本記事では、金融窓口サービス技能検定の勉強法について紹介します。

金融窓口サービス技能検定の概要

ではまず、金融窓口サービス技能検定について、簡単に紹介していきます。金融窓口サービス技能検定は、厚生労働省の委託によって、一般社団法人「金融財政事情研究会」が実施している試験です。この試験では、主に金融機関における窓口業務などに不可欠な技能や知識が問われ、合格者は金融機関の窓口業務のスペシャリストとして「技能士」と認定されます。また、金融財政事情研究会は、”きんざい”と呼ばれ、ほかにも金融に関する検定試験をいくつか実施しており、日本の金融界において非常に重要な役割を担っています。

この資格は、国家資格と勘違いされることが多いですが、正しくは「職業能力開発促進法に基づく国が認めた技能検定試験」であり、国家資格ではないのです。

金融窓口サービス技能検定の試験概要

次に、金融窓口サービス技能検定の試験概要について詳しく紹介していきます。
この資格は1級/2級/3級の3つに区分されており、学科試験と実務試験という2種類の試験がすべての級で実施されます。また、それぞれの級で受験資格や試験方式などに違いがあります。
それでは、試験概要を詳しく見ていきましょう。

3級 2級 1級
 

 

受験資格

金融機関関連業務に従事している者または従事しようとする者

(誰でも受験可能)

①    2年以上の実務経験を有する者

②    3級技能検定の合格者

③    厚生労働省認定テラー技能審査3級合格者

① 4年以上の実務経験を有する者

② 2級技能検定の合格者

③ 厚生労働省認定テラー技能審査2級合格者

試験方式 学科:マークシート方式

実技:マークシート方式

学科:マークシート方式

実技:マークシート方式

学科:マークシート方式

実技:記述式

出題数 学科:40問程 実技:40問程 学科:40問程 実技:25問程 学科:50問程 実技:15問程
試験日 1月下旬、5月下旬 1月下旬、5月下旬 9月上旬
受験料 7,800円 13,500円 23,500円
合格基準 100点満点中70点以上
試験会場 全国主要都市

※テラー業務と金融商品コンサルティングの2種類から選択可能

金融窓口サービス技能検定の難易度

次に、金融窓口サービス技能検定の難易度について説明していきます。
この試験は、すべての級で100点満点中70点が合格ラインとなっています。近年の学科の合格率は3級で約40%、2級で約23%、1級で約32%と、どの級も比較的低くなっています。一方、実技の場合、3級で約72%、2級で約28%、1級で約46%と、級によって大きく違います。
以下が、直近3回分の試験の合格率を表にしてまとめたものです。参考までにご覧ください。

実施日時 3級 2級 1級
2020年1月実施

(2020年9月実施)

学科:32.1%

実技:61.7%

学科:23.9%

実技:20.8%

学科:7.1%

実技:42.5%

2019年5月実施

(2019年9月実施)

学科:44.5%

実技:81.8%

学科:22.2%

実技:40.7%

学科:75.0%

実技:57.1%

2019年1月実施

(2018年9月実施)

学科:44.1%

実技:73.2%

学科:22.6%

実技:22.2%

学科:13.0%

実技:38.9%

※1級試験の実施日時

この表を見ると、級や回によってかなりのばらつきがあることがわかります。しかし、全体的な合格率を見ると比較的低くなっており、2級・1級に関しては平均すると2~3割前後の合格率ですので、難易度はある程度高いことが推測されます。また、各級の合格の難しさを偏差値にして表すと、3級は51程度、2級は55程度、1級は60程度となり、取得偏差値も比較的高いことがわかります。

金融窓口サービス技能検定の勉強時間

では、一体どのくらいの勉強時間で、金融窓口サービス技能検定に合格できるでしょうか。上記で述べた通り、回や級によってばらつきはあるものの、難易度は比較的高いことが推測されます。これらのことを踏まえると、3級の場合約50時間、2級の場合約90時間、1級の場合は120~140時間が合格するための一つの目安となります。1日2時間の勉強を毎日続けるとすると、3級だと約1か月、2級だと約1か月半、1級だと約2か月~2か月半の期間が必要になる、ということです。

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出典:出版社HP

金融窓口サービス技能検定のおすすめ勉強法

金融窓口サービス技能検定は、決して簡単な資格ではありませんが、独学で合格を目指すこともできます。ただ、独学で合格までたどり着くには、いくつかのポイントを意識しながら勉強に取り組む必要があります。ここでは、合格を確実なものにするために意識すべきポイントを2つ紹介します。

① 試験日までの学習計画を立てる

学習計画を立てることは非常に大事です。先ほども述べた通り、法人税法能力検定に合格するためには、3級で約50時間、2級で約90時間、1級で約120~140時間の勉強時間が必要とされています。この勉強時間を参考にして、試験日からの残り日数を把握し、1日当たりに必要な勉強時間を明確にしましょう。また、1日に必要な勉強時間を出すことが出来たら、その時間の中でどの分野を学習していくのか、具体的な計画を立てることもポイントです。

② 問題集を繰り返し解く

問題集や過去問を解くことで、出題されるポイントや傾向なども掴みましょう。この問題集や過去問を解くというのは、1回だけでなく何回も解くことが大切です。出題傾向の把握や苦手分野の理解などのためにも、最低3回は解くことが望ましいです。また、金融窓口サービス技能検定の過去問はホームページからダウンロードできます。問題集やテキストを買いたくない、という人はこちらの過去問を活用すると良いでしょう。実際の試験問題や構成に慣れるためにも、過去問・問題集を使いながら試験に備えることが大事です。

おすすめの参考書・通信講座

それでは最後に、試験に合格するためのおすすめの参考書や通信講座について紹介していきます。

おすすめの参考書

「2021年版 2級金融窓口サービス技能士(実技)精選問題解説集」(きんざい 教育事業センター 編集)

「2021年版 2級金融窓口サービス技能士(学科)精選問題解説集」(きんざい 教育事業センター 編集)

こちらの2冊は、金融窓口サービス技能士2級実技試験の合格を目指す方の学習の利便を図るためにまとめた問題解説集(実技・学科)です。この問題集の特徴として、過去に出題された問題を厳選して収録している、各問には専門家による解説をつけており、理解を深めながら学習を進められる、などの点があります。試験合格を目指すなら、持っておいて損はない2冊であり、初学者にもおすすめです。また、3級や1級用のものもあるので、それぞれ自身が目指す級に応じて使い分けることが出来ます。

おすすめの通信講座

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金融窓口サービス技能検定の勉強法のまとめ

以上、金融窓口サービス技能検定の勉強法について紹介しました。

学習計画をしっかりと立てて、問題集や過去問を繰り返し解くことが、試験合格への一番の近道になります。是非、皆さんもこの機会に挑戦してみてはいかがでしょうか。

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出典:出版社HP