公害防止管理者は国家資格です。この資格を取得するためには2種類の方法があり、1つは他の資格試験と同様、「国家試験」に合格し取得する方法、もう一つは、「資格認定講習」を受講し、その後のテストに合格し取得する方法です。なぜ、2種類の方法があるのでしょうか。取得難易度に差はあるのでしょうか。
ここでは、2つめの方法として述べた公害防止管理者の「資格認定講習」についてご紹介していきたいと思います。
資格認定講習とは?
資格認定講習とは、「特定工場における公害防止組織の整備に関する法律」施行令に基づいて、技術資格または学歴及び実務経験資格がある方を対象に実施されています。以下にその一部を紹介します。
エクセル 技術資格に必要な提出書類
※受験区分にごとに対象となる技術資格が異なるため、詳しく知りたい方は受験要項をご覧ください。
講習を受講したら、その後に行われる修了試験を受けることになります。これに合格した場合、国家試験に合格した場合と同等の資格が付与されます。
認定講習は札幌、仙台、東京、愛知、大阪、広島、高松、福岡の全国主要8都市で開講されており、12月〜3月にかけて合計30回ほど行われています。
そもそも受講までが大変
資格認定講習を受けるためには、国家試験とは異なり一定の受験資格が必要です。また、自身が勤務する特定工場についての書類や、そういった場で働いている、という証明書も合わせて提出しなければならず、作成には時間がかかります。
また提出後も受講を許可するかどうかの審査が行われます。この審査に通らなければ受講できないため、必要書類を提出すれば必ず受講できる、というわけではありません。もちろん不正な実務経験での申告は資格取り消しとなります。申込むにあたり、実務経験期間、実務内容などに偽りがないようチェックしましょう。
講習の方が簡単、ではない
国家試験を受験して取得する方法と比べると、講習も受けることができ、修了試験に合格すれば良いだけ、と思いがちです。しかし、受講する科目はかなり多く、そのうえ一定の知識があることを前提としているため注意が必要です。
スクリーンショット 2021-10-24 13.56.46 受講科目数(一部)
修了試験の再受験も不可能となっており、認定講習のほうが簡単であるとは言えません。
また、費用面も大きく違っており、大気関係第1種を例に見ると、国家試験を受ける場合は受験料が8,700円(税抜)であるのに対し、大気関係第1種の認定講習の受講代は46,500とその差は5倍以上です。この点も参考に考えると良いでしょう。
公害防止管理者の認定講習のまとめ
以上、公害防止管理者の「資格認定講習」について紹介しました。
資格認定講習には受験資格が設けられており、その面では国家試験の方と差別化ははかれているかと思います。とはいえ、難易度については違いはみられないため、どちらも受けることが可能な方は自身のスケジュールや費用に合った方を選ぶのがおすすめです。資格取得に向けて、この機会に資格認定講習を検討してみてはいかがでしょうか。