発破技士は、火薬類を使って土木や採石現場における大きな石を砕くことが主な業務になります。似た資格に火薬類取扱保安責任者がありますが、どのような違いがあるのでしょうか。
そこで今回は、発破技士と火薬類取扱保安責任者の違いについて詳しく見ていきたいと思います。
発破技士とは?
発破技士は、建設現場において穿孔、装填、結線、点火、後処理といった一連の作業を行います。また、業務独占資格のひとつとなっているため、資格保有者でないとこういった業務を行うことはできません。試験は公益財団法人 安全衛生技術試験協会によって運営され、各地の安全衛生技術センターで行われます。試験形式は学科試験のみです。受験資格はありませんが、免許交付要件が設けられているため、発破関係の学歴や実務経験が必要となります。免許交付要件を満たせない場合は、発破実技講習を受講することで免許の交付を受けることが可能となります。
火薬類取扱保安責任者とは?
火薬類取扱保安責任者は、火薬類を安全に保管するために、火薬庫または火薬の消費場所に配置されます。資格試験は公益社団法人 全国火薬類保安協会によって運営され、取り扱うことができる火薬量によって甲種と乙種に分類されています。1年間の貯蔵量が20t以上の場合は甲種が、20t未満の場合は乙種が必要となります。試験は筆記試験のみ、選択形式で出題されます。受験資格は特にありませんが、免状が交付されるのは18歳以上となります。
発破技士と火薬類取扱保安責任者の違いは?
発破技士と火薬類取扱保安責任者の主な違いは、その業務内容となります。火薬類取扱保安責任者は火薬庫における保安責任者として従事することができますが、発破技士は発破のみに特化しており、保管業務に関わることができません。一方で、火薬類取扱保安責任者は労働安全衛生法により発破技士資格と同等に扱われるため、発破技士の独占業務である発破業務にも携わることができます。火薬類取扱保安責任者は発破技士の業務内容を内包する形となるため、火薬類取扱保安責任者の方が業務範囲が広くなります。また、合格率はどちらの資格も60%前後となっているため、難易度に関してはそこまで差がないと言えます。将来的に火薬庫の保安業務に携わる可能性がある場合は、火薬類取扱保安責任者の受験を検討してみても良いかもしれません。
発破技士と火薬類取扱保安責任者の違いについてのまとめ
今回は、発破技士と火薬類取扱保安責任者の違いについてまとめてきました。
発破技士と火薬類取扱保安責任者では主に業務範囲が違います。しかし、一部重複しているところもあるので、ぜひご自分の業務に合わせて必要な資格を取得してみてください。