ここでは問題に慣れるため、レベルを知るため一度問題を見てみましょう。
試験対策では法制度の改正などもあり古い問題からかわっているところもあり、最新のテキストで学んでみましょう。
第1章公認心理師としての職責
Q1
公認心理師の登録取消しの事由として、自己研鑽の怠慢が挙げられる。
A1×
公認心理師の登録取消しの事由に、自己研鑽の怠慢は含まれない。公認心理師の登録取消しの事由は公認心理師法第32条に規定されており、欠格事由に該当する場合や、登録時に虚偽や不正があった場合などが挙げられる。また、信用失墜行為の禁止や秘密保持義務に違反したり、主治医の指示に従わなかったりした場合は、その登録を取り消されたり、一定期間公認心理師の名称の使用停止を命じられたりする可能性がある。
Q2
公認心理師の欠格事由として、懲役以上の刑に処せられ、その執行を 終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して2年を経過しない者が挙げられる。
A2×
公認心理師法第3条に公認心理師の欠格事由が規定されている。第3条第2号に「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して2年を経過しない者」と明記されている。
第2章関係行政論
Q1
精神保健福祉法において、都道府県知事は、措置診察を行う精神保指定医が所属する病院に対象者を措置入院させるように配慮することが望ましいとされる。
A1×
「措置入院の運用に関するガイドライン」によれば、都道府県知事は措置診察を行う精神保健指定医が所属する病院に対象者を措置入院させることを避けるように配慮すべきであるとされている。
Q2
措置入院における精神保健指定医の診察には、行政機関の職員も立ち会う必要がある。
A2O
措置入院は行政処分である。都道府県職員を立ち会わせなければならはないと精神保健福祉法第27条第3項に規定されている。
Q3
自傷他害の恐れがあり、急速を要するが、措置入院正規の手続きをとることができない場合に、72時間に限って精神保健指定医2名の診察の結果に基づいて緊急措置入院をさせることができる。
A3×
緊急措置入院では、診察する精神保健指定医は1名でよい。精神保健福祉法第29条の2第1項に定められている。
Q4
精神医療審査会とは、精神障害者の医療に関し学識経験を有する者が 2名以上、精神障害者の保健または福祉に関し学識経験を有する者が1名以上、法律に関し学識経験を有する者が1名以上の委員6名で構成する合議体である。
A4×
6名ではなく5名である。精神保健福祉法第14条に明記されている。精神医療審査会では、人権に配慮しつつ、適正な医療や保護を確保するために、入院している精神障害者の処遇などについて専門的かつ独 立的に審査を行う。
Q5
精神保健審査会は、全ての入院形態における入院患者やその家族等からの退院請求について、その入院が必要であるか、その処遇が適切であるかを審査する。
A5○
都道府県知事は、退院等の請求を受けたときは、当該請求の内容を精神医療審査会に通知し、当該請求に係る入院中の者について、その入院の必要があるかどうか、またはその処遇が適当であるかどうかに関し審査を求めなければならない。精神保健福祉法第38条の5に定められている。
Q6
精神医療審査会は、医療保護入院者の退院後の生活環境に関して、本人及びその家族等からの相談に応じ指導を行う退院後生活環境相談員を選任しなければならない。
A6×
退院後生活環境相談員は、医療保護入院者を入院させている精神科病院の管理者が選任する。精神保健福祉法第33条の4に明記されている。
Q7
退院後生活環境相談員には、精神保健福祉士の資格を有する者のみが選任される。
A7×
退院後生活環境相談員には、精神保健福祉士だけでなく、看護師、保健師、作業療法士、社会福祉士として精神障害者に関する業務の経験を有する者、もしくはこれらの職種以外で精神障害者やその家族等への退院後の生活環境についての相談や指導に関する業務に従事した経験を3年以上有する者で一定の研修を修了した者も選任される。
Q8
精神障害者保健福祉手帳は、精神障害者が家庭裁判所に申立てをし、審判を経て交付される。
A8×
精神障害者保健福祉手帳は、都道府県知事に申請し、審査を経て交付を受ける。精神保健福祉法第45条に明記されている。
第3章精神疾患とその治療
Q1
