可算名詞と不可算名詞の見分け方とは?両者の境界を理解しよう

可算名詞と不可算名詞の区別は、英語学習者を悩ませるところの一つ。もちろん、TOEIC®でも出題されるところなので、両者の違いを理解しておきましょう。

 

不可算名詞は可算名詞に変化する

今回は、名詞の中でも理解が曖昧になりがちな「可算名詞(数えられる名詞)」と「不可算名詞(数えられない名詞)」について触れていきます。可算名詞とは、「pen(1本)」、「apple(1個)」と数を数えられる名詞のことを指します。一方、不可算名詞とは、「information(情報)」、「water(水)」、「air(空気)」など形がなく数えられない名詞のことを指します。それでは、次の記事を見てください。

 

問題:The president of Kings Market has requested a ______ of the personnel cost this year and last year.
(A)comparative
(B)compare
(C)comparison
(D)comparable

 

 

問題文には、主語と動詞があるので空欄は目的語の名詞になるとわかります。また、ここでは空欄の直前に「a」という冠詞が入っているため、答えが可算名詞だということもわかるはずです。名詞が答えということで、正解は(C)comparisonになります。

 

 

しかし、選択肢の中で唯一の名詞である「comparison(比較)」は、通常、不可算名詞(数えられない名詞)として使われます。では、どうして解答が(C)comparisonになるのでしょう? 理由は単純で、ここでの「comparison(比較)」が可算名詞であるからです。このような問題が可算名詞と不可算名詞の概念を混乱させ、両方の区別を曖昧させてしまっているのです。では、なぜ「comparison(比較)」が可算名詞になるのかを解説しましょう。

 

 

簡単にいえば、不可算名詞は考え方によって可算名詞になってしまうのです。さらにつけ加えると、可算名詞になれない単語は存在しません。それは、物を数えるときは必ず「境界」が存在するからです。ペンを数えるときに意識することは、他のペンとの物理的な境界です。「comparison(比較)」自体には物理的な境界は存在しませんが、「これとこれの比較」といったように、具体的な比較の境界を作ることで可算名詞に変わるのです。

 

 

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出典:出版社HP

不可算名詞が可算名詞になることが分かったところで、可算名詞・不可算名詞で使う冠詞が変わるということも学んできたと思います。例えば、可算名詞で使うことができる冠詞には「a」、「an」、「many」、「a few」などが存在します(例:a pen, an apple, many trees, a few people)。一方で、不可算名詞に使える冠詞には「little」、「much」などがあります(例:little advice, much water)。

 

 

それでは、「a lot of」と「some」はどうでしょうか? 何とこの2つの冠詞は、全ての単語に利用できます。「a lot of information」や「some advice」など一度は耳にしたことがありませんか? こういった冠詞の使い分けも可算名詞と不可算名詞の「境界」の理解を曖昧にする要因となっていたと思います。

 

 

TOEIC®で出題される問題では、選択肢に通常、不可算名詞として使われているものを、そのまま不可算名詞として選択肢に入れている場合と可算名詞として入れている場合があります。実際に出題されても迷わずに答えられるよう、可算名詞と不可算名詞の「境界」について理解しましょう。