【動詞の基本活用】動作・状態を表現する動詞の時制とは?

品詞の中でも動詞は動作や状態を表現します。動詞のみを選択する問題はTOEICには出題されないが、時制などを選択する問題は出てきます。基本的な英文法をやり直す人は、時制の前段階として動詞を抑えましょう。

 

 

 

文中で動詞はどのように働くのか?

ここでは、動詞(V)の特性を説明します。そもそも動詞は「動作や状態を表す」品詞です。動作は「投げる」や「作る」など「人の動き」を表し、状態は「住む」や「知る」というように「現在の状態」を表し、始終や頻度がないため動作のように進行形にできません。例えば「I am living now(今住んでいる)」という文なら、誰かの具体的な動作ではなく、状態であるため成り立ちません。動詞には様々な特性がありますが、「主語の後ろ」、「助動詞の直後」に動詞が置かれるという働きは、TOEICの問題でも頻繁に出題されます。

 

 

まずは主語と動詞の関係について見てみましょう。大前提として、英文には必ず主語(S)と動詞(V)が含まれています。動詞がない文を考えてみるとわかります。「I here.(私ここ)」、「She beautiful.(彼女きれい)」など直訳すると、たどたどしい文になります。ここに動詞を加えると「I am here.(私はここにいる)」、「She is beautiful.(彼女はきれいだ)」のように意味の通る文になります。このように文中には必ず主語に対する動詞が存在するので、空欄補充問題で文中に動詞がなければ、空欄に動詞が入ることがわかります。それでは次の問題を解いていきましょう。

 

 

問題1:Obtaining valuable information for the investment, potential stockholders ______ building the network among the businesses in the last few years.
(A)will begin
(B)have begun
(C)will have begun
(D)beginning

 

 

一見、動詞の時制を問う問題に見えますが、(D)beginningは名詞または動名詞の可能性があるため、本当に動詞を問いているかどうか確認します。そこで「主語に対する動詞を探す」というテクニックを使います。この文の主語は「potential stockholder」で空欄以降に対応する動詞が存在せず、空欄部分に動詞が入るとわかります。時制の解説は省略しますが、ここでは問題文の時制を考えます。「in the last few years(ここ数年間)」という文言から、ここ数年間、何かをしてきたとわかります。

 

 

ですので、未来を表す「will」が入っている(A)と(C)は除外できます。そして、(D)は動詞ではないので、同じく除外でき、現在完了形の(B)が正解となります。日本語訳は「投資に価値のある情報を得るため、投資を考える潜在的な投資家たちはここ数年の間企業とネットワークを構築してきた」となります。

 

 

助動詞の後ろには動詞の原形が置かれる

問題1の選択肢の中に「will begin」と「will have begun」がありますが、「will」のような助動詞の直後には動詞が置かれます。助動詞とは「動詞を助ける」品詞で、「will」の他にも「can」、「could」、「would」、「may」、「might」などがあり、動詞の直前に置くことで動詞に意味を付け加える役目を果たします。助動詞の後ろの動詞は原則「動詞の原形」になりますが、「should have run」や「might be eating」など文脈によっては、過去分詞形や進行形など原形本来の現在形以外にもなり得るということに注意しましょう。それでは、問題2を見てください。

 

 

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出典:出版社HP

問題2:Every customers must ______ the name tag at the entrance to enter the venue.
(A)receive
(B)received
(C)will receive
(D)receiving

 

 

動詞の原形である(A)receive以外は、助動詞「must」の後ろに置くことができない形しかないので、(A)が正解ということになります。ですが、この問題のように空欄の前に助動詞があるからと安易に動詞の原形を選ぶのは危険です。助動詞が文中にある問題を解くときに大事なことは、【1】確実に動詞が答えになることと【2】文脈を見て原形で良いのかを確認することです。問題文の訳は「会場に入場する際には、名札を必ず受け取るようにしてください」となります。

 

ここでは主語と動詞の関係と助動詞の直後に置かれる動詞について説明しました。英文の中には主語に対応した動詞が存在します。TOEIC®の文法問題としては、単にS(主語)+V(動詞)という形だけではなく、助動詞などが含まれる場合の問題が出されます。動詞と主語の関係と置く位置に注意しながら理解を深めましょう。