作業療法士は、リハビリテーション職の一つで国家資格となっています。身体機能の治療だけではなく、食事・着替えなどの生活に欠かせない行為の訓練や、社会への参加・復帰するための訓練、

さらに精神的な面もサポートします。患者さんがより豊かな暮らしをしていけるように支援します。では作業療法士は国家資格ですが国家試験の出題内容や受験資格はあるのでしょうか。さっそくご紹介していきたいと思います。

国家試験について

作業療法士になるためには国家試験に合格しなくてはいけません。
では国家試験の出題内容はどのようなものがあるのでしょうか。

出題内容

国家試験は筆記試験です。
筆記試験は一般問題と実地問題に分かれています。

一般問題

一般問題では解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、リハビリテーション医学(リハビリテーション概論を含む。)、臨床医学大要(人間発達学を含む。)や作業療法について出題されます。合計160問出題され配点は1問につき1点の160点満点となっています。

実地問題

実地問題では運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要(人間発達学を含む。)や作業療法について出題されます。合計40問出題され配点は1問につき3点の120点満点となっています。ただし重度視力障害者に対しては実地試験については行いません。その代わり実地問題と同じ出題内容で口述試験及び実技試験を行います。

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出典:出版社HP

受験資格

国家試験を受験するためには受験資格が必要です。
その条件として以下のものが挙げられます。

・文部科学大臣が指定した学校や都道府県知事が指定した作業療法士養成施設において、3年以上作業療法士として必要な知識及び技能を修得した人

・外国の作業療法に関する学校や養成施設を卒業あるいは外国で作業療法士の免許に相当する免許を取得していて、厚生労働大臣にその知識や技能があると認められた人

・理学療法士及び作業療法士法が施工された時文部大臣や厚生大臣が指定した学校、施設において、作業療法士として必要な知識、技能を学んでいて、法が施行された後にその学校、施設を卒業した人

このような条件を満たす人は受験資格を持っていて国家試験を受験することができます。つまり作業療法士の受験資格は大学や専門学校のような養成学校を卒業することで取得できるのです。

合格基準

先ほど説明した通り筆記試験は一般問題と実地問題に分かれています。一般問題は、合計160問出題され配点は1問につき1点の160点満点となっています。
一方実地問題は、合計40問出題され配点は1問につき3点の120点満点となっています。合計280満点となっており合格するためにはそのうち168点以上とり、かつ実地問題の得点が43点以上でなければいけません。

難易度

合格率はというと2016年は87.6%、2017年は83.7%、2018年は76.2%、2019年は71.3%、2020年は87.3%と年によってばらつきはありますが70%を切っている年はありません。そのためしっかり勉強し知識を習得していけば十分合格することは可能であり難易度もそこまで高い試験ではないでしょう。

将来性はあるの?

日本では高齢化が進んでいます。また高齢者や病気になってしまった人ができるだけ自立して生活できるような支援を重視する傾向も強くなってきています。そのため作業療法士の需要や活躍の期待も高まっており将来性はあると言えます。また作業療法士は身体能力の改善のサポートだけでなく精神疾患を持つ患者さんに関わることもあります。

そのため心身両方のケアをすることができ、作業療法士として果たせる役割は大きいです。そのため多くの現場で求められる存在とも言えます。しかし作業療法士の国家資格を持つ人の数も増え続けています。国家資格を取得したからといって安心せず日々自分の技術や知識を身につけスキルアップをしていくとより安定性があると言えるでしょう。

作業療法士の国家試験についてのまとめ

作業療法士になるためには国家試験を受験しなくてはならないということについて理解していただけたでしょうか。この仕事に就くまでには大学や専門学校のような養成学校を卒業し、国家試験に合格しなければいけません。

仕事を始める前に多少期間が必要であり勉強もしなければいけません。しかし今後高齢化がますます加速し作業療法士の需要は高まるでしょう。将来性のことを考えると資格を取得するメリットは十分あるのではないでしょうか。ぜひ皆さんも目指してみてはいかがでしょうか。

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出典:出版社HP