労働安全コンサルタントは、依頼を受けた企業の労働環境を診断し、安全性を改善するための適切な指導を行う専門家です。

今回は、労働安全コンサルタントの仕事内容について詳しく見ていきたいと思います。

 

労働安全コンサルタントとは

企業や事業所によっては危険物や大型の設備を使用しているところも多く、少しの不注意や環境整備不足によって大規模な労働災害へと繋がってしまうこともあります。このような事態を避けるため、労働環境の適切な診断及び改善のための指導を行うのが労働安全コンサルタントです。

テクノ・リアライズ
出版社 ‏ : ‎ テクノ・リアライズ (2020/1/1)
、出典:出版社HP

 

労働安全コンサルタントの仕事内容は?

労働安全コンサルタントの仕事内容は、大まかに言えば労働環境の改善です。そのために、まずは現場の安全面の把握を行います。現場に入って診断を行い、危険が生じるポイントなどを洗い出します。改善が必要となる時は、改善案を策定し、それをもとに企業の責任者や現場に対して適切な指導を行います。万が一事故が起きてしまった場合、その原因究明と改善も労働安全コンサルタントの仕事です。

また、新しい設備を導入する際の安全面の計画、従業員に対する教育を行うこともあります。

近年、技術の進歩に伴う設備の大型化や高性能化により、大規模な労働災害が起こるリスクも高まっています。さらに、いち従業員から企業まで、全体的に安全に対する意識も向上してきているため、需要が高まってきている職種です。

また、労働安全コンサルタントは独立も可能な職種です。将来的に独立して働きたいと考えている方にもおすすめの職業となっています。

 

労働安全コンサルタントの試験概要は?

労働安全コンサルタントとなるには、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が運営する同名の資格試験に合格する必要があります。ここでは、その試験概要についてご紹介します。

労働安全コンサルタント試験には、実務経験または他資格の取得等の受験資格が設けられています。学歴にもよりますが、最低でも5年以上の実務経験が必要となります。技術士、一級建築士、第1種電機主任技術者等の試験に合格している場合は、実務経験を積むことなく受験が可能です。受験資格は他にも設定されていますので、公式サイトにてご確認ください。

 

試験は筆記試験と口述試験に分かれていて、筆記試験が免除の場合か試験に合格した場合のみ口述試験を受験することができます。試験は機械、電気、化学、土木、建築の5分野に分かれていて、自分の専門を選んでの受験となります。筆記試験は選択式で行われる「産業安全一般」「産業安全関係法令」、記述式で行われる「専門科目」の3科目から、口述試験は「産業安全一般」「専門科目」の2科目から構成されます。

 

試験科目 試験形式 試験時間
筆記試験 共通 産業安全一般 択一式 2時間
産業安全関係法令 択一式 1時間
専門 機械安全、電気安全、化学安全、土木安全、建築安全の中から1科目選択 記述式 2時間
口述試験 共通 産業安全一般 口述式 15分
専門 機械安全、電気安全、化学安全、土木安全、建築安全の中から1科目選択

 

合格基準は、筆記試験が「総点数の概ね60%以上であることかつ、1科目につきその満点の40%未満の科目がないこと」、口述試験が「4段階評価の上位2ランクであること」と設定されています。

受験料は24,700円で、合格後は登録料としてさらに20,000円がかかります。筆記試験と口述試験を合わせた最終合格率は20%程度です。

テクノ・リアライズ
出版社 ‏ : ‎ テクノ・リアライズ (2020/1/1)
、出典:出版社HP

 

労働安全コンサルタントの仕事内容のまとめ

今回は、労働安全コンサルタントの仕事内容についてまとめてきました。

労働安全コンサルタントは、企業の労働環境の改善に貢献する、近年需要が高まっている職業です。今後もニーズが増えていくことが予想されるため、この機会にぜひ取得を目指してみてはいかがでしょうか。