の時間を穏やかに過ごせるように支援することを目標としている。緩和ケアとは、余命宣告をされている患者やその家族に対して、最期の時間を穏やかに過ごせるように支援することを目標としている。
A1×
緩和ケアは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその 家族に対して行われる。これは疾患の早期から痛みや身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題に関して適切に評価し、問題の 予防と対処によって、人生の質(QOL)を改善するためのアプローチである。
Q2
糖尿病は、砂糖などの糖分を摂りすぎることによって肥満になることが直接的な原因だとされている。
A2×
糖尿病にはインスリンがまったく分泌されないI型糖尿病と、インスXリンが分泌されるが量が少ないか十分に作用しないII型糖尿病がある。II型糖尿病は生活習慣病の一つでもあり肥満はその原因になり得るが、遺伝要因も含まれる。
Q3
糖尿病の3大合併症は、神経の障害、目の障害、腎臓の障害である。それ以外にも心臓病や脳卒中などにも関連する動脈硬化を引き起こすことが明らかにされてきた。
A3○
糖尿病腎症が悪化すると、人工透析を行わなければならなくなる慢性腎臓病となることもある。透析導入の原因となる疾患の第1位は糖尿 病腎症で、透析患者の約50%がこのケースに当たる。
Q4
母親から胎盤や母乳を通して子どもに直接伝播する母子感染のことを垂直感染という。
A4○
垂直感染による疾患としてC型肝炎やHIV/AIDSなどが挙げられる。
Q5
遺伝カウンセリングは、遺伝子診断を受ける人のみを対象にしている。
A5×
遺伝カウンセリングは遺伝子診断を受ける人に限定していない。遺伝子診断を受けるか否か迷っている人や、遺伝性疾患患者及びその家族、遺伝に関する不安や悩みを抱えている人が対象となる。
Q6
難病とは、がんのように致死率の高い病気のことで、指定難病については医療費助成の対象となっている。
A6×
難病とは、発病の機構が明らかでなく、治療法が確立していない希少 な疾病であって、 長期療養を必要とするものをいう。致死率は関係ない。
Q7
メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪蓄積を基盤とした、糖尿病、高脂血症、高血圧の複合リスク病態のことをいう。
A7
肥満によって内臓脂肪が蓄積すると、身体の代謝機能が低下し、脂質異常高血糖・高血圧などを引き起こす。一つひとつの症状は軽くてでも、これらのリスクが重なると、血管が傷つき動脈硬化が急速に進行する可能性があり、脳卒中や心臓病など命に関わる重大な疾患を引き起こす原因となる。
Q8
がん対策を総合的かつ計画的に推進することを目的として、2007年にがん対策基本法が施行された。
A8
がん患者数が増加している現状から、がん対策を総合的かつ計画的に推進することを目的として、2007年にがん対策基本法が施行された。
第4章心理アセスメント
Q1
ロールシャッハテストで使用される図版は、無彩色図版10枚である。
A1×
ロールシャッハテストの図版は合計10枚であり、無彩色図版が5枚、有彩色図版が5枚である。
Q2
ロールシャッハテストの施行は、 質問段階から自由反応段階へと進められる。
A2×
自由反応段階から質問段階へと進められる。自由反応段階では、被検者に図版が何に見えるかを自由に話してもらう。質問段階では、自由反応段階で被検者の示した反応について、なぜそのように見えたのかを話してもらう。
Q3
ロールシャッハテストのある図版について、多くの人たちがそのように反応するものをP反応という。
A3○
例えば、Vカードにおけるコウモリや蝶が挙げられる。P反応は社会的常識や共感性、協調性を意味する。
Q4
ロールシャッハテストの実施法は片口法と包括システム(エクスナー法)の2種類である。
A4×
他にもクロッパー法や阪大法などの方法が存在する。
Q5
TATの図版は31枚であり、そのうち1枚は灰色図版である。
A5×
白色図版である。 TATはさまざまな受け取り方ができる場面が描か れた図版について、 物語をそれぞれ自由に語らせ、それらの物語から 被検者のパーソナリティを明らかにするものである。
Q6
TATの開発者であるMurray,H.A.が提唱した原法では、31枚全ての図版について物語を語ってもらう。
A6×
