はじめに

臨床工学技士は医療現場において医療機器の操作や点検を行ういわゆる医療機器のスペシャリストです。現在は医療機器の高度化も進んでいて臨床工学技士の存在は欠かせないものとなっています。しかし臨床工学技士は他の医療系の職業と比較して給料が低いと言われていたり将来性がないと言われることもあるようです。

小野 哲章
出版社 ‏ : ‎ 金原出版; 第3増補版 (2019/1/29)
、出典:出版社HP

実際どうなのか紹介していきたいと思います。

臨床工学技士の年収は?

臨床工学技士の平均月収は約25万~35万円であることが多いです。
同じような医療系の職業である診療放射線技師の月収は約30万円~40万円であることが多いです。そのため比較すると若干低いような気がします。
この月収には実務経験者も含まれていますが実務未経験者のみの平均月収は約18万円~22万円程度となっており臨床工学技士と診療放射線技師もあまり大差がありません。

一方、実務経験者のみの平均月収は臨床工学技士は約27万円~37万円、診療放射線技師は約32万円~42万円となっており月収の差は実務経験がある人に関わってきているとも言えます。

また、この収入は基本給ですが病院によっては手当がつくところもあります。資格手当や夜勤手当、通勤手当など様々な種類があります。
特に国立病院などでは基本給の他に手当も支給されることが多く、高収入が期待できると思います。さらにほとんどの人が昇給するため実務経験を積むに伴い、給料がアップすることは間違い無いでしょう。働く場所によって給料は異なるためしっかりと調べ、勤務先を決めることが大切です。

残業や夜勤はある?

臨床工学技士は他の医療職と比較すると勤務時間が決まっていることが多く残業が発生することは少ないです。しかし緊急の患者さんが運び込まれたり、患者さんの容態が急変したりした場合は例外です。
そのため残業を絶対したくないと思う方は救急外来やICU、入院病棟のない小さなクリニックのほうが残業が発生する可能性が少なくおすすめです。

また夜勤が発生することもあります。入院施設がある比較的大きめの病院や透析センターは病棟患者さんや透析を行なっている患者さんがいるため夜勤が発生することもあるようです。

需要はあるの?

現在、医療機器の高度化・複雑化はどんどん増してきています。そのため医療機器を今まで取り入れなかった病院などでも使用し始めたりすることが多く、臨床工学技士を新たに雇い始めるところもあるようです。
一方、医療機器の進歩により自動化もどんどん進んでいるため、今まで人がやっていたことをAIなどの機械がやるようになるかもしれません。しかし機械は限度があるため完全に臨床工学技士の仕事がなくなることは考えにくいですが、将来需要は少なくなるかもしれません。

資格は取りやすい?

臨床工学技士になるためにはまず、3年間指定された専門学校や短大に通うか、4年間指定された大学に通わなければいけません。
専門学校や短大であれば3年間で卒業できるので、掛かる学費が1年分少なく1年早く働く働けるため実務経験を積めたり収入が得られるというようなメリットが得られます。また入試自体も大学に進学するより簡単なものとなっています。
一方で、大学では専門的な知識が学べることができ、臨床工学の知識をより深くまで得られるため通うメリットは十分あります。通うところによって入りやすさの難易度は様々なためよく調べてから入試に臨むと良いでしょう。

その後、国家試験を受験し合格しなくてはいけません。合格率は約80%程度のことが多いですが一度落ちて再受験する場合だと50%程度まで落ちてしまうことからきちんと勉強はして準備を整えて試験に臨むことが大切です。

小野 哲章
出版社 ‏ : ‎ 金原出版; 第3増補版 (2019/1/29)
、出典:出版社HP

臨床工学技士の給料についてのまとめ

今回は臨床工学技士の年収について中心に説明してきました。勤務地によって給料や勤務時間が異なることがわかったと思います。給料面だけ考えるのではなく、自分に合った働き方を探すことが一番です。どこで働くのが一番働きやすいのかよく考えながら資格取得を目指すと良いでしょう。