【基礎英文法】現在完了形の用法を解説

「have+過去分詞」で表現する現在完了形の経験、完了、継続、結果という4つの用法を知っていても、過去形や過去完了形との明確な違いについてあやふやかもしれません。ここでは過去形と過去完了形との違いを含めて解説していきます。

 

過去形・現在完了形・過去完了形の違いはどこに?

今回は現在完了形について解説していきます。現在完了形は、他の時制と紛らわしく、苦手とする人が多い分野でもあります。以前、過去形を解説した記事で使用した図を見てください。

過去形、現在完了形、過去完了形の時制イメージ

 

 

図の通り、過去形・現在完了形・過去完了形の3つは全て過去の時制について表しています。この中でも現在完了形は、過去に起こった出来事が現在でも効果をもたらしている状態であるという特徴があります。それでは、各用法を使った例文を見てみましょう。

 

 

【過去】
You got a mail. (あなたは[ある時点で]メールを受け取りました)
過去形では「メールを受け取った」という事実のみを表す。

【現在完了】
You have got a mail. (あなたはメールを受け取りました)
現在完了形では、「過去のある時点で受け取ったこと」だけでなく、受け取った状態が現在まで続いていることを表す。

【過去完了】
You had got a mail. (あなたは、過去にメールを受信していました)
過去完了形では、過去のある時点でメールを保持しており、受け取った時点からの効果がある時点まで継続している状態を表す。

 

 

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出典:出版社HP

例文で表すと過去形・現在完了形・過去完了形の違いがわかりやすいのではないかと思います。さて、現在完了形に話を戻すと、現在完了には経験・継続・完了の3つを表す用法があります。

 

 

【経験用法】
I have visited the place once. (私はその場所に1回訪れたことがある)

【継続用法】
I have worked for the company for five years. (私はその会社に5年間勤めている)

【完了用法】
I have already done the task. (私はその仕事を既に終わらせた)

 

 

全ての用法において、過去形・過去完了形との違いでも言った「過去に起こった出来事が、今も効果をもたらしている状態」というのは変わりません。TOEIC®では、パート6の問題で内容を見ながら時制を確認する問題として出てきます。では、実際に問題を見ていきましょう。

 

 

問題:Harvesting Memories, an international trading company with more than 50 subsidiaries, ______ new device to trace every transaction of all the trading. The company began using the tracing system at some of the branches last year.
(A)was introducing
(B)has introduced
(C)to introduce
(D)had introduced

 

ここで解答のカギとなるのが、発表したのが“いつの時点”のことなのかということです。空欄の次の文章で「会社はいくつかの子会社で去年からそのトラッキング装置を使用し始めた」と説明されており、「既に導入された状態」であることがわかります。よって、発表は完了している状態だということがわかります。

 

 

また、発表した出来事は今も効果を発揮している状態で、過去に発表した事実を確認しているというわけではなく、空欄には現在完了形が入ると判断できます。ですので、答えは(B)has introducedになります。ここでの現在完了形の用法は、完了したことを表す「完了用法」でもあります。

 

 

このように、現在完了形は他の時制と混同してしまい、用法がわかりづらいことがあります。
ここで今一度、使い方や用法を確認しておきましょう。TOEIC®では、パート6の長文穴埋め問題で頻出ですので、本番前に押さえておくと良いでしょう。