測量士は、測量に関する計画の立案と実行を行うための職種・資格です。
似たような資格に測量士補がありますが、測量士が計画の作製ができる一方、測量士補はできないという違いがあります。

測量士になるには、いろいろな方法があり、国土地理院が実施する測量士試験に合格後、登録する方法や指定された機関で、特定の教育を受けて、実務経験を積んだ後に登録を行う方法などがあります。

測量士の需要は、比較的安定して存在するため、就職に困ることはあまりないと言われることが多いです。実際、多くの地域で測量士の人手が不足している状態が続いています。

しかし、機器の精度の向上や無人機(ドローン)の登場を理由として、仕事の機会が減ったり、測量士の数が減るのではないかという見方も一部であります。このページでは、測量士の将来性について取り上げたいと思います。

 

測量士の現状

測量士を取り巻く環境は、時代によって変わってきました。その変化の背景には、いくつかの要因があります。そのなかでも大きな要因の一つが、公共事業です。民間向けの測量はそれなりにありますが、公共測量も測量案件の大きなウェイトを占めています。そのため、公共事業の数が測量の需要を左右します。

1990年代後半から2000年代以降、公共事業が減少傾向にあり、測量の需要も同様に減少傾向にありました。しかし、最近では、災害対策や国土強靭化といった政策の転換により、公共測量の需要は今後増えていく可能性もあります。

また、公共工事が批判されていた時期と比べると、測量士の高齢化も進んでおり、若い測量士の需要は安定している状況です。

景気の悪い時期もありましたが、現在の測量士の需要は安定しており、少子高齢化の進行も重なり、人手不足の傾向にあります。

測量士の将来性

測量士は、将来的に無くなると言われることがあります。確かに、ドローンの登場により、効率的な測量を行いやすくなり、データの整理などもAIによる自動化が進められることになるでしょう。



しかし、所々で人の手が必要になる可能性も十分にあります。例えば、測量を実施する際に測量士がリアルタイムで確認したり、集めたデータにおかしな点が見つかれば、原因を確認する作業が発生する可能性もあります。

そうしたことから、測量士の仕事が完全になくなるとまでは言えないのではないかと思います。ただ、必要とされる測量士の数は減るかもしれません。

さらに、現状では機械が高価であったり、必要な精度が実現できていないために、機械による代替はもう少し時間がかかると予想されています。現在の年齢と働く期間から計算した時間軸の長さと業務内容の変化を考えた上で、測量士として働くかを判断するべきです。

測量士に今後求められるもの

では、今後の測量士には何が求められるのでしょうか。これまで多かった、ルーティーンの測量作業は減っていく可能性があるでしょう。一方で、専門的な測量を行える測量士は増えていく可能性があります。ドローンによる測量が行える技能や高い精度で測量ができる技能、測量の知識を使った建設のコンサルティングなど、測量技術+αの能力によって、活躍しやすくなるとされています。

つまり、今後の測量士に求められることは、測量と他のものを組み合わせることで新しい価値を提供することや新技術などによって測量の専門性を高めることだと言えるでしょう。

測量士の将来性のまとめ

今回は、測量士の将来性について取り上げました。完全に仕事が無くなるかどうか、業務がどのくらいのペースで機械化、自動化されていくかはまだわかりません。
しかし、測量士の業務が現在のまま続くことは考えにくいことは確かです。



将来、測量士になりたい方や今後も続けたいと考えている方は、技術革新の流れや測量士へのニーズに注意して、能力開発やキャリアに関する計画の作成を行なっていただきたいと思います。