比較級と最上級はどこが違う? それぞれのルールをおさらいしよう

英文法の比較は中学英語の範囲です。しかし、マイナーな文法のため使い所やルールをよく知らない人が多くいます。比較には比較級と最上級の二つがあり、TOEICのパート5の文法問題でも出てきます。ここでは基礎英語である比較をおさらいしましょう。

 

比較には比較級と最上級の2つが存在する

ここでは、比較について解説していきます。TOEIC®L&Rの中では、リーディング問題として出題されることは稀ですが、長文のパッセージ内で問題の答えを導き出すときに必要であったり、リスニングパートの選択肢に登場したりするので重要な文法表現の一つです。

 

 

比較の英語表現には大きく分けて「比較級」と「最上級」の2つがあります。文字通りに比較によって、複数の人や物の程度や度合いの差を表現するときに「比較級」を用い、最上や最下を表現する際には「最上級」を用います。

 

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比較級は、比較表現の対象となる形容詞や副詞の語尾に「-er」、2音節以上の単語には語頭に「more」を付けます。「-er」と「more」の区別に関しては、各形容詞や副詞の比較級に出会ったときに適切な表現を覚えていくことをオススメします。また、比較級を使った文は次のような形を取ることが一般的です。

 

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「名詞(主語)+動詞+比較形容詞+than+名詞(目的語)」

【比較級を使った例文】
(1)I can run faster than he. (私は彼よりも早く走れる)
(2)This task is more important than that one. (この仕事はその仕事よりも重要だ)

 

 

(1)の文では「he」の部分が「him」ではないかと思う人もいるかと思います。ですが、「than」は接続詞(接続詞はS+Vを伴う品詞)なので、「than」の後ろには「he runs」という文が続きます。そのため、例文の「he」は「he runs」を省略した形となります。

 

 

(2)も同様に、「that one is」を省略して「that one」という表現をしています。比較級は「比較」の表現で用いられるため、複数の人・物を比較したときは「~よりも」という訳が日本人にとってしっくりくるのではないかと思います。

 

 

次に最上級の説明をします。最上級は最大、最小を表現するときに使われますが、比較表現の対象となる形容詞や副詞を「the+形容詞(副詞)+est」 や「the+most+形容詞(副詞)」とします。「the most」をつける語句は比較級のときに「more」をつける語句と同じです。ここで注意すべき点は、頭に「the」が必ずつくということです。

 

 

【最上級を使った例文】
(1)He is the shortest in the room. (彼はその部屋の中で一番背が低い)
(2)That is the most expensive watch in this shop. (それはこの店の中で一番高い時計です)

 

どちらの例文も「一番~」と訳すとしっくりくるのではないかと思います。最大・最小を表現するため、比較対象の範囲が記載されている方がわかりやすいです。例えば、(1)の例文では「部屋の中で」という表現をすることで、「部屋」という範囲の中で一番低いことがわかり、(2)の例文では「この店の中で」という表現があるので、「店」という範囲の中で一番値段が高いことがわかります。

 

 

それでは以下の問題を見ていきましょう。

問題:Franck Heeler, which is the watch only sold in Harley Clock is ______ expensive than other watches in the shop.
(A)most
(B)more
(C)as
(D)much

 

 

ここで注目するべき点は、「than」という接続詞があるということです。「than」が文中にあるということは、比較級が問われている問題だとわかります。たとえ、「Franck Heeler」が店の中で一番高い時計であったとしても、「than」があることによって最大級ではなく、比較級が空欄には入ることとなります。よって、答えは選択肢で唯一の比較級である(B)moreとなります。

 

 

比較級は様々な形で文中に出てきますが、基本を押さえておくことが応用表現の理解に繋がります。まずは、本記事で基本を抑えて理解を深めていきましょう。