【TOEIC文法】名詞を修飾する形容詞のルール
英文法の基本は品詞から。名詞の働きの一つである形容詞に修飾される(形容詞の後ろに置かれる)法則を再確認しよう。
形容詞は名詞の状態や性質を表す
名詞には動詞の後にくることで「動作の対象となる」という働きがありますが、そのほかにも形容詞の後に名詞がくるという働きも覚えましょう。厳密に言えば、形容詞は「大きい」や「小さい」、「美しい」などのように名詞の前に置いて後ろの名詞を修飾し、名詞の状態や性質を表す働きがあります。
「形容詞の後ろに名詞がくる」ということは、言い換えれば、形容詞は名詞の前に置くということにもなります。例えば、「a beautiful woman(きれいな女性)」や「the large box(大きな箱)」、「a small chair(小さな椅子)」などをイメージするとわかりやすいのではないでしょうか。それでは、形容詞の後ろにくる 名詞について、次の問題を解いてみましょう。
問題1:The director of the workstation should avoid to give unnecessary ______ and ensure employees are working efficiently.
(A)directions
(B)deposits
(C)revenues
(D)weights
この問題の場合、選択肢に名詞しかないので、解答は名詞だということが分かります。もし、選択肢の品詞がバラバラの場合、空欄の前にある「unnecessary(必要のない)」が形容詞だということを理解してから後に続く名詞を探します。実際のTOEIC®の文法問題には、このように同じ品詞で意味の異なる単語が選択肢に4つ並んでいる問題が出てきます。
結局、単語の意味が分からないと答えられないので、このようなパターンの問題を解くために単語を勉強することは必須です。この問題の答えは(A)directionsで「必要のない指示」であり、「(工場などでの)流れ作業を指揮する者は、必要のない指示を避け、従業員の作業効率を確保すべきである」という訳になります。それでは次の問題を解いてみましょう。
問題2:Most of the customers satisfy with an remarkable ______ of furniture Boss Room has.
(A)situation
(B)preference
(C)circumstances
(D)selection
この問題も選択肢に名詞しかありません。文を見ると空欄の直前に形容詞があり、後ろには前置詞「of」があります。また、形容詞の前には冠詞の「an」があることから答えが名詞であることは明白です。このことを踏まえると問題2の解答は(D)selectionになります。問題文を和訳すると「ほとんどの客がBoss Roomの驚くべき家具の品揃えに満足している」となります。
すでにお分かりかと思いますが、このような空欄の品詞が明らかな問題は、同じ意味の単語の変形を選択肢に4つ並べることはほとんどありません。ですので、実際にTOEIC®に出題される場合は、問題文の意味が通るような名詞を選ぶ問題になる可能性が高いです。単語の意味を知っていれば正解を選ぶことができるため、日頃から単語を覚える習慣を身につけることが大切です。
これから英文法を覚えるという人は、名詞は形容詞の後ろに置き、前の形容詞が後ろの名詞の性質や状態を表すという名詞の働きについて理解することから始めましょう。