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<税理士試験の概要>
本章では、税理士の資格を取得するためには何をする必要があるのかその概要を解説していきます!
○税理士試験
税理士になるためにまず必須となるのが税理士試験の合格です。
・受験科目
税理士試験は、11の受験科目のうち5科目を合格することが必要になります。
試験科目は、「★簿記論」「★財務諸表論」「☆法人税法」「☆所得税法」「消費税法」「酒税法」「相続税法」「国税徴収法」「住民税」「事業税」「固定資産税」となっています。
★の科目は、必須科目となりどちらも必須です。
☆の科目は、選択必須科目となりどちらかは必ず選択する必要のある科目です。
そのほかの印のない科目が選択科目となり、全てを合わせて5科目合格することで税理士試験合格となります。
また、選択科目のうちの消費税法と酒税法はどちらか一つのみ、住民税と事業税はどちらか一つのみと定められているため科目を選ぶ際には注意が必要です。
・受験資格
税理士試験には受験資格が必要になります。
令和4年税理士法改正によって、令和5年4月以降からは受験資格要件が緩和されました。これによって、「会計科目」とされる「簿記論」「財務会計論」においては、受験資格が撤廃され誰でも受験が可能となりました。
「税法科目」については、「学識」「資格」「職歴」いずれかの受験資格を満たす必要があります。これについての詳細は調べてみていただきたいのですが、多くの人が満たしていると考えられるような内容となっています。
◯実務経験
税理士試験に合格した後すぐに、税理士を名乗ることができるのかというとそうではありません。日本税理士会連合会への登録をする必要があります。この登録の際に、求められるのが「通算2年以上の会計に関する事務への従事」です。
この実務経験は、税理士試験に合格した後の期間のみが換算されるのではなく、合格前に従事していた場合はその期間も換算されます。
そのため、税理士試験の5科目合格が見えてきた人の多くは、事前に会計事務所などに転職し実務経験を積みながら最終合格を目指すことになります。
<税理士試験は予備校?独学?おすすめの勉強方法>
続いて、税理士試験合格のためのおすすめの勉強方法を解説していきます!
税理士試験の予備校に通う場合と独学で学習する場合それぞれのメリットデメリットを見ていきます。
○予備校
・メリット
①モチベーションをキープしやすい
税理士試験の勉強で予備校を利用するメリット一つ目は、モチベーションの維持がしやすい点です。
税理士試験は、受験期間が何年にも渡ることになるためモチベーションを保ち続けることが非常に重要です。
予備校に通う場合は、通学の場合は同じ受験生と一緒に講義を受けることができるため孤独な勉強になりにくく、仲間を見つけることもできるでしょう。
②講師に質問・相談できる
メリットの二つ目は、講師に質問や相談することができる点です。
税理士試験は非常に難易度の高い試験ですので、講義やテキストを読んだだけでは理解しきれないところがいくつもでてきてしまうことが考えられます。
その際に、すぐに頼れる相手がいることによって最短距離で合格に近づくことができると言えます。
また、テキスト内の質問だけではなく勉強のペースや勉強方法など、試験を突破してきた講師の方々からアドバイスをもらえる環境にあるということは大きなメリットであると言えます。
・デメリット
①費用が高い
税理士試験の勉強に予備校を利用するデメリットは、費用が高い点です。
5科目全ての講座を予備校で受講したいとなった場合、予備校の費用は安くても数十万円以上、高い場合だと100万円以上かかることになります。
お金に余裕がある場合は問題ないのですが、勉強時間を確保するために仕事をある程度制限している方だと、費用の面でのデメリットは大きいと言えます。
◯独学
・メリット
①自分のペースで進められる
税理士試験を独学で勉強するメリットは、自分のペースで進められる点です。
税理士試験は働きながら目指す人も多く、決まった時間に必ずしも予定を空けられるとは限らないかもしれません。
独学の場合は、良い意味でも悪い意味でも勉強する時間は全て自分次第となりますので、スケジュールを合わせていくのがストレスになってしまう方にはおすすめです。
・デメリット
①効率的な学習が難しい
税理士試験を独学で勉強するデメリットは、効率的な学習が難しい点です。
予備校では、過去の試験の傾向から試験に出やすい問題、出題形式を把握しているため最も効率的に合格に必要な知識を身につけることが可能です。
しかし、独学で学習する場合はその判断を自分でする必要があるため、予備校の講師が何人もが集結して考えられたテキストやテストなどを利用する場合と比べて非効率になりやすいデメリットがあります。
②毎年の法改正への対応が難しい
デメリット二つ目は、毎年の法改正への対応が難しい点です。
税理士試験の試験範囲は法改正が多く行われています。予備校では当然最新の情報に対応してくれますが、市販のテキストを使って勉強する場合は対応していないことも多く注意が必要になります。
自分で試験に出る可能性のある法改正を調べていくとなると、かなり時間のロスになってしまうためデメリットであると言えます。
◯予備校か独学か
ここまで、予備校を利用する場合と独学で勉強する場合のメリット・デメリットをまとめてきました。
以上を踏まえた私がおすすめする勉強方法は、予備校と独学の併用です。
もちろんお金に余裕のある方は、すべての期間を通して予備校を利用することが最もおすすめですが、そうではない方は予備校と独学を併用することで費用を抑えながら予備校のメリットも最大限活用するのがおすすめです!
具体的な併用方法をいくつかの例を挙げて説明していきます。
①税理士に関する知識がほとんどない方
税理士試験の勉強を開始した時点で、税理士に関する知識がほとんどない方の場合は、「簿記論」「財務諸表論」の必須科目で予備校を利用することをおすすめします。
二つの必須科目は、税理士試験全体の基礎となるような科目であり、これらの科目の理解度がその後の科目の合格不合格に関連してくると言ってもいいでしょう。
ほとんど知識のない方がこれらの科目を独学で勉強するとなると、非効率であるだけではなく合格できた場合も理解が十分でない可能性が考えられます。
そのため、まずは税理士試験の勉強方法を学ぶ意味でも予備校に通って必須科目を合格することをおすすめします。
②既にある程度の知識のある方
大学で学習していたり、仕事内容に関連があったりなどで既にある程度の知識のある方の場合は、独学で必須科目や選択必須科目を合格した後で、必要な残りの科目のみを予備校を利用するのがおすすめです。
すでに知識のある方の場合でも、税理士試験では5科目の合格が必要となるため全てに事前知識がある方は少ないのではないかと思います。
そのため、先ほど独学で勉強するデメリットでも解説した税法の改正への対応など、自分にとって必要となる科目で予備校を利用することで残りの科目をよりスムーズに合格できるのではないでしょうか。
<税理士試験でおすすめの勉強方法のまとめ>
ここまでをまとめると、税理士試験の勉強で最もおすすめの勉強方法は、
独学と予備校の併用
となります!
少しでも参考にして頂けると嬉しいです。