貿易実務検定は、一般的な知名度が低いことや難易度がそれほど高くないこと、民間資格で独占業務がないことなどから、「取得しても意味がない」という意見があります。しかし、そうしたものの中には、資格の一面的な部分しかみていない意見も一部にあります。

そこで今回は、貿易実務検定を取得するメリットや期待できること・できないことなどを紹介していきたいと思います。

貿易実務検定について

貿易実務検定は、日本貿易実務検定協会が実施している、貿易実務の能力や知識がどのレベルにあるかを客観的に測るための検定試験です。難しい順にA、B、C級の3つのレベルがあり、B、C級は選択式のみの出題ですが、A級は選択式と記述式の問題が出題されます。

各級のレベル

A級:概ね3〜4年以上の実務経験のレベルで、貿易実務において判断業務を行える実力を証明するレベル
B級:概ね1〜3年以上の実務経験のレベル
C級:概ね1〜3年以上の定型業務をこなすために必要な知識があることを証明するレベル

C級の場合、試験科目が貿易実務と貿易実務英語の2科目で、合格基準点は80%を基準としており、合格率は例年60%台になっています。

B級の場合、試験科目が貿易実務と貿易実務英語、貿易マーケティングの3科目で、合格基準点は70%が基準、合格率は直近で50%台になることが多いです。

A級は、試験科目は貿易実務と貿易実務英語、貿易マーケティングの3科目、合格基準点は明確に示されておらず、合格率は30%台になる回が多いです。

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出典:出版社HP

貿易実務検定のメリット、期待できること

貿易実務検定のメリットや期待できることは、次のようなものがあります。

・貿易実務に関連した幅広い知識を得られる
・キャリアステップに繋げられる

貿易実務検定の出題範囲は広く、出題の傾向も広く浅いものであるため、幅広い項目を学ぶことができます。また、昇進などの際に取得を求められたり、実務の内容の理解を深めるきっかけにしたり、通関士試験の準備として学習できたり、次のキャリアに繋がる要因になることも期待できます。

貿易実務検定で期待できないこと

一方で、貿易実務検定に期待できないことは次のようなものがあります。

・就職が有利になる
・社会的なステータスを得る

これらを期待できないことが、貿易実務検定の取得に意味がないと言われる理由でもあります。

大学生であれば、就職活動でアピールできる機会が増えるか気になることもあるかもしれません。しかし、就職活動では、基本的には資格そのものがプラスに働くケースが少ないことに加えて、こうした資格は、語学力などに比べると評価はされにくいでしょう。自分自身の魅力を引き出せるようにすることに力を入れましょう。

貿易実務検定は、現状では、就職活動やステータスを得るための資格というよりも、必要に迫られて取得したり、自分自身の能力を高めることを目指したりするための資格になっています。

そうした特徴を踏まえた上で、取得するかどうかを検討していただきたいと思います。

貿易実務検定のメリットまとめ

ここまで、貿易実務検定のメリットや期待できないことについて取り上げてきました。貿易実務検定は、目的がしっかりとしている場合や、いろんなことを学びたいと思った場合には、十分有用な資格です。

国際化が進んでいる現代では、貿易は重要な経済活動になっており、その業務も重要なものです。貿易実務検定は、そうしたことに関連した幅広い知識を体系的に学ぶにはよい機会です。興味を持たれた方は、受験してみてはいかがでしょうか。

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