ブランクスペース

熊倉献
出版社:ヒーローズ 、出典:出版社HP

ある雨の日、女子高生の狛江ショーコは、同級生の片桐スイが不思議な力を持っていることを知る。それは、想像したものを目には見えない”空白”として生み出すことができるという力だった。イジメをきっかけに次々と凶器を作り始めたり、ショーコの「彼氏を作ろう」という提案から、人体生成に夢中になったり。何でも生み出せる力は次第に生活を脅かすようになる。二人の少女の”空白”をめぐる物語。

水は海に向かって流れる

田島列島
出版社: 講談社、出典:出版社HP

「あの人、本当は怒りたいんじゃないの?」高校への進学を機に、叔父の家に居候することになった直達。案内された家の住人は、親に黙って脱サラしたマンガ家(叔父)、女装の占い師、ヒゲメガネの大学教授、どこか影のある25歳OLと、いずれも曲者揃い。男女5人での一つ屋根の下、奇妙な共同生活が始まった。少年が家族の元を離れて初めて知る、家族の「罪」。自分もその被害者なのかもしれないが、加害者でもあるような気がする。少年が家族や自分と向き合い、大人の階段を登っていく物語。

コタローは1人暮らし

津村マミ
出版社:小学館 、出典:出版社HP

「アパートの清水」に住む、売れない漫画家、狩野進の隣にさとうコタローと名乗る4歳の少年が引っ越してきた。コタローには親がおらず、一人暮らしだと言う。そんなコタローを煙たがる狩野だったが、コタローが一人で暮らす理由が分かるにつれ、少しずつ距離を詰めていく。妙に生活力があり、むしろアパートのちょっと駄目な隣人の大人たちよりも余程しっかりしているコタロー。ちょっとずつ明らかになるコタローの過去に、皆が心を震わせていく・・・笑って泣けるアパートメントコメディー!

違国日記

ヤマシタトモコ
出版社:祥伝社、出典:出版社HP

35歳、少女小説家。(亡き母の妹)15歳、女子中学生。(姉の遺児)女王と子犬は2人暮らし。少女小説家の高代槙生(こうだいまきお)(35)は姉夫婦の葬式で遺児の・朝(あさ)(15)が親戚間をたらい回しにされているのを見過ごせず、勢いで引き取ることにした。不器用人間と子犬のような姪がおくる年の差同居譚。それぞれの視点での悩みや成長が、お互いの絆を深める物語。

火の鳥

手塚 治虫
出版社:KADOKAWA、出典:出版社HP

時空をこえて存在する超生命体’’火の鳥’’を狂言回しに、過去と未来を交互に描きながら、テーマである「生と死」「輪廻転生」という哲学的な問題を深くえぐる、手塚治虫の代表作にしてライフワークとなった作品。死ぬことのない’’火の鳥’’を追い求めるという一点で互いに繋がりを持ちながら、ちっぽけな一つの生命としてあるいは煩悩にまみれた人間として生きる機会を得た“舞台”で、それぞれの生涯をかけたドラマ。「死とはいったいなんだろう?」「生命とは?」この単純でしかも重大な問題は、いまだに解決されていない。

この世界の片隅に

こうの 史代
出版社:双葉社、出典:出版社HP

戦中の広島県の軍都、呉を舞台にした家族ドラマ。主人公、すずは広島市から呉へ嫁ぎ、新しい家族、新しい街、新しい世界に戸惑う。配給物資がだんだん減っていく中でも、すずさんは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、毎日のくらしを積み重ねていく。1945(昭和20)年3月。呉は、空を埋め尽くすほどの数の艦載機による空襲にさらされ、すずさんが大切にしていたものが失われていく。一日一日を、確かに健気に生きていく物語。

月曜日の友達

阿部共実
出版社:小学館、出典:出版社HP

みんなが少しずつ大人びてくる中学1年生。そんな中であどけなさが抜けない女子・水谷茜。水谷はひょんなことから「俺は超能力が使える!」と突拍子もないことを言う同級生の男子・月野透と月曜日の夜に校庭で会う約束をする。束の間の自分らしさを取り戻す特別な時間。大人と子供のはざまのひとときの輝きを描く、ガールミーツボーイ物語。

彼氏彼女の事情

津田雅美
出版社:白泉社、出典:出版社HP

頭・顔・性格と、3拍子そろった宮沢雪野。しかし本当は、人からよく見られたいばかりに不断の努力を続ける見栄だった。ところが同じ1年A組クラス委員の有馬総一郎は、雪野をう上回る本物の優等生だった。ある日わずかな油断から自分の本性を総一郎に知られてしまう。“仮面優等生”の事情を持つ主人公2人の恋愛と成長、コンプレックスとの対峙、そして周りを固める個性豊かなキャラクター達の人間模様が描かれる作品。

モリのアサガオ

郷田 マモラ
出版社:電書バト、出典:出版社HP

新人刑務官である及川直樹は、死刑囚舎房に配属される。そこには一筋縄ではいかない死刑囚達と制度が抱える問題があった。死刑を執行する側とされる側。そんな彼らと接していく中で、直樹は死刑制度の是非について深く考えるようになる。それとともに、死刑囚・渡瀬満との禁断の友情を描いた、衝撃の問題作!

MONSTER

浦沢直樹
出版社:小学館、出典:出版社HP

ドイツのアイスナー記念病院で働く天才脳外科医・Dr.テンマ。院長の娘と婚約し、将来を嘱望される彼のもとに、ある日頭部を銃で撃たれたという少年が運び込まれ、命を救う。しかし、その日から順風満帆だった彼の人生は一変する・・・。ベルリンの壁崩壊後のドイツを舞台に、歴史の暗部に隠された人間の罪をえぐり出していく綿密なストーリーテリングで描かれた作品。