宅建士は不動産業界において必須とも言える国家資格です。
宅建士試験の合格率も2割を切るほどの難易度で、不動産業界にいても何度も落ちてしまう人もいるほど…。
しかし、一方で「宅建士はオワコン」「取っても役に立たない」「結局食いっぱぐれる」など辛辣な意見も見受けられます。
今回はそんな事情を詳しく深掘りしていきましょう!



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1.宅建士がオワコンの理由

まずは、オワコンと言われる理由を見ていきましょう。

理由1:宅建士は増える一方だから

宅建士試験は毎年行われており、合格者ベースで考えると毎年約3万人ずつ増えています。宅建士資格は期限がないため1度合格すると一生涯使える権利になります。
また、不動産業界は一般企業の定年後でも活躍できることがあるため、宅建士が激減するというようなことは起こりません。
つまり、年を重ねるごとに希少性が失われているとも言えるのです。



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理由2:活かし方がわからない

宅建士資格は不動産取引において必須のものですが、宅建士にしかできない仕事はごくわずかです。
また、不動産業界に身を置かない人はこの仕事に触れる機会もありませんよね。
つまり、一生涯の資格として持っていても活かす機会があまりにも少ないので「宝の持ち腐れ」のように感じてしまいます。

理由3:未経験の資格持ち<営業力のある経験者優遇

不動産業界も、結局は売上が大切な競争社会です。
宅建士は業界未経験でも取得できるため大変人気がありますが、業界の求める人材としては圧倒的に経験者であり、また営業力を持った人間です。
未経験で事務が希望の主婦と、営業もやります!と前向きに答える若者が面接に来たときに、どちらを優先するのかは明白ですよね。

2.宅建士になるメリット

しかし、オワコンなどと言われつつも宅建士になるメリットは確実に残っています。

資格手当の存在

会社によっては、この資格を持っていると資格手当が支給されることがあります。
この資格手当の有無で年間20万〜60万円の年収の差が生まれます。
試験のために教材費や通信教育の費用を払ったとしても、1年で元が取れてしまうので、早めに宅建士になった方が生涯年収に大きな差ができますね。



小遣い稼ぎの選択肢が増える

クラウドソーシングのような働き方でお小遣い稼ぎができるようになります。
記事の執筆や合格体験からアドバイスを行うなど、さまざまな場面で「有資格者」という肩書きは有利です。
基本料金の上乗せや継続依頼などのきっかけになり、稼ぎ方の選択肢が増えることにつながります。

ステップアップの土台になる

国家資格として上位になる行政書士・司法書士・社労士などへの土台や、不動産資格のダブルライセンスなど、さまざまな国家資格への挑戦がしやすくなります。
上であげたものは、宅建士よりも合格率が低いものがほとんど。一度宅建士試験で勉強方法やスケジュールなどの感覚を掴んでおくことで、一発合格が目指しやすくなります。

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出典:出版社HP

 

3. 宅建士になるデメリット

では逆に、デメリットは存在するのでしょうか?

資格取得に時間と有する

宅建士試験は、決して簡単とは言えません。
一定の専門知識を身につけていないと合格できず、そのためにきちんと勉強時間を確保する必要があります。
この勉強のために、自分の時間を減らしたり家族に協力してもらったりするなど、生活を見直す必要が出てきます。

必ずしも年収UPにつながらない

メリットで出た資格手当てですが、不動産業界内でも必ず支給されるとは限りません。会社が資格手当の制度を取り入れていなければ、いくら資格を持っていても自動的に年収が上がることはないのです。

活用できる機会が少ない

宅建士資格を持っている=宅建士にしにしかできない仕事を常に行う、ではありません。
医師や看護師、弁護士などと異なり、不動産取引では宅建士の資格がなくても行えるものがほとんどです。
まして業界に入っていない人などは、どこでこの資格を活かせばいいのかピンとこないですよね。

4.宅建士=オワコンは早計

このようなデメリットもありますが、結論として「宅建士=オワコン」というような状態ではありません。
今はまだ、ですが、これから数年で大きく状況が変わることはないでしょう。

宅建士資格は人生一発逆転の切り札ではない

これまでお話しした通り、宅建士の資格は持っていても活用される機会が少ないです。
しかし、そのことをそのまま「オワコン」と言ってしまうのはナンセンスです。
それは同時に「私は資格さえあればお金がもらえると思っていました」と、自己研鑽を怠っていることを明言していることになるからです。

宅建士になった後のビジョンを考える

そんな人間にならないためにも、宅建士の資格を取ったらどのような未来になるのか?をきちんと考えましょう。
もし未経験で宅建士になれたとして、その後にどのようにして資格を活かすのがいいのか?
もしくは資格取得までの経緯・経験を自分の財産とするのか?
ここを明確にしておくだけでも、宅建士資格があなたに与えてくれるものは大きく変わるでしょう。

ネットの失敗談よりも現実を見よう

ネットにはさまざまな経験談が載っています。
中でもネガティヴなものは検索されやすい&記憶に残りやすいため、強く印象付けられてしまいます。
そんな時は、実際に宅建士として活躍している人の話を聞いてみましょう。
自分が考えている資格の活かし方を、実現している人の発信を見ましょう。

ネガティヴな失敗談よりも、はるかに現実的なものが手に入るに違いありません。




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【宅建士オワコンのお知らせ】なぜこれほど宅建士資格が役に立たないと言われているのかのまとめ

宅建士の資格は、確かに昔ほど重宝されず、どんどん価値が下がっているのかもしれません。
しかし、それはどの国家資格にも言える話です。
宅建士のみがその状況下に置かれているわけではないので、「当人の努力不足」などの言葉で片づけられてしまう可能性もあります。
そのようなデメリットに目を向けるのではなく、「そんな状況ならどうすればいいか?」という未来志向で宅建士の仕事に向き合ってみましょう。