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不動産関係における資格は、たくさんあります。
その中から自分の目的に合ったものを見つけるのは一苦労ですよね…。
今回は「管理業務主任者」に注目して行きます。
仕事の特徴や気になるお給料についてまとめました。ビビッとくるかどうか、この記事を参考にしてみてください。
1.管理業務主任者について
マンションの管理を仕事として請け負う会社には、管理業務主任者の設置についての制限があります。
∟設置義務と独占業務がある国家資格
管理会社は「管理組合30組合につき、1名の管理業務主任者を設置すること」と法律で定められています。
また、下で解説するような独占業務もあるため不動産業界への転職や再就職に有利と言われています。
∟仕事内容は「重要事項の説明・記名押印」がメイン
では、その具体的な仕事の範囲を見ていきましょう。
最も重要なのは、管理会社とマンション管理組合が契約をかわす管理受諾契約際の重要事項の説明・記名押印です。また、管理業務を定期的に管理組合に報告することも含まれます。
こちらは独占業務となり、管理業務主任者の資格を持っていない人はこの仕事ができません。
管理会社によっては、この独占業務以外の仕事も請け負うことになります。
管理業務主任者は、マンション管理士とよく混同されがちです。
マンション管理士についてはこちらの記事をご覧ください。
【マンション管理士ってどんな仕事?給料は?難易度や試験日程について】
∟マンション管理会社で雇われサラリーマン
管理業務主任者は、独立開業向きの仕事ではありません。
マンション管理業務を請け負う“会社”にとって必要な資格であるからです。
ですが将来的に独立開業をして管理業務を請け負う場合は、早めに資格を取得して経験を積むことが必要でしょう。
2.給料について
では、管理業務主任者の資格をとった場合年収や給料はどのようになるのでしょうか?
∟年収300〜500万程度がメイン
管理業務主任者は、不動産会社に勤めるサラリーマンがほとんどです。
そのため年収も大きく変化することはありません。
∟資格手当の有無
資格手当は、会社によって出す/出さないが別れます。
資格手当を目的にこの資格を取ろうとしているときは、会社の就業規約をしっかり確認しましょう。
3. 取得までの流れ
管理業務主任者の資格を取るためにクリアすべき試験や、その概要についてまとめていきます。
∟試験概要
管理業務主任者の試験は、2時間で50問の四肢択一問題を解くものになっています。
宅建士試験や、マンション管理士試験などと同じ形式ですね。
受験資格については、年齢や経歴による制限がありません。
出題範囲は以下の3分野です。
- 法令(民法・その他法令/区分所有法/標準管理規約/マンション管理適正化法)
この中からおよそ30問程度出題されます。合格のために最も力を入れるべき範囲です。
マンション管理士よりも民法の出題数が多く、対応をしっかりしておく必要があります。
- 建築・設備関連
建築材料や建築方法だけでなく、給水・電気やガス・換気など設備やそれらの維持のための知識が問われます。
- 管理実務・会計
簿記の基本的な知識が必要になります。
こちらもマンション管理士に比べて問題数が多めに出題されます。
∟試験日程
年に1回、一般社団法人 マンション管理業協会が実地機関となって試験が行われます。
例年12月の第一曜日に試験日が行われ、翌年1月に合格発表がされます。
∟費用
受験には8,900円の費用が必要です。
4.難易度について
合格率は19〜23%と宅建士・マンション管理士よりも高い数値が続いています。
不動産関係の資格の中でも比較的取りやすい部類に入ります。
∟学習方法
初学者の学習目安時間は「200時間〜300時間」です。
特に区分所有法について理解を深めておくと、試験範囲の法令に関する問題への理解度が変化します。
∟取りやすさ
取りやすさは◯。比較的取りやすい資格になります。
基礎的な知識をおろそかにせず、時間をかけて知識のインプットを行いましょう。
過去問を繰り返し解くことで出題形式に慣れておくようにしましょう。
∟活かしやすさ
活かしやすさは△です。
理由としては
・独占業務がある分、やめていく人が少ない
・会社に雇われる前提であるが資格手当の補償がない
の2点です。
資格を取得することで業務の幅が広がり、会社内での評価も上がります。
しかし、そのことが給料に直結するとは限りません。
自分は何のためにこの資格を取得するのか?をしっかり意識しておかないと「せっかく資格を取ったのに活かせていない…」と落ち込むことになりかねません。
管理業務主任者ってどんな仕事?給料は?難易度や試験日程についてのまとめ
以上、管理業務主任者の資格についてまとめました。
不動産関係の国家資格の中で「取りやすさ」が最も高いと言える管理業務主任者ですが、この資格だけで大きく飛躍することは難しいでしょう。
今後ダブルライセンス・トリプルライセンスとステップアップを見越して取得をする必要があります。
今後のキャリアプランと照らし合わせて、資格取得を目指しましょう。