「法人税法能力検定を受験したいのだけど、正しい勉強法が分からない…」

本記事では、そんな人のために法人税法能力検定の効率的な勉強法について紹介していきます。

法人税法能力検定の概要

まず、法人税法能力検定がどのような資格なのか簡単に紹介します。

法人税法能力検定は、公益財団法人の全国経理教育協会が1968年から主催している資格試験であり、2021年9月現在までに全105回実施されています。そして、冒頭でも述べたように、こちらの試験では法人税に関する知識や計算・税務処理能力などが問われます。具体的に言うと、実務での税務処理の知識や、法人企業における税務署への書類作成ができる知識など、法人税関係の知識や計算・税務処理能力が問われる検定試験、ということです。この試験を受験することで、会計実務や経理部の財務で生かせる知識や技術を効率的に身につけることが出来ます。

法人税法能力検定の試験概要

次に、法人税法能力検定の試験概要について詳しく紹介していきます。

法人税法能力検定ですが、受験資格は特にありません。年齢・性別・学歴等に関係なく誰でも受験することができます。資格区分は1級/2級/3級の3つの級に分かれており、すべて筆記試験形式の問題です。また、文章問題/仕訳問題/計算問題の3つのパターンから出題されます。
そして、以下が試験概要の詳細です。

 

 

 

出題範囲

①法人税法のしくみ

②益金の額と損害の額

③法人の会計処理

④青色申告制度

⑤法令等

⑥基本原則

⑦総則

⑧同族会社

⑨微税方式 など

試験点数 1科目100点満点
合格基準 全科目得点70点以上
試験時間 1級:90分/2級:60分/3級:60分
試験会場 協会が指定した全国各地の専門学校
試験日 10月下旬頃、2月上旬頃(年2回)
受験料 1級:3,500円/2級:2,700円/3級:2,300円(各税込)

法人税法能力検定の難易度

ここで、法人税法能力検定の難易度について説明していきます。

法人税法能力検定は、どの級も100点満点中70点が合格ラインとなっています。難易度はそれぞれの級によって違いますが、一般的な合格率は3級だと約90%、2級だと約70%、1級だと約60~70%となっています。以下に、直近2回分の試験の合格率を表にしてまとめましたので、参考までにご覧ください。

実施日時 3級 2級 1級
2020年2月 89.2% 65.2% 80.1%
2019年10月 91.9% 71.3% 65.8%

こちらから分かる通り、年度によって差はあるもののどの級も合格率は比較的高めになっています。特に3級では9割近く、2級・1級に関しても7割前後の方が合格されているため、しっかりと対策をして臨めば合格はできるでしょう。また、取得の難しさを偏差値にすると、3級だと偏差値38程度、2級だと偏差値42程度、1級だと偏差値45程度となり、いずれも平均偏差値50より下であることがわかります。そのため、法人税法能力検定の難易度はそこまで高くないと言えます。

法人税法能力検定の勉強時間の目安

では、法人税法能力検定に合格するためにはどのくらいの勉強時間が必要なのでしょうか。ここでは税務や経理などの知識がない初学者の場合を紹介しますが、3級で30時間程度、2級で40~50時間程度、1級で60~70時間程度が目安です。もし1日1時間程度勉強したら、3級だと1か月ほど、2級だと1~2か月ほど、1級だと2~3か月ほど勉強すれば十分合格できる可能性がある、ということになります。ですので、いずれの級もしっかりと時間と期間を設けて対策をすることが重要になってきます。また、ある程度税務や経理に関する知識がある人であれば、もう少し短い勉強時間や勉強期間で合格できるでしょう。

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出典:出版社HP

法人税法能力検定のおすすめ勉強法

先ほども紹介した通り、法人税法能力検定の難易度は高くないので、独学で資格取得することは十分可能です。ただ、独学で合格までたどり着くには、いくつかのポイントを意識しながら勉強に取り組む必要があります。ここでは、合格を確実なものにするために意識すべきポイントを3つ紹介します。

① 試験日までの学習計画を立てる

まずは学習計画を立てましょう。先ほども述べた通り、法人税法能力検定に合格するためには、3級で30時間程度、2級で40~50時間程度、1級で60~70時間程度の勉強時間が必要とされています。これを参考にして、試験日からの残り日数を把握し、1日当たりに必要な勉強時間を明らかにさせましょう。また、1日に必要な勉強時間を出すことが出来たら、その時間の中でどの分野を学習していくのか、具体的な計画を立てることも重要です。

② 計算問題は解き方をしっかり理解する

法人税法能力検定では、税務や損益などの計算問題が必ず出題されます。ですので、試験対策をする時に必ず計算問題を勉強する必要があるのですが、この際に計算の仕組みややり方をしっかりと理解する必要があります。なぜなら、法人税法能力検定試験の計算問題では、答えが合っていなくても、その計算の過程で部分点がもらえる可能性があるからです。ですので、試験本番で解けない計算問題が出題されても、部分点をもらえるよう、計算のやり方や仕組みをきちんと知っておくことが重要です。

③ 問題集を何回も解く

実際の試験形式を把握するためにも、問題集を解くことが大事です。問題集を解くことによって出題されるポイントや傾向なども掴むことが出来ます。また、法人税法能力検定には公式テキストが存在します。この公式テキストは、各所に演習問題が存在し、巻末には総合問題が掲載されているので、これらの問題を繰り返し何回も解いて試験に臨めば合格の可能性が高まります。

おすすめの参考書・通信講座

それでは最後に、試験に合格するためのおすすめの参考書や通信講座について紹介していきます。

おすすめの参考書

「令和2年版 演習法人税法」(公益社団法人 全国経理教育協会 編集)

こちらは、上記でも述べた、法人税法能力検定の公式テキストとなっています。

このテキストの特徴としては、

・各所に演習問題が配置されている
・難しい税法を初心者にわかるよう丁寧に解説されている
・巻末に、総合演習問題が掲載されている

などの点が挙げられます。法人税法能力検定の合格を目指すならぜひ持っておきたい1冊です。

おすすめの通信講座

資格の大原

TAC

上記の2つがおすすめの通信講座となっています。

法人税法能力検定のおすすめ勉強法のまとめ

以上、法人税法能力検定の勉強法について紹介しました。

難易度がそこまで高い試験ではないため、学習計画をきちんと立て、問題集を繰り返し解くことで、合格を十分目指せる資格だと思います。興味がある人は是非この機会に受けてみてはいかがでしょうか。

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