公共事業の発注の際には、希望業者が工事費用を提示し、その額に沿って請負業者を決定する入札システムというものが存在します。この時に提示する工事価格を、図面や仕様書から適切に算出する業務を行うのが建築積算士です。
そんな建築積算士と似た名前の資格には、建築積算士補というものがありますが、どのような違いがあるのでしょうか。
そこで今回は、建築積算士と建築積算士補の違いについて詳しく見ていきたいと思います。
建築積算士と建築積算士補の違いは?
建築積算士と建築積算士補の違いは、一言でいうとレベル及び受験対象者の違いです。
建築積算士補は、学校教育では建築のコストマネジメントについて十分学ぶことができないと憂慮した日本建築積算協会が2009年に創設した制度です。認定校にて指定科目の単位を取得後、資格試験に合格すると取得することができるので、基本的には建築を学んでいる学生向けの資格となっています。
建築積算士補 | 建築積算士 | |
業務領域 | 建築物の工事費の算定について、適正な基礎知識を有する専門家予備軍 | 建築物の工事費について、数量算出から工事日算定までを行う専門家 |
対象 | 「建築積算」授業の単位を取得した学生 | 設計事務所のコスト担当者
設計会社のコスト部門担当者あるいは工事部門現場管理担当者 積算事務所の担当者 等 |
受験料 | 学生無料 | 27,500円 |
登録料 | 6,600円 | 13,200円 |
有効期限 | 10年 | 3年 |
建築積算士補のメリット・デメリット
建築積算士補のメリットの多くは、建築積算士試験を受験する際にあります。建築積算士補の資格保有者が建築積算士試験を受験する際には、一次試験が免除になり、受験料も安くなります。建築積算士として働くとすれば、いずれは資格を取得することになると思いますので、このメリットは大きいのではないでしょうか。
また、建築積算士補は、履歴書にも書ける類の資格です。就職活動の際にアピールポイントとして使うことができ、意欲やスキルを示すことができます。
建築積算士補のデメリットはあまりありませんが、あえて挙げるとすれば取得するための授業を開講している認定校が少ないことです。まだ全国で60校ほどしかなく、どの学校でも取得できるというわけではありません。取得を目指している場合は、ご自身の学校が認定校に指定されているかどうかをよくご確認ください。
建築積算士と建築積算士補との違いについてのまとめ
今回は、建築積算士と建築積算士補の違いについてまとめてきました。
建築積算士補は学生向けの資格であり、取得メリットも多くあります。一方で、認定校にて指定の科目を受講することが必要となりますのでご注意ください。もし認定校に通われている場合は、ぜひ取得を目指してみてはいかがでしょうか。