労働安全コンサルタントは、依頼を受けた企業の労働環境水準向上のために適切な指導を行う専門家です。

今回は、労働安全コンサルタントの就職について詳しく見ていきたいと思います。

 

テクノ・リアライズ
出版社 ‏ : ‎ テクノ・リアライズ (2020/1/1)
、出典:出版社HP

労働安全コンサルタントとは

企業や事務所によっては危険物や大型の設備を使用しているところも多く、少しの不注意や環境整備不足によって大規模な労働災害へと繋がってしまうこともあります。このような事態を避けるため、労働環境の適切な診断及び改善のための指導を行うのが労働安全コンサルタントです。

近年、技術の進歩に伴う設備の大型化や高性能化により、大規模な事故が起こるリスクも高まっています。さらに、いち従業員から企業単位まで、全体的に安全に対する意識も向上しているため、需要が高まっている職種です。

 

労働安全コンサルタントの試験概要は?

労働安全コンサルタントとなるには、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が運営する同名の資格試験に合格する必要があります。ここでは、その試験概要についてご紹介します。

労働安全コンサルタント試験には、実務経験または他資格の取得等の受験資格が設けられていることに注意してください。学歴にもよりますが、最低でも5年以上の実務経験が必要となります。技術士、一級建築士、第1種電機主任技術者等の試験に合格している場合は、実務経験を積むことなく受験が可能です。受験資格は他にも設定されていますので、詳しくは公式サイトをご確認ください。

 

試験は筆記試験と口述試験に分かれていて、筆記試験が免除の場合か合格した場合のみ口述試験を受験することができます。試験は、機械、電気、化学、土木、建築の5分野に分かれていて、自分の専門を選んでの受験となります。筆記試験は選択式で行われる「産業安全一般」「産業安全関連法令」、記述式で行われる「専門科目」の3科目から、口述試験は「産業安全一般」「専門科目」の2科目から構成されます。

 

試験科目 試験形式 試験時間
筆記試験 共通 択一式 産業安全

関係法令

1時間
機械安全、電気安全、化学安全、

土木安全、建築安全の中から1科目選択

2時間
口述試験 産業安全一般 口述式 15分
機械安全、電気安全、

化学安全、土木安全、

建築安全の中から1科目選択

 

労働安全コンサルタントの就職に対するメリットは?

労働安全コンサルタントの資格取得を就職という面から見た場合、非常にメリットの大きい資格であるといえます。

労働安全コンサルタントは近年需要が高まっている職種であるのため、求人数も多くなっています。一方で、取得するまでに実務経験を積むなど数年かかる上に、合格率も20%程度のため、資格取得者の数はまだまだ多くありません。そのため、求人数に対して資格保有者の数が不足しているというのが現状です。

また、労働安全コンサルタントの給与相場は600〜700万円と高収入な職種であるといえます。さらに、実務経験を積んで一定以上の顧客が見込めるようになれば独立も可能な職種です。

ただし、そもそも受験の際に実務経験が必要になるため入社後に資格取得を目指すという場合が多く、新卒で労働安全コンサルタントとして就職するというのは珍しいケースとなります。

テクノ・リアライズ
出版社 ‏ : ‎ テクノ・リアライズ (2020/1/1)
、出典:出版社HP

 

労働安全コンサルタントの就職のまとめ

今回は、労働安全コンサルタントの就職についてまとめてきました。

労働安全コンサルタントは、需要も高く、高収入な職種で、取得メリットの高い資格であるといえます。ぜひこの機会に取得を目指してみてはいかがでしょうか。