宅建士は不動産業界では必須とも言える国家資格です。しかし、それほど大切な資格であるにも関わらず合格率は毎年13%〜17%と狭き門になっています。

なぜ宅建士の合格率はこれほど低いのでしょうか?
問題の難易度の視点と、合格のための学習ポイント視点から解説していきます。



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1.宅建士試験の詳細

まずは宅建士試験がどういうものなのかを見ていきましょう。

10月第三日曜日に行われる

宅建試験は年に1回のみで、開催日も固定されています。
例年通りなら2023年は10月15日ですね。
令和3年・4年は新型コロナの影響で2回に分けられていましたが、令和5年からは例年通りの開催に戻りました。

2時間で50問の問題を解く

試験は筆記試験のみです。2時間で50問の設問を解いて、マークシートに記入していきます。
このタイムスケジュール対策も重要です。

出題形式は四肢択一問題

問題の形式は四肢択一問題のみです。
そのため全体的に問題文・解答の選択肢ともに長文になりがちです。
タイムスケジュール対策が必要な理由が、この出題形式なのです。



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2. 難易度としてはどれくらいなの?

では、実際に難易度としてはどれくらいのものなのでしょうか?
さまざまな視点から見ていきましょう。

文系の国家資格としては「中の下」

「宅建=難しい」という印象が深く根付いているようですが、実は国家資格として相対的に見た時は「中の下」です。
理由としては、合格のために必要な勉強時間が300時間〜400時間と言われているからです。
司法試験や社労士・行政書士などと比べると、勉強時間自体は短めでも合格できる試験となっています。
また、合格率もそれらと比べると高めです。

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出典:出版社HP

 

合格のために必要な勉強時間

目安とされているのは300時間〜400時間です。
準備期間が半年ほどある場合は、1日の勉強時間は1〜2時間です。
しかし、中には「研修期間後にやっと勉強が始められた」「会社から突然勧められた」など、突然思い立ったかのように勉強をスタートさせなければならない場合もあります。
その場合は、これだけの勉強時間を確保するために、さまざまな工夫が必要になってきます。

とにかく合格率が低い!

難易度としては、”他の国家資格”に比べると「中の下」です。
しかし、みなさんが合格のために競うべき相手は司法書士を目指す人でも、行政書士を目指す人でもありません。
同じ宅建士を目指す人の中で10人中1〜2人しか毎年合格できない、という現実をしっかり見つめる必要があります。

3. 合格率が低い理由

一般的に宅建士試験の難度が高いと思われているのは、その合格率の低さゆえです。
その理由は、主に3つあります。

理由1.合格者の数が決まっている

例えばFP(ファイナンシャルプランナー)3級も国家資格ですが、合格率は70%〜80%と高水準です。
これはFP試験が一定の点数を獲得すると合格になる「絶対評価」であるのに対し、宅建士試験は予め一定数しか合格させない「相対評価」であることが理由です。
大学受験のように合格できる枠が最初から決まっているので、そこから漏れた人は自動的に不合格となってしまいます。

理由2.受験者数が多い




宅建士試験は、受験に際し年齢や学歴・職務経歴といった制限を設けていません。
そのため受験しようと思ったら、小学生から定年後のお年寄りまで、ありとあらゆる人が挑戦できます。
受験者数の母数が多いため、相対評価で不合格者が圧倒的に多くなってしまうのです。

理由3.独学ノウハウを信じてしまう

ネット社会となった今では、「未経験でも一発合格」や「3ヶ月の独学でも合格できた」というエピソードと共に、独自のノウハウを開示しているサイトが多くあります。
宅建士試験の対策のために学校に通ったり、通信講座を受講したりすると約5万円近くの出費になってしまいます。
それをどうにか抑えたい人がこのような独学ノウハウを駆使し、結果合格基準に満たないまま受験を迎えている場合もあるようです。

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4.合格するための学習方法とは

では、そのような事態にならないようにはどのように学習を進めていけば良いのでしょうか?

目標である合格ラインを明確にすること

宅建士試験は満点を目指すべきではありません。
満点を目指そうとすると、膨大な範囲を暗記する必要があります。
例年の合格ラインは35点とされ、通信講座などでは余裕を持って38点が目標と言われています。
過去問を解く際などは、この点数を獲得できるようにしましょう。

インプットは地道に、アウトプットと同時進行で

民法や業界用語、場合によっては計算式を暗記する必要があります。
初めて知る知識ばかりですので、まずはこのインプットが重要です。
しかし、インプットにばかり時間をかけてしまうと四肢択一問題への対応が疎かになってしまいます。
ある程度の暗記をしたら→実際に問題を解いてみる→間違ったところや迷ったところを重点的に暗記する、というように反復して学習を行いましょう。

問題を“捨てる”という決断

目標点が明確である以上、それ以上の点数は必要ありません。
そのため「この範囲が出題されたら、そもそも解くことを諦める」という決断も必要になってきます。
この諦めるべき問題を“捨て問”とよび、そもそもテキストに載せていない通信講座もあるほどです。
このような問題を解くために学習時間を使わず、確実に得点できる範囲を繰り返し学習しましょう。



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宅建士の難易度はどれくらい?合格率が低い理由と合格のためのポイントのまとめ

このように、宅建士は国家資格全体で見た時の難易度で言えばそこまで高いものではありません。
しかしそれゆえに「これくらいなら簡単に受かるだろう」と誤った認識のまま学習を進めて不合格になる人が一定数いるようです。
みなさんはぜひ、合格のための学習ポイントを押さえて今年の試験での合格を目指しましょう!

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