貿易実務検定とは、貿易実務のための知識や技能がどの水準にあるかを客観的に測るための検定試験です。レベルは低い順に、C級、B級、A級の3段階があり、自分に合ったレベルの級を受験することができます。
貿易実務検定は、貿易に関する資格では、最もメジャーな検定試験の一つです。ただ、受験を考えている方の中には、どの級を受験するべきか、貿易実務検定の難易度は難しすぎないのかが気になる方もいるようです。
そこで今回は、貿易実務検定の難易度はどのくらいか、合格率はどのくらいあるのかなどについて紹介していきたいと思います。
貿易実務検定の級ごとの難易度
日本貿易実務検定協会によると、貿易実務検定のレベルはそれぞれ
A級:概ね3〜4年以上の実務経験のレベルで、貿易実務において判断業務を行える実力を証明するレベル
B級:概ね1〜3年以上の実務経験のレベルで、中堅層が対象
C級:概ね1〜3年以上の定型業務をこなすために必要な知識があることを証明するレベル
とされています。
各級の科目と出題傾向はホームページからも確認できます。
https://www.boujitsu.com/introduction/questionstrend
試験の体感的な難易度は、C級は易しい、B級がやや易しい、A級は標準的、とされています。当然ながら、実務経験の有無によって難易度が変わってきますが、実務経験が無い場合でも合格は十分目指せます。
C級はしっかり勉強すれば、合格できるような試験となっており、ハードルは低いです。資格のステータスは無いものの、出題される範囲の広さと受験のしやすさもさることながら、貿易に携わる方であれば知っておきたい用語や知識を学べるため、幅広い方々におすすめしやすくなっています。
B級も、C級と出題範囲が共通となる部分が多く、難易度自体もさほど高くありませんが、より細かい内容が問われたり、クレームといった新しい科目が増えたりと、全体的な問題の難しさは上がっています。勉強時間と覚えるべき分量がC級よりも増えるものの、勉強すれば合格を目指せるレベルだと感じます。
A級は、それなりに難しくなる印象を受けます。貿易実務英語に英作文が含まれることや様々な条約に関する問題が増えることがその要因です。問われる範囲が広く、一つの分野の内容も深いため、実務経験が無い状態だと手こずる可能性が高いように感じます。他の資格試験と比べるとそれほどではありませんが、少し難しいレベルだと思います。
貿易実務検定の合格率の目安
貿易実務検定の合格率は、毎回全ての級で公表されているため、具体的な推移は日本貿易実務検定協会のページからご確認いただきたいと思います。
https://www.boujitsu.com/introduction/passrate
C級の場合、直近の合格率を見ると6割以上となる回がほとんどです。低い場合は、過去に40%近くまで下がっていることもありますが、合格率は上昇傾向にあるため、そこまで下がる心配はいらないと思います。おそらく、受験者の水準が底上げされていること、対策が適切に行われていることなどが背景にあるのだと思います。
B級の直近の合格率は5割前半に落ち着くことが多いです。C級と同様に合格率が上昇傾向にあるため、下振れする可能性は低そうです。半数の方が合格できる試験と言えます。
A級の合格率は30%台となることが多いです。A級も合格率はやや上昇傾向にあり、令和元年に実施された第18回の試験では、41.5%という数字になっています。
貿易実務検定はどの級から受けるべきか
貿易実務検定はその人にあったレベルから受験することができます。そのため、実務経験がある方は、実務経験の期間や程度を基準に選ぶべきでしょう。
一方の実務経験がない方は、基本的にはC級がおすすめです。理由は、B級以降は詳しい内容が問われることにより、貿易実務や貿易に関連した業務に従事しない場合には、学んだいないようを使う場面があまりないためです。ただ、貿易実務に従事することを決意している方であれば、B級から目指していくこともよいでしょう。
貿易実務検定の難易度のまとめ
ここまで、貿易実務検定の難易度や合格率を見てきました。難易度は高くないですが、汎用性や実用性は高いと思います。
貿易実務検定の受験は、貿易実務に関する知識を体系的に学べるよい機会です。
受験資格もないため、挑戦しやすく、興味があれば是非とも受験してみてはいかがでしょうか。