毒物及び劇物取締法で指定されている物質を含む製品を扱う場合、毒物劇物取扱責任者を設置しなければなりません。毒物劇物取扱責任者として従事するための資格を得る方法の一つに、同名の試験に合格することがあります。毒物劇薬取扱責任者の試験は3つの区分に分かれていますが、今回はそれぞれの特徴について詳しく見ていきたいと思います。

毒物劇物取扱責任者の試験

毒物劇物取扱責任者は、毒物及び劇物取扱法で指定されている物質を含む製品を製造、輸入、販売を行う場合に設置が義務付けられている役職です。毒物劇物取扱責任者には同名の資格試験があり、それに合格することで毒物劇物取扱責任者として従事することができます。

毒物劇物取扱責任者は一般、農業用品目、特定品目の3つの区分に分かれています。それぞれ取り扱える毒物及び劇物や商品の種類が異なりますので、必要となる区分を受験すると良いでしょう。

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出典:出版社HP

毒物劇物取扱責任者「一般」区分の概要

毒物劇物取扱責任者の中で、一番幅広い種類の毒物及び劇物を取り扱うことができるのが「一般」区分です。一般区分に合格すると、全ての毒物及び劇物を取り扱うことができ、取り扱う商品の分類についても制限はありません。また、一般区分は唯一、製造、輸入、販売の全てを行うことができます。その汎用性の高さから、毒物劇物取扱責任者の中で一番受験者数が多い区分です。

試験形式等は都道府県によって異なりますが、参考として以下に東京都の例をご紹介します。毒物劇物取扱責任者では、筆記試験と実地試験に分かれていますが、実地試験も筆記で出題される地域が多く、東京都もその一つです。試験内容は、筆記試験では「毒物及び劇物に関する法規」、「基礎化学」、「毒物及び劇物の性質及び貯蔵その他取扱い方法」、実地試験では「毒物及び劇物の識別及び取扱方法」となっています。試験時間は2時間で、四肢択一式で出題されます。合格基準は筆記試験、実地試験それぞれで100点満点中50点以上かつ、合計120点以上(200点満点)となっています。合格率は50%程度とそれほど難易度の高い試験ではありません。

毒物劇物取扱責任者「農業用品目」区分の概要

毒物劇物取扱責任者の中で、農薬等に特化した区分が「農業用品目」です。農業用品目では、厚生労働省令で指定された毒物及び劇物のみ、商品も農業用品に限って取り扱うことができます。また、輸入、販売のみが許可され、製造を行っている企業では毒物劇物取扱責任者に就くことはできません。

ここでも東京都の試験概要を参考としてご紹介します。農業用品目区分でも筆記試験と実地試験に分かれていますが、実地試験も筆記で出題されています。試験内容は一般区分と同じで、試験形式は四肢択一式、試験時間は1時間半となっています。合格基準は、筆記試験で90点満点中45点以上、実地試験で60点満点中30点以上かつ、合計で90点以上(150点満点)の得点で合格となります。合格率は30%程度と、一般区分に比べると若干低くなっています。

毒物劇物取扱責任者「特定品目」の概要

「特定品目」区分では、その名称の通り厚生労働省令で指定された特定の毒物及び劇物、特定品目のみの取り扱いが可能となります。こちらも、農業用品目と同様、輸入、販売のみが許可され、製造を行うことはできません。

東京都を例に試験概要をご紹介します。特定品目区分でも筆記試験と実地試験に分かれているものの、実地試験は筆記試験で行われています。出題形式、試験時間ともに農業用品目と同じで、四肢択一式で出題され、時間は1時間半となっています。合格基準は、筆記試験で90点満点中45点以上、実地試験で60点満点中30点以上かつ、合計90点以上(150点満点)です。特定品目では受験者数が少なく、年度によって合格率にバラつきが見られます。2021年度試験合格率は、3人中3人合格の100%となっています。

毒物劇物取扱責任者の試験区分のまとめ

今回は、毒物劇物取扱責任者の区分ごとの特徴についてまとめてきました。

本記事では東京都を例に紹介してきましたが、毒物劇物取扱責任者では都道府県ごとに試験内容や形式から異なるため、ご自身の受験する都道府県のサイトを参照してみてください。過去問なども形成されている地域が多いので、そちらを使って学習を進めるのが良いでしょう。合格を目指して頑張ってください。

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