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システム監査技術者とは、独立した立場から情報システムを総合的に評価・点検をする者のことを指します。信頼性や安全性、効率性、機密性・保全性などのさまざまな側面からシステムを評価する必要があります。そのため、確実な知識を身に付け、そのスキルを客観的に証明することが重要です。
そんなシステム監査技術者を目指す方には、情報処理試験の高度試験うちの1つである「システム監査技術者試験」がおすすめです。
本記事では、システム監査技術者試験を勉強する上でおすすめの参考書10選についてご紹介していきます。
システム監査技術者試験の対策ポイント
システム監査技術者試験は、監査人や情報システム責任者を目指す方に最適の資格です。システム監査業務において必要な知識の基本と応用力が問われます。
以下の表に、システム監査技術者試験の試験概要をまとめました。
午前Ⅰ | 午前Ⅱ | 午後Ⅰ | 午後Ⅱ | |
試験時間 | 50分 | 40分 | 90分 | 120分 |
出題形式 | 多肢選択式 | 多肢選択式 | 記述式 | 論述式 |
出題数/解答数 | 30問/30問 | 25問/25問 | 3問/2問 | 2問/1問 |
他の高度試験と同様に、午前Ⅰ・午前Ⅱ、午後Ⅰ・午後Ⅱといった4つの試験に分かれています。出題形式は、午前は4択、午後は記述式・論述式です。
合格率は例年15%ほどで、かなり難易度が高いことが分かります。試験に合格するために必要な勉強時間は、100~150時間が目安です。しかし、60時間程度で合格できたという方や、中には200時間以上かかったという方もいます。
それでは、システム監査技術者試験の対策ポイントを試験種別に解説していきます。
午前対策では、「過去問演習」が重要なポイントとなります。
午前Ⅰでは既出用語がそのまま出題されていることが多いので、過去問演習を繰り返すことで対応することができます。午前Ⅱでは午前Ⅰの範囲に加えて、システム監査分野の出題が増えるため用語の理解を深めておきましょう。午前Ⅰ・Ⅱでしっかりと要点をおさえておくことで、午後問題の対策にもつながる知識になります。毎日コツコツと勉強を進めていきましょう。
午後対策では、読解力と文章力を身に付けることがポイントとなります。
午後Ⅰでは、出題された3問中2問を選択して解答をします。25~40文字以内など限られた文字数が指定されているため、時間内にかつ客観的な視点での解答できるように練習をしておきましょう。午後Ⅱは、システム監査基準とシステム管理基準をしっかりと理解しておくことが重要です。問題で設定されているテーマに対して、800字以内、700字以上1400字以内のように文字数指定の中で解答を行います。午後Ⅱに関しては、午後Ⅰよりも論文を書く練習が必要となります。
どちらにも言えることではありますが、「システム監査人」としての独立した立場での解答を意識していきましょう。
システム監査技術者試験のおすすめ参考書
それでは、システム監査技術者試験のおすすめテキスト10選を解説していきます。
1.ALL IN ONE パーフェクトマスター システム監査技術者
こちらの書籍では、午前Ⅱ・午後Ⅰ・Ⅱの3つの試験における攻略テクニックが分かります。1冊ですべての対策ができるオールインワンのテキスト&問題集となっています。午前は出題頻度に合わせたキーワード選定と過去問演習によって、効率の良い対策ができます。午後に関しては、三段跳び法やステップ法などの論文を書くための汎用的なテクニックを学ぶことができます。
2.情報処理教科書 システム監査技術者
こちらの書籍は、午後試験を重点的に解説している対策本です。もちろん、午前Ⅱ対策の内容も充実しています。詳細な試験分析がされており、それに加えて論文を書く上でのコツがよく分かるため、試験対策の定番ともなっている1冊です。読者特典として、10年分以上の過去問が収録されているため、アウトプットもしっかりとできます。
3.システム監査技術者 「専門知識+午後問題」の重点対策
こちらの書籍では、現役監査人である筆者が監査人ならではの視点から解説やテクニックの紹介をしているため、非常に実践的な試験対策本です。重点分野に絞った専門知識の解説や、午後の論述テクニックまで解説されているため、効率よく学習を進めることができます。段階的に理解を深められる1冊です。
4.システム監査技術者合格論文の書き方・事例集
こちらの書籍は、システム監査技術者試験の午後問題が苦手という方におすすめの1冊です。時間内に合格レベルの論文を設計して書き上げるスキルを身に付けることができます。テクニック紹介だけでなく演習形式で進んでいくため、確実に体得することができるというのも1つのポイントです。
5.システム監査技術者試験 午前 厳選問題集
こちらの書籍は、厳選された過去問が収録されている、しっかりと午前対策ができる問題集です。頻出の問題や自身の苦手な分野を把握することができるため、午前の得点アップが期待できます。重点項目が網羅されているため、抜けなく知識を身に付けることができます。
6.情報処理教科書 高度試験午前Ⅰ・Ⅱ
こちらの書籍は、全高度試験共通である午前Ⅰと午前Ⅱの対策ができる精選問題集です。他の高度試験の受験を考えている方におすすめできる1冊です。問題の解説だけでなく、背景知識や関連知識も解説されているため、類似問題に対応できる応用力が身に付きます。
7.ポケットスタディ 高度試験共通 午前Ⅰ・Ⅱ対応
こちらの書籍は、⑥と同じように高度試験共通の午前対策ができる1冊です。過去問演習だけではなく、解き方と点の取り方のポイントがよく分かります。クイズ式のヒントもあるので、効率よく用語などの要点を覚えられます。
8.徹底解説システム監査技術者本試験問題
こちらの書籍は、直近3期分の本試験問題が収録されています。問題と解答だけでなく、詳細な解説まで丁寧にされています。正解選択肢だけではなく、間違い選択肢に関してもその理由などを確認することができます。解答に至る思考プロセスを理解することができます。
9.極選分析 システム監査技術者 予想問題集
こちらの書籍では、試験対策のプロの徹底分析の上で選び抜かれた問題が掲載されています。そのため、試験対策に必要で最適な問題を効率よく解くことができます。午後問題に関しては、テーマ別の出題傾向が分析されています。非常に充実した問題集となっています。
10.よくわかる システム監査の実務解説
こちらの書籍は、システム監査の全体像がよくわかる解説本です。付加価値の高いシステム監査やシステム監査基準の改訂についても解説されています。監査実施に関するポイントなども掲載されているため、試験のための知識だけでなく実務に役立つ知識が身に付きます。
全体の勉強の参考書としては「①②③」、午前対策には「⑤⑥⑦」、午後対策には「④」、がおすすめです。
「⑧⑨」では問題演習ができるため、試験の総仕上げとして使うことができます。また実務の知識を身に付けたいという方には「⑩」を参考として利用するのがおすすめです。
参考書1冊+午前対策1冊+午後対策1冊の、3種類のテキストの利用が最適です。
システム監査技術者試験のおすすめ参考書のまとめ
ここでは、システム監査技術者試験のおすすめ参考書・問題集10選を詳しくご紹介してきました。
システム監査技術者の平均年収は約600万円と言われています。難易度は高い試験ではありますが、就職・転職の際にはかなり有利に働く資格でもあります。
IT業界で働いていてキャリアアップ、キャリアチェンジをしたいという方、あるいは転職をお考えの方など、少しでも興味のある方はシステム監査技術者試験の勉強を始めてみてはいかがでしょうか。