Murray,H.A.が提唱した原法では、被検者の年齢や性別にあわせて20枚の図版を選択し、それらを半分ずつ2回に分けて施行する。
Q7
TATは、ロールシャッハテストに比べると、個人の葛藤や現実的な対人関係の特徴を捉えやすいとされている。
A7○
刺激図版の性質から、葛藤や対人関係の特徴を捉えやすいという指摘がある。
Q8
TATでは、開発者であるMurray,H.A.の提唱した欲求一圧力分析に基づいて結果を解釈することが標準化されている。
A8×
TATについて標準化された解釈法は確立されていない。欲求一圧力 分析では、物語の主人公はほぼ被検者を表しており、主人公の願望や意図など環境に向かって発する力である欲求と、環境から主人公に向かって発する力である圧力の関係を検討することによって、被検者のパーソナリティを理解できると考えている。
Q9
TATの図版には全て人物が描かれている。
A9×
図版12BG、16、19のような人物が描かれていない図版も存在する。
第5章心理的支援
Q1
交流分析では、大きく3つの自我状態があると考える。
A1○
親(P)、大人(A)、子供(C)の3つである。
Q2
交流分析では、コミュニケーションの種類を2つに分けて分析していく。
A2×
相補的交流、交叉(交差)的交流、裏面的交流の3つである。相補的交流は、自分が相手に予測・期待していた反応を相手が返してくれる円滑なコミュニケーションである。交叉的交流は、お互いの要求や意図、感情を否定・無視するようなコミュニケーションであるため、ネガティブな感情を抱きやすい。裏面的交流は、表面的なメッセージの背後に本当の要求や意図、感情が隠されているやりとりである。
Q3
交流分析では、人生脚本を意識化して、望ましい脚本に書き換えてい目くことも可能である。されている
A3○
セラピストとクライエントが共同して生活史の探索を行い、幼少期の生活場面の中に、現在の問題に関連している禁止令やドライバーを見いだす。当時の生活場面を再現し、今できる具体的な解決法を考え、最終的には今後の生活において、新たな感じ方や考え方、行動のあり方を選択することを決断していく。
Q4
人間性心理学は、構成主義心理学や行動主義心理学への批判から生まれ、第三勢力の心理学と呼ばれる。
A4×
人間性心理学は、精神分析や行動主義心理学への批判から生まれ、第三勢力の心理学と呼ばれる。
Q5
Frankl,V.は、人間の創造性を重視する立場から、創造価値、体験価値、態度価値のうち、創造価値を最も重視した。
A.5×
Frankl,V.(フランクル)は、自らの意志のもとに態度を選択するということから態度価値を最も重視した。
Q6
Frankl,V.は、意味を求めることが人間の根本動機であり、この意味への意志が満たされない時に陥る意味喪失感を実存的空虚と呼んだ。
A6○
Frankl,V.は、「意味への意志」を重視し、人間は、人生から意味を問いかけられており、いかなる状況においても価値を追求する自由と責任を持つとした。
Q7
Frankl,V.が創始したロゴセラピーの代表的な技法として、逆説向や反省除去がある。
A7○
逆説志向は症状に敏感になっている患者に、逆説的に症状を意識的に起こさせることで症状をなくすというものである。反省除去は意味や価値あるものに注意を向け、症状から注意をそらすというものである。
Q8
現存在分析論を創始したBinswanger,L.は、統合失調症を「生産性の喪失」と表現した。
A8×
insanger,L.(ビンスワンガー)は、統合失調症を「経験の首尾一貫性の喪失」と表現した。
第6章基礎心理学
Q1
最も深い睡眠状態では4Hz以下の波が出現する。
A1×
α波である。α波は睡眠段階4で最もよく計測される。
Q2
non-REM睡眠は睡眠段階1~睡眠段階5に分けられる。
A2×
non-REM睡眠は、睡眠段階1~睡眠段階に分けられる。睡眠段階3~睡眠段階4を徐波睡眠と呼ぶ。
Q3
睡眠は、おおよそ90分の周期で、non-REM睡眠とREM睡眠が繰り返される。
A3○
non-REM睡眠からREM睡眠までを1つの睡眠単位として睡眠周期という。
Q4
逆説睡眠は入眠後2~3時間に集中して出現し、朝方はほとんどみられなくなる。また、徐波睡眠は朝方に向けて増加する。
A4
「徐波睡眠(睡眠段階3~睡眠段階4)は入眠後2~3時間に集中して出現し、朝方はほとんどみられなくなる。また、逆説睡眠(REM睡眠)は朝方に向けて増加する。
参照:公式テキスト(書籍/PDF/無料等)