料金等が異なりますので、比較検討することをお勧めします。
各級別の合格率
放射線取扱主任者の合格率は、2021年8月の試験で2級が24.7%、1級が33%です。
合格率の推移としては、1級、2級ともに20〜30%程度となっています。
受験者数は1級で2000〜3000人、2級で1000〜2000人と、1級の方が毎年多くなっています。
各級別の難易度
合格率からも分かるように、難易度は「普通」です。
第3種に関しては、試験を受けることなく講習の受講のみで取得できるので、簡単に取得できます。
第1種と第2種では合格率にあまり差がありませんが、受験科目が増えるため、1級の方が難易度が高いと言えるでしょう。その分、業務範囲が広いため、あらゆる事業所で放射線取扱主任者として従事することができます。職場の業務内容に合わせて受験するのが良いでしょう。
放射線取扱主任者の難易度のまとめ
ここでは、放射線取扱主任者の難易度についてご紹介していきました。
放射線取扱主任者は、取得することで資格手当が支給されることも多い資格です。試験の合格に加えて講習の受講も必要となるため取得コストが高い資格ですが、メリットもあるためぜひこの機会に取得してみてはいかがでしょうか。