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弁理士とは
知的財産法に該当する著作物におけるすべての手続きを担当するものを弁理士と言います。
弁理士は、おもに特許事務所と呼ばれる事務所に勤め、発明・考案・意匠・商標について、出願・審判請求手続き等の手続きを代理して、それを特許庁に登録させ、その後も権利を維持することが主な業務内容です。
弁理士になるためには、毎年1回行われる弁理士試験に合格し、弁理士登録をする必要があります。
また行政書士資格を持っていると、弁理士の試験の論文試験(選択科目)を免除されることができます。
受験資格に制限はありません。
今回はその中でも、弁理士試験に合格するための参考書を12冊紹介します。
テキスト選びのポイント
文章のわかりやすさと丁寧さ
参考書を使って独学で合格を目指すときに、参考書の文章が理解できないと、資格試験の合格は絶望的です。
あなたにとってわかりやすい文章で書かれている参考書を選ぶことが非常に重要です。
特に、文章の特徴や長さ、言葉遣いなどには、人によって相性があります。
さらに、色使いやイラストの量など、どの程度わかりやすく丁寧に記されているのかは参考書のレベルや筆者によってまちまちです。
あなたが理解しやすい文章で構成されている参考書を選びましょう。
最新情報が掲載されているか
参考書選びにおいて、落とし穴となるのは法律などが改正されていたため、参考書の情報がまったくの過去のお話になってしまうケースです。
弁理士の参考書も、その都度改訂版が出版されているので、必ず、最新版が出ていないかを出版社のホームページなどで確認するようにしてください。
そして、最新版を使って学習するようにしてください。
安いからと言って、中古のテキストを購入することは避けてください。
弁理士試験のおすすめのテキスト
今回紹介するおすすめするテキスト・参考書は、「弁理士試験への招待」「知的財産権制度入門テキスト」「特許法入門」「特許法」「標準特許法」「特許法概説」「四法横断法文集」「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」「知的財産権法文集」「弁理士試験 体系別 短答過去問 特許法・実用新案法・意匠法・商標法」「弁理士試験 論文式試験 過去問題集」「弁理士試験 口述試験過去問題集」の12種類です。
弁理士試験への招待
最初の一冊として、最も強く推したいのが本書です。
3人の筆者は、弁理士試験1発合格者、地方合格者、女性合格者であり、合格するのに必要なノウハウがわかりやすくまとまられています。
弁理士試験の試験内容に関しても、受験者の目線で詳しく解説されており、これからどのように勉強を進めていくのかの指針作りにも役立つでしょう。
短期合格を目指す方にもおすすめの一冊です。
知的財産権制度入門テキスト
弁理士試験で問われる法律に関して、図表を用いながら、わかりやすく解説しています。
他の参考書と異なる点としては、特許庁のホームページから無料でダウンロードできるという点です。
省庁が発行する文章なので、とっつきにくいと感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、無料でこんなに良い教材はないと思います。
官公庁が直々に刊行しているので、本書の表現方法をよく身につけておくと、論述式試験において、より効果的な論述を書くことができます。
特許法入門
弁理士試験対策本の入門書の中で、最もスタンダードな参考書です。
図表は少なめですが、実例を豊富に用いながら解説していくスタイルなので、初学者が特許法の概念やイメージを掴みやすいのが特徴です。
内容的にも、入門書レベルではない充実さを誇っており、一冊目の参考書としてもおすすめの本書です。
特許法
読みやすさと内容を両立させた基本書です。
複雑な法律概念や法的手続きに関しては、フローチャートが付されており、覚えるべき箇所がまとまっているなど、初心者にも非常におすすめです。
本書は、シリーズもので「意匠法」、「商標法」、「著作権法」、「不正競争防止法」もありますので、必要に応じて揃えましょう。
標準特許法
初心者にもとっつきやすい解説が特長の基本書です。
裁判官の筆者が特許法の解釈や判例について、わかりやすく網羅的にまとめています。
サイズも非常にコンパクトなので、この基本書をやり込むことによって、合格までかなり近づくことができます。
特許法概説
特許法に関して、非常に詳しい解説が網羅的に掲載されています。
条文の解釈、基本判例、などについて、多面的に様々な学説が網羅されています。
論文試験対策として威力を発揮するので、できる限り目を通しておきましょう。
内容的にはかなり充実しており、弁理士試験の範囲を大きく逸脱していることもしばしばあるので、辞書的な使い方をおすすめします。
四法横断法文集
ここで言う「四法」とは、特許法・実用新案法・意匠法・商標法を指します。
これら四法について、横断的に学ぶことができます。
四法の類似点や相違点を整理しながら、解説しますので、他の参考書でバラバラに覚えた四法の知識を整理することができます。
余白が多く設けられていることも大きな特徴です。
他の参考書で身につけた知識や覚え方などを、追加しながら、自分だけの参考書を作ることができます。
工業所有権法(産業財産権法)逐条解説
「青本」として弁理士試験受験者から広く知られ、長年多くの受験者を合格に導いてきた一冊です。
「知的財産権制度入門テキスト」と同様、特許庁のホームページから無料でダウンロードできます。
産業財産権法の条例の趣旨や制定された経緯などを詳しく解説しています。
弁理士として活躍したいのであれば、弁理士試験のためだけの法令集として使うのではなく、実用書として隅から隅まで理解しておく必要があります。
弁理士を目指すなら、必ず持っておきたい一冊です。
知的財産権法文集
短答試験、論述試験、口述試験で幅広く使える充実の内容です。
本書で、知的財産法に関する知識を学びながら、基本書、過去問を活用して力をつけていくとよいでしょう。
しかし書き込みをする余白スペースが少ないので、たくさん書き込みをしながら使いたい方は、上記の四法横断法文集がおすすめです。
毎年、改訂版が発行されるので、必ず最新版を買うようにしてください。
弁理士試験 体系別 短答過去問 特許法・実用新案法・意匠法・商標法
弁理士試験の短答式問題の過去問集です。
10年分の過去問が載っていますので、必要十分な演習量を確保できるでしょう。
基本書で頭に入れた知識を、過去問題集で力試しするのに最適です。
弁理士試験 論文式試験 過去問題集
過去問集ですが、論文式試験への対策を示唆してくれる重要な参考書です。
論文試験は、その性質上、絶対的な正解が存在しないので、いかに主題者が想定する“正解“に近づけた記述をする必要があります。
そのポイントを必要十分な説明で解説しているのが本書です。
模範解答と自分の答案を比較し、どのポイントが欠けているのかなどを分析し、模範解答と近い回答を作成できるように研鑽しましょう。
弁理士試験 口述試験過去問題集
こちらは、口述試験の過去問集です。
直近10年分の口述試験の内容がQ&A形式で再現されており、まさに本番さながらの質疑応答を学ぶことができます。
これを地道に練習することで、口述試験の対策は十分かと思います。
入門書や基本書、法令集で知識をつけながら、同時に本書にも挑戦することをおすすめします。
弁理士試験のおすすめ参考書
ここまで、弁理士のおすすめテキストを紹介してきました。
人間なので、しっくりくる参考書も人それぞれです。
ですから、とりあえず机に向かってみましょう。
勉強を進めていくと、自分にとって最適な勉強方法や参考書の活用方法が見つかると思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。