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不動産関係における資格は、たくさんあります。
その中から自分の目的に合ったものを見つけるのは一苦労ですよね…。
今回は「賃貸不動産経営管理士」に注目して行きます。
仕事の特徴や気になるお給料についてまとめました。ビビッとくるかどうか、この記事を参考にしてみてください。
1. 賃貸不動産経営管理士とは
賃貸不動産経営管理士(以下、賃貸管理士)とは、専門的・倫理的な知識を活かして賃貸経営をスムーズに行うためのサポートを行う人です。
元々2007年から設定された資格で歴史自体浅い資格ですが、令和3年に国家資格になったことから受験者数が一気に増加しました。
∟設置義務がある国家資格
200戸以上の管理所業を行う業者の事務所には「その業務を管理及び監督する業務管理者の設置」が義務付けられています。
この業務管理者にあたるのが賃貸管理士です。
∟仕事内容は「賃貸住宅や関連設備の維持管理」「トラブル対応」「入居者募集に関する提案」など
では、その具体的な仕事の範囲を見ていきましょう。
賃貸管理士は、国家資格となりますが独占業務がありません。
今後独占業務と見込まれるものも含めて、以下のような仕事があります。
「賃貸住宅や関連設備の維持管理」
住宅の点検や清掃、必要な修繕等に係る知識を備え、契約をしているオーナーに適切にアドバイスや報告を行うものです。
「トラブル対応」
契約後の入居者へのトラブル対応も大切な仕事です。
また、近年増加傾向にある民泊・サブリース関係の問題にもしっかり対応できるので、今後の需要が見込まれています。
「入居者募集に関する提案」
賃貸管理士の仕事とは契約以後のものだけとは限りません。
いかに空室を出さないかといった提案や、周辺の環境を合わせて考えるマーケティングなど多岐にわたります。
また、賃貸管理士は宅建士とのダブルライセンスが非常におすすめです。
試験範囲も重複する部分があることから、同時取得なども視野に入れている人が多くいます。
(宅地建物取引士ってどんな仕事?給料は?難易度や試験日程についてへのリンク)
∟賃貸オーナーにとってのコンサルタント
賃貸管理士は、オーナー側と管理受諾契約を結ぶことによって上記のような仕事に着手します。
入居者が快適に住めるような適正管理・そのための情報収集などを行なって、オーナーの賃貸経営を助けていきます。
不動産の知識がないまま投資目的のマンションを持つサラリーマンなどが増えている今、需要の高まりが予想されています。
2.給料について
では、賃貸管理士の資格をとった場合年収や給料はどのようになるのでしょうか?
∟年収400〜800万程度がメイン
賃貸管理士は、賃貸物件を扱う不動産会社に勤めているサラリーマンがメインです。
そのため年収もその範囲内に収まることがほとんどです。
また、賃貸管理士の資格一つで業務を成り立たせるのは困難なため、その多くが宅建士/マンション管理士/管理業務主任者などの資格を併せ持っています。
∟資格手当の有無
資格手当は、まだない会社がほとんどです。
また手当とは異なり「祝い金」を出す会社もあるようですが、その金額は2500円と微々たるものです。
しかし、これには
・国家資格になって歴史が浅い
・まだ業界が重要性に気づいていない
などの理由が考えられます。
目先の収入に変化はありませんが、今後の需要によっては資格手当が当たり前になる可能性があります。
3. 取得までの流れ
賃貸管理士の資格を取るためにクリアすべき試験や、その概要についてまとめていきます。
∟試験概要
賃貸管理士の試験は、2時間で50問の四肢択一問題を解くものになっています。
宅建士試験などと同じ形式ですね。
受験資格についても、年齢や経歴による制限がありません。
出題範囲は
1.管理受託契約に関する事項
2.管理業務として行う賃貸住宅の維持保全に関する事項
3.家賃、敷金、共益費その他の金銭の管理に関する事項
4.賃貸住宅の賃貸借に関する事項
5.法に関する事項
6.上記に掲げるもののほか、管理業務その他の賃貸住宅の管理の実務に関する事項
となっています。
賃貸管理について実用的な知識が身に付いているかどうかが幅広く問われています。
∟試験日程
年に1回、一般社団法人 マンション管理業協会が実地機関となって試験が行われます。
例年11月の第三曜日に試験日が行われ、12月下旬に合格発表がされます。
∟費用
受験には12,000円の費用が必要です。
4.難易度について
合格率はここ数年で大きな変化がありました。
元々70%近かった合格率が、国家資格化と問題数の増加により30%ほどまで落ち込んだのです。
∟学習方法
初学者の学習目安時間は「200時間〜300時間」です。
賃貸管理士の試験における学習のポイントは2つあります。
・比較的新しい法律が多いので、過去問の年数に注意が必要
資格試験勉強の王道は過去問演習です。しかし、賃貸管理士の場合は2020年に成立した賃貸住宅管理法の前後で賃貸管理制度が大きく変わりました。
2020年以前の試験問題で正解だったものが、現在は不正解になる可能性があります。
・法改正をしっかりチェック
新しい法律がどんどん出題範囲になっていきます。毎年の法令改正をきちんとチェックして、過去問との違いや新たに追加された部分がないかをきちんと把握する必要があります。
∟取りやすさ
取りやすさは△。近年の出題の難題化、受験者数の増加からみてやや取りづらいと判断しました。
しかし逆に先行者利益を獲得するチャンスでもあります。
最終的なダブルライセンス・トリプルライセンスのためにも早めに取っておきたい資格です。
∟活かしやすさ
活かしやすさは◎です。
民泊・サブリースと言った分野もまだまだ成長段階にあり、今後も需要は続くでしょう。
不動産業界以外でも、自分の店を持っている人や相続で遠方の土地を管理することになった人などは、自衛のための知識として身につけるのもありですよね。
賃貸不動産経営管理士の仕事?給料は?難易度や試験日程についてのまとめ
以上、賃貸不動産経営管理士の資格についてまとめました。
売買や交換よりも気軽な気持ちで行われる印象のある賃貸は、近年のサラリーマン大家の増加などもあってトラブルも多発しています。
まだ国家資格になって歴史の浅い賃貸不動産経営管理士ですが、今後独占業務や権限などが増えてく可能性もあります。
キャリアアップのためにも、ぜひ取得を視野に入れてみてください。