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3000時間とも、5000時間とも言われることのある公認会計士試験の勉強時間ですが、実際にはどのくらいが目安となるのでしょうか。
詳しく解説してきます!
<試験合格までの合計勉強時間>
公認会計士試験合格者の平均勉強時間は、約4000時間であると言われています。
それではなぜ、3000時間〜5000時間と勉強時間の幅が広くなっているのでしょうか。
その理由は、合格者の勉強開始から合格までの期間に1年〜2年の幅があるためです。
公認会計士試験は、短答式試験と論文式試験の両方に合格する必要がありますが、短答式試験は年に2回、論文式試験は年に1回のみとなっています。平均的には2年〜3年が合格の目安となりますが、早い人だと1年、長くかかる人だと3年以上かかることになります。
このように勉強期間の幅が1年、2年単位で異なってくるため勉強時間についても幅広く言われています。
最後に合格の目安となる時間ですが、先ほども述べたように平均は約4000時間となっています。しかし、ここから極端に勉強時間が短い人や長い人を除くと3500時間程度が一般的には公認会計士試験の合格の目安となると言われています。そのため、特別自信のある方以外は、このくらいの勉強時間を目指すと良いのではないでしょうか。
<それぞれの試験ごとの勉強時間>
ここでは、短答式試験と論文式試験に分けてそれぞれの勉強時間を解説していきます。
合計での勉強時間を3500時間とした場合の各科目の勉強時間は以下のようになります。
○短答式試験
財務会計論:1000時間
管理会計論:500時間
企業法:400時間
監査論:200時間
○論文式試験
財務会計論:300時間
管理会計論:250時間
企業法:200時間
監査論:100時間
租税法:350時間
選択科目:200時間
見ていただくと分かる通り、短答式試験の財務会計論が全体の勉強時間に占める割合としては非常に大きくなっています。
勉強を始める前の会計知識のレベルにもよりますが、財務会計論はまず簿記の内容から始まります。また、他の科目と比べて覚えなくてはならない知識のボリュームが多く、試験範囲も広いため、合格するために一番重要となる科目であるといえます。
また、論文式試験の選択科目ですが、「経営学」「経済学」「民法」「統計学」の4つから1つ選択する形になります。この4つの選択科目ですが、それぞれにかかる勉強時間に大きなばらつきがあると言われています。そのため、基本的には勉強量が少なく8割以上の受験者が選択する「経営学」を選ぶのがおすすめです。
<勉強期間とスケジュール>
続いて、勉強の期間を大学生・専念できる方・社会人の3つのパターンで確認していきます。
○大学生の場合
大学生の場合は、資格の予備校とのダブルスクールで合格を目指していくことになります。
ダブルスクールにはなりますが、社会人と比べると比較的勉強時間を確保しやすいため、1.5年〜2年間のカリキュラムで進めていくのが一般的です。
そのため、大学在学中に合格を目指す場合は少なくとも大学2年生のうちには勉強をスタートさせる必要があります。
会計士試験全体での必要となる勉強時間は、3500時間程度となりますので、学習期間を2年間とすると一週間あたり約36時間、1日あたりで約5時間となります。
しかし、多くの予備校のカリキュラムは大体1年間ずつで入門期と上級期に分かれており、入門期と上級期では講義数に大きな違いが見られます。
入門期は1週間に講義が1〜3つと比較的余裕を持ったスケジュールとなっています。そのため、上級期に多くの時間を会計士試験のための勉強に当てるためにも大学の単位は入門期のうちにできるだけ多く取得しておくのがおすすめです。
また、大学生のみではなく、社会人や試験に専念する方にも共通して言えることですが、会計士試験の勉強の多くは簿記の知識が基礎になります。そのため、自分に合っているのか確かめる意味でも、勉強を開始する前に簿記3級または2級を先に取得してから始めるのがおすすめです。
○試験専念の方
試験に専念できる方の場合、大学生よりも速いペースでの合格を目指す、1年〜1.5年コースが一般的となります。
また、予備校によっては、勉強を進めながら1年での合格を目指すか2年での合格を目指すかを決めることのできるコースも用意されています。
2年間かけてこなす講義を1年間でこなす必要があるため、スケジュールは非常にタイトなものとなります。
一日の時間のほとんどを勉強に当てることのできる試験専念の方のみ可能なスケジュールとなっており、短期集中で一発合格を目指していくことができます。
また万が一、一発で合格できなかった場合は合格目標を次の年度に伸ばしてそのまま講義を受けられるような制度もあるため、その点は安心して取り組むことができます。
○社会人
社会人の場合は、仕事と共立して勉強時間を確保していく必要があるため、2年〜2.5年のカリキュラムで進めていくことが一般的となります。
上の二つでは、同じ年度で短答式試験・論文式試験両方の合格を目指すものとなっていましたが、このコースでは一年目は短答式試験の合格を目指し、二年目で論文式試験の合格を目指すというような方もいます。
最初は働きながら勉強を始めて、ある程度まで進んだ段階で仕事を辞めて専念になる方、最後まで仕事を続けながら合格を目指す方様々いますが、勉強期間は長めに設定されているため、自分のペースで進めていくことが可能です。
また、社会人の場合は特にスキマ時間を活用していくことが必要になります。通勤時間や仕事の休憩時間、お風呂の中での時間など一回は5分〜10分程度の短いものになりますが、それを積み重ねていくことが大切になります。
<まとめ>
ここまでのまとめをすると、
公認会計士試験の合格に必要な勉強時間は、
約3500時間
合格までの勉強期間は、
大学生で1.5年〜2年
試験専念の方で1年〜1.5年
社会人で2年〜2.5年
となります!
公認会計士試験の勉強時間が気になっているという方は参考にしていただけたら嬉しいです!