社会保険労務士試験は1年に1回実施される国家資格です。

社労士とは、社会保険労務士の略称で、社会保険労務士法に基づいた国家資格です。企業経営に必要な「人・モノ・お金」のうち「人」に関するエキスパートで、労働や社会保険に関する法律と人事労務管理を専門とします。社会情勢が不安定な昨今、あらゆる年代・層から人気の資格です。勉強時間はおおよそ1000時間必要とされています。キャリアやライフスタイル・受験回数によって勉強方法はそれぞれです。大手予備校の通学・通信講座は10万円後半から20万円台の費用がかかります。他、通信教育専門業者は6万円から10万円の費用がかかります。受験回数が増えていくにつれて、かかる費用について、気になるところです。また、せっかく高額な受講料を支払っても、会社勤めのため、隙間時間でしか勉強ができず、オンライン学習や、模試などの学習方法に時間が費やせない場合などに、誰しも一度は考えるのは、「独学」という選択肢です。

独学者が受験数・合格者に占める割合ははっきりしませんが、一般的には2〜3割いると言われています。自身の周りの知人受験生・受験経験者を振り返ってみると、独学者の割合は0に等しいです。年齢層や職種などにより独学にチャレンジする人は、偏りがあるのかもしれません。

それでは、社会保険労務士試験の独学のメリット・デメリットを考えていきましょう。

独学のメリット

・費用がかからない

用意するのは大手予備校の出版している、基本参考書のみを用意すると約15,000円〜。20,000円位となります。直前期には法改正に特化した本や、一般知識対策のための厚生労働白書、模試の過去問を別途用意するとプラス1万円位となります。近年は、無料、有料共に、アウトプット用のアプリが豊富にあるので、活用するのもおすすめです。

・初学でない人は、カリキュラムによらず、自分の弱点などを重点的に勉強できる

初学の場合は、講義で理論を押さえるので精一杯で、過去問の反復が何度もできずに、試験当日を迎えてしまう人も沢山います。2年目は、習得した知識を、過去問を通してアウトプットすることから始めたい人も多いと思います。予備校や通信教育のカリキュラムにより、始めると、再びアウトプットの時間に充てることができなくなることもおこりえます。そういった克服課題が見えている人であれば独学はおすすめです。

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独学のデメリット

・時間管理・モチベーションの維持が難しい

独学の最大のデメリットは時間管理の難しさにあります。初学でないと、「まだ大丈夫・余裕があるだろう」と、性格によってはスタートが出遅れます。ライバルがいることで、自分を律することもできます。通信講座でも、学習中に“今、何名が受講中”など表示があるものもあります。通学や通信講座から得ることのできる周りによる刺激を受けることができないので、独学者は相当なモチベーション維持が必要です。また通学・通信学習者は高額な費用をかけているのも、大きなプレッシャーによるモチベーションとなります。元々、高校受験も大学受験も塾に行かずに受かったというよう経験のある方は、特に独学でも、心配は不要でしょう。

・最新の情報(法改正情報・出題予想)自分で収集しないといけない

社労士の出題予測をするのに外せないのは、法改正問題です。毎年、様々な科目で法改正があります。法改正の内容によっては、目的や趣旨の理解が進まない場合もあります。そういった場合に、質問ができる先生・専門家がいないのは大きな痛手です。他の出題予測に関しても、通学・通信講座は出題予想も盛り込み、進行していくので、習得までの過程を効率化できます。今は調べれば、おおよそのことはわかる世の中ですので、独学でも時間をかければ理解にたどり着くでしょう。

・自宅以外での集中して勉強のできる場所の確保が難しい

時間管理・モチベーションの維持の項目でも述べましたが、独学のモチベーション維持は非常に難しいです。通学講座・予備校の通信講座では、利用者は自習室が使用できます。どうしても勉強が進まない時に、自習室に行き、身を置き始めると、自然に勉強ができることは皆さんも体験済みでしょう。現在では、コワーキングスペースや、民間の自習室も沢山ありますので、独学者の人は、時として、そういったところを利用するのもおすすめです。

社労士 独学のまとめ

・独学は費用が抑えられる
・独学は、カリキュラムによらず、自分の重点的に勉強したいところが勉強できる
・モチベーション管理は、何らかの試験などの独学経験者でなければ非常に難しい。
・法改正や出題予測の情報は、専門機関は情報・ノウハウが豊富なため、通学・通信講座の方が効率的に習得できる。
・通学・通信講座は、自習室が無料利用でできる。独学者は民間自習室がおすすめ

皆さんも、自分が、通学等と独学、どちらが適しているのか、性格・学習進捗・予算に合わせて、検討してみてください。今は、良い問題集だけでなく、アウトプット用のアプリも沢山ありますので、そういったツールもどのように活用できそうか、事前に調べ、検討してみてください。

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