理学療法士とはケガや病気などで障害のある人や障害が起こる可能性のある人に対し、座る、立つ、歩くなど日常で使う動作の回復や維持のサポートをします。さらに、障害の悪化を防ぐために運動療法や物理療法などを用いて、患者が自立した生活を送れるよう手助けをする国家資格です。理学療法士はリハビリテーション職の一種ですが他の職業として言語聴覚士や作業療法士があります。これらの職業はどんな仕事をしているのか理学療法士との違いも含めて紹介していきたいと思います。

その他のリハビリテーション職

先ほども説明したようにリハビリテーション職には主に次の3つが挙げられます。

・理学療法士
・言語療法士
・作業療法士

今回は理学療法士以外の2つの仕事について詳しく説明していきたいと思います。

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出典:出版社HP

言語療法士について

概要

何らかの原因で生まれつき言葉の学習が難しい方や、病気などが原因で話す・聞く・食べる・飲み込むことに関して障害を持っている人に対し、言語能力や聴覚能力を回復させるリハビリテーションを行います。子どもから高齢者まで幅広い年代に携わる点が特徴です。現在言語聴覚士は全国に約3万6千人おりますが、理学療法士、作業療法士に比べてまだ有資格者が少なく、病院や施設において言語聴覚士がいないところもあります。

資格は必要か

言語聴覚士になるは、国家試験に合格する必要があります。この国家試験を受けるためには受験資格が必要です。この点に関してはリハビリテーション職全てに共通しています。受験資格を得るには大きく分けて2通りあります。

【高校卒業者の場合】
文部科学大臣が指定する学校(3~4年制の大学・短大)または都道府県知事が指定する言語聴覚士養成所(3~4年制の専修学校)を卒業すること

【一般の4年制大学卒業者の場合】
指定された大学・大学院の専攻科または専修学校(2年制)を卒業することで受験資格が得られます。

これらの学校に通い言語聴覚士の必要な知識と技能の習得をする必要があります。

国家試験の合格率

言語聴覚士国家試験の合格率は60%程度です。しかし合格者の内訳は新卒者と既卒者と分かれており、それぞれで合格率は異なります。指定された養成所新卒者の合格率は80%を超えていてしっかり勉強をすればそこまで難易度の高い資格ではないと思います。

給料

平均年収は350万円~450万円程度です。理学療法士の平均年収お400マン前後であるためそこまで大きな差はないでしょう。

作業療法士について

概要

着替え・入浴・食事・身だしなみなどの日常動作や、手工芸やスポーツなどの活動を通して、身体と心のリハビリテーションを行います。また、社会復帰に向けた職業前訓練などを行うほか、福祉用具を使用して生活を過ごしやすくするためのアドバイスもします。

動作能力の改善という点では理学療法士と似ていると感じた方も多いと思います。しかし、理学療法士は座る、立つ、歩くなど基本的動作能力の回復がメインです。それに対し作業療法士は食事・排泄・入浴といった応用的動作能力の回復がメインです。

資格は必要か

作業療法士として働くためには、国家試験に合格する必要があります。国家試験を受験するためには受験資格が必要です。その受験資格を得るためには文部科学大臣または厚生労働大臣が指定した養成施設で3年以上学ばなくてはなりません。

国家試験の合格率

作業療法士の国家試験の合格率は70〜80%程度と比較的高いものになっています。養成施設でしっかり知識を習得すれば合格することはそこまで難しくないでしょう。

給料

平均年収は400万円前後となっています。理学療法士は平均月給は24〜28万程度でありそこまで大きな差はないでしょう。

その他

ほかにもいくつかリハビリテーション職はあります。それぞれどのような仕事をしているのか簡単に説明していきます。

【柔道整復師】
捻挫や打撲、骨折などに対して手術や薬を使用しないで手技を用いて治療を行います。具体的には骨折や脱臼を手技で元の位置に戻したり、包帯やテーピングで固定するなど、ケガの発生から治癒まで全てに関わります。国家資格が必要です。

【視能訓練士】
視力の測定やメガネ・コンタクトの処方に必要な検査、病気やケガの予後において視力回復のために必要なリハビリテーションを行い患者さんのサポートをします。国家試験に合格する必要があります。

【義肢装具士】
病気やケガで足など身体の一部を失ってしまった方に対し、個々に合わせた義手や義足を制作し生活の質を高めます。国家試験に合格する必要があります。

理学療法士の他の仕事との違いのまとめ

リハビリテーション職には目的に応じて様々な種類のものがあります。しかしこれらの職業はほとんどが国家資格となっており、国家試験を受ける前に養成学校に通うなど準備が必要です。そのためリハビリテーション職に携わりたいならば早めに決めて準備をすることがお勧めです。

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出典:出版社HP