樹木の医者である樹木医。

また、樹木の育成や管理にも関わっており、

近年、注目を集めつつある資格の一つです。

 

そんな樹木医のやりがいや魅力はどのようなものなのか、

これらについて見ていきたいと思います。

出版社 ‏ : ‎ 日本緑化センター; 改訂4版 (2014/6/1)
、出典:出版社HP

 

樹木医のやりがい

①治療の結果が目に見える

樹木医は、樹木のお医者さんです。

街路樹や庭木、公園樹木といった身近な樹木から、

神木や天然記念物に指定されている樹木など様々な樹木を対象に活動を行います。

 

このような樹木の中には傷んでいたり、病気になってしまっていたりするものもあります。こうした樹木が、どうして病気になったのかと原因を調べ、適切な治療を施します。

 

樹木の診断・治療を行う場合、その原因や治療方法を検討する際には、

長い期間を要することも、少なくありません。

長い時間をかけて、樹木に向き合い、育成環境の改善や薬を使って、病気を克服させるのです。

 

このように長い期間をかけて、診断・治療を行ったとしても、症状を悪化させてしまうこともあり、自分の思うようにいかないこともあります。

 

また、高所・外での作業となるので、

心身に大きな疲労を感じることもあります。

 

だからこそ、自分が行った診断・治療によって、樹木が元気になったとき、

つまり、結果が目に見えたときは、非常にやりがいを感じるのです。

 

②人々の喜びにつながる

樹木には、文化財に登録され、観光地や街のシンボルになっているものもあれば、

庭木や街路樹・公園樹木など様々です。

 

観光地やシンボルになっている樹木であれば、樹木を保護したいという想いだけではなく、

その場所の歴史や文化も保護したいという想いもあるでしょう。

 

庭木には、自分の子どもが生まれた時に植樹した記念樹、

街路樹・公園樹木であれば、子供のころに木登りをしたり、仕事帰りに見かけたなど、

それぞれの樹木に思い入れのある人が依頼をするのです。

 

樹木医の仕事は、こういった樹木の病気を直したい・保護したいという想いがあるからこそのものです。

 

樹木医によって、適切な治療が行われ、再び元気な姿を樹木が取り戻すことで、

こうした依頼人の想いを守り、喜びにつながるでしょう。

 

樹木への診断・治療を通じて、依頼人の感謝や喜びの気持ちが伝えられたことは、

樹木医にとって、大きな励みになると言えます。

 

③人材の育成

樹木医は、樹木の医者としてだけではなく、ワークショップや講演会などを通じて

専門的知識・技術を活用しながら、地域の緑の普及啓発活動なども積極的に行なっています。

 

自然が好きな人には、もちろんのこと、

今まで自然に興味がなかった人にも、自然のことを知ってもらい、樹木の育成・保護につながるようにすることも、やりがいの一つでしょう。

 

また、樹木医は、心身の疲労が非常に多く仕事で、

女性よりは男性が従事しているイメージが強い方も多いと思います。

 

しかし、最近は女性の中にも、樹木医を目指す方も多く、実際に資格を取得している方もいます。

男性だけではなく、女性にも人材の育成が広がりつつあると言えるでしょう。

 

樹木医の魅力

①歴史や文化に携わる

樹木が育つには、非常に長い時間がかかり、寿命も非常に長いです。

自然遺産や天然記念物に指定されている樹木のように、

そういった長い歴史のある樹木に携わり、歴史を紡いでいくという、非常に大きな責任もあります。

 

大事な樹木を枯らしてしまう、という失敗は許されないというプレッシャーでもありますが、長い歴史のある樹木に、自分の知識や技術を用いて、樹木の保護や育成に活かすこと・携わることは、非常にやりがいのあることだと思われます。

 

②将来性がある

近年は、自然環境に対する環境が非常に高い傾向にあります。

その影響もあり、自然環境や生物多様性の保全という観点からも、樹木医の注目度も高まりつつあります。

 

災害の多い日本においては、災害の被害にあった樹木を治療する、災害から樹木を守る、

といったことも期待されています。

実際、復興のシンボルとされている樹木もありますし、その樹木を保護しようという活動も活発的に行われています。

 

また、住民の安全を守るという側面からも注目を集めています。

最近は、緑地化や自然でデザインされたまちづくりがされていることもあります。

このように、自然がより身近になってきていますが、こうして植樹された樹木の管理の問題が指摘されています。

 

街路樹や公共施設の樹木が管理不足や経年変化により、落枝・倒木のような

危険な状態であることが散見されるようになっているのです。

樹木を危険な状態のまま放置し、傷害事故につながるケースも増えているようです。

 

このように、本来、観光地・街のシンボルとして、人々に癒しであったもの、その歴史に思いを馳せるといった樹木が、住民に怪我を負わせてしまうこともありうるのです。

 

こういった傷害事故を未然に防ぐためにも、樹木医の専門的知識・技術が必要になるでしょう。

出版社 ‏ : ‎ 日本緑化センター; 改訂4版 (2014/6/1)
、出典:出版社HP

 

樹木医のやりがいのまとめ

樹木医のやりがいやその魅力について、述べてきました。

樹木医として、樹木に向き合うことで、想い、歴史・文化に携わることのできる仕事です。

加えて、長い時を過ごす樹木だからこそ、自分たちより若い世代に、伝えられることもあるのだと思います。

 

自然に興味がある人はもちろん、歴史や文化、人の想いを伝えていきたい人も

樹木医を目指してみてはいかがでしょうか。