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マンション管理士の資格は、未経験からでも取得できる不動産系の国家資格として人気のものです。
しかし、実際に未経験から資格を取得しても仕事にありつくことはできるのでしょうか?
今回は、未経験からの資格取得から実際に報酬を得るまでに必要な経緯をまとめていきます。
1. マンション管理士の仕事
∟管理組合のアドバイザー
マンション管理士とは、管理組合側の立場からマンション管理・運営を適切に行うための専門家です。
管理組合(実際に入居している人たち)の意見に寄り添い、適切に住居環境を維持するために様々な働きかけを行います。
∟規約の見直しや改修の計画・立案
マンションは入居者同士の意見の食い違いや、建物の老朽化など様々な方面での問題が発生する可能性があります。
マンション管理士は、このように幅広い問題に対して対応する力が必要になります。
時代・法律に沿った利用規約の見直し・作成のアドバイスや、大規模改修に伴う計画立案をおこなっていきます。
∟管理組合との信頼関係が重要
マンション管理士は、管理組合から依頼をもらって初めて仕事をすることができます。場合によっては管理会社との対立の矢面にたつ必要なども出てくるでしょう。
また、管理組合側はあくまで一般の住人の組織です。不動産についての知識がない人たちに愛して適切なアドバイスを行うこと、意見をまとめることについては大変な苦労が伴う場合があります。
2. マンション管理士の資格取得までの流れ
マンション管理士は、不動産資格の3強と呼ばれる国家資格の一つです。
そのため、取得までには一定の勉強とお金が必要になります。
∟合格率10%の国家資格に合格
マンション管理士試験の合格率は、約7~11%とかなり狭き門となっています。
未経験者の挑戦には500時間以上が必要だと言われており、半年から1年以上かけて挑戦しても合格できないことがあります。
∟登録方法
マンション管理士試験に合格したら、マンション管理センターから登録案内が来ます。それに従って必要書類と費用を支払うことで登録が完了し、マンション管理士証が発行されて初めて仕事をすることが可能になります。宅建士などのように、未経験者に課される講習などは存在しません。
また、マンション管理士の資格を持っている人は、各都道府県にあるマンション管理士会に登録することができます。こちらの登録は任意となりますが、まだまだ知名度の低いマンション管理士同士で情報交換ができる貴重な環境になります。
∟更新について
マンション管理士証を持ち続けるためには、5年に一度法定講習を受けて更新を行う必要があります。
また講習の時期は限られているので、更新が必要な年に受け損ねてしまうとそのまま登録が切れてしまう可能性があります。
万が一に更新を行わずに放置してしまうと、登録取り消しなどの対応が取られてしまい取り消し日から2年は登録ができなくなってしまいます。注意しておきましょう。
3. 仕事を得る方法について
マンション管理士の資格を得た後は、どのように仕事に繋げていくことになるのでしょうか?
∟就職先はどんなところ?
マンション管理士の資格を持っていると、不動産会社やマンション管理会社への就職に有利になります。
ただし、マンション管理会社の場合は「管理業務主任者」の資格を求められる場合があります。
マンション管理士は管理会社とは異なる視点からコンサルティングを行うのが仕事になります。
しかし、会社によってはそのマンション管理士と別の立場になる可能性がありますね。
∟独立&開業の可能性はあるのか?
マンション管理士の仕事は、今後需要が増えていくと言われています。
企業でマンション管理の経験を積み、独立&開業で年収を大幅に上げるチャンスもあるでしょう。
仕事をもらうチャンスは、マンション管理士同士のネットワークやネット集客、地道な営業などの工夫が必要になります。
∟都心部or地方ではどちらが有利?
マンションといえば都心部のイメージが強いですよね。
母数が多いことで仕事をつかむチャンスも自動的に増えていきますが、レッドオーシャンなので新規の営業で仕事を掴む難しさもあります
その点、地方はマンションが新しく建設されることが増えました。認知度が足りないが故の難しさもあるでしょうが、新規の顧客をゲットできるチャンスもあるでしょう。
4. 未経験からマンション管理士を目指す未来
ここまでの情報を踏まえて、業界未経験者がマンション管理士資格をとった後の未来についてまとめていきます。
∟未経験から独立&開業は厳しめ
マンション管理士の仕事は、完全未経験からすぐに独立&開業して収入につなげることは難しいでしょう。
理由としては
・マンション管理士という仕事の認知度の低さ
・コンサルティング業務のため、経験値が求められる
という面があります。
マンション管理士の資格は、すぐに仕事につなげることは難しいと言えるでしょう。
∟資格取得をゴールにしない
資格取得の難易度の割には、見返りが少ないとも言えるマンション管理士。
そのため「この資格を取ってどうするか?」という目標をしっかりと見つけてからの挑戦が望ましいでしょう。
資格取得をゴールにしてしまうと、せっかくとった資格が宝の持ち腐れになってしまいます。
∟マンション住人は自衛のための取得だけでも有効
自分の自宅がマンションの場合は、管理組合の理事会などでこの資格を活かすことができるかもしれません。
管理会社からの提案にNOを伝えるときや、意見を通す場合の根拠として「有資格者」という立場は大変有効です。
マンション管理士は未経験から取得しても食べていけるのか?独立&開業の可能性についてのまとめ
いかがでしたでしょうか?
マンション管理士の資格は不動産資格の中でも3本の指に入る人気資格ですが、難易度と仕事のバランスがあまり取れていません。
マンション管理士の資格を持って不動産会社に就職したとしても、会社との相性などの問題も発生します。
不動産業界への足がかりとしてなら、宅建士(宅地建物取引士)の方が資格手当などのメリットも大きくなります。
一度じっくり考えてみてください。