測量士とは

 

測量士とは、測量に関する計画を作製し、または実施する者です。

国家資格の一つで、測量を行うため、建設・建築業界と関係しています。

 

似た資格に測量士補がありますが、測量士補の場合は、測量士の作成した計画に従い、測量に従事する者とされています。測量士補は計画を作成できない分、測量士よりも業務の範囲が狭くなります。

 

どちらの資格も、技術者として基本測量(すべての測量の基礎となる測量)や公共測量(国又は地方公共団体の実施する測量)に従事するために必要とされています。



測量士の仕事内容

測量士の仕事は、地理的なデータを収集し、解析することで土地の特性を理解し、利用可能な情報に変換することです。この仕事は主に二つの側面、すなわち「外業」と「内業」に分けられます。

外業

外業では、測量士はフィールドワークに従事します。これには以下のような業務が含まれます:

  1. チーム作業:測量士は通常、小規模ながら技術的に優れたチームを組んで作業します。
  2. 専門機器の使用:高度なGPSシステム、レベル測定機器、距離測定器具などの専門機器を使用して、正確な地形データを収集します。
  3. データ収集:土地の傾斜、高さ、境界、自然的または人工的な特徴などのデータを収集します。
  4. 環境適応:気候条件や地形に応じて、作業方法を柔軟に調整する必要があります。

内業

外業で収集したデータをもとに、事務所内で以下のような作業を行います:

  1. データ分析と処理:収集したデータを分析し、必要に応じて整理します。
  2. 地図と図面の作成:CADソフトウェアを利用して、詳細な地図や図面を作成します。
  3. プロジェクト計画と文書作成:土地の利用計画や開発計画の策定、法的な土地登録のための文書作成を行います。

測量士としての重要性

測量士は、土地開発、建設プロジェクト、環境保護計画など、様々な分野で重要な役割を果たします。彼らの専門知識と技術は、都市計画やインフラ構築、不動産取引においても重要です。測量の精度と品質はプロジェクトの成功に直結するため、その役割は非常に大きいです。

測量士になるための道

測量士になるためには、主に以下の方法があります:

  1. 測量士試験の受験:国土地理院が実施する測量士試験に合格し、合格後に登録する方法です。
  2. 実務経験や教育:特定の教育機関や養成施設での学習、実務経験を通じて資格を得る方法もあります。

これらの方法を通じて測量士としての資格を得た後、測量士はさまざまな専門分野でその技術を活かすことができます。この仕事は、技術的な専門知識とともに、地理的な情報をどのように活用するかという創造性も求められる分野です。

 



 

 

測量士試験の概要

 

測量士試験は、特別な受験資格が設けられておらず、誰でも受験できます。

試験日は、例年5月の日曜日ですが、変更されることもあります。国土地理院の案内から最新の情報を確認してください。

試験手数料は、4250円です。



試験は、午前の試験と午後の試験の2種類があり、試験時間はそれぞれ2時間30分です。

電卓の使用が可能ですが、貸し出された電卓のみで、持ち込みはできません。

 

出題形式については、午前の試験は択一式で、計28問(1問25点の700点満点)が出題されます。

午後の試験は、記述式(700点満点)で、必須問題1題と選択問題4題(基準点測量、地形・写真測量、地図編集、応用測量)が出題され、設問数はそれぞれ4問の計20問となっています。選択問題は、4題の中から2題選択します。

 

試験科目は、下記のものがあります。

ただし、技術者として測量業務に従事する上で求められる一般知識(技術者倫理、測量の基準、基礎的数学、地理情報標準等)も出題されます。

 

・測量に関する法規及びこれに関連する国際条約

・多角測量

・汎地球測位システム測量

・水準測量

・地形測量

・写真測量

・地図編集

・応用測量

・地理情報システム



合格基準は例年、午前が400点以上(700点満点)、かつ午前と午後の点数の合計が910点以上(1400点満点)となっています。合格率は、1桁台後半〜10%台前半で推移しており、資格試験の中では、低めです。

 

測量士の資格、試験概要のまとめ

 

測量士の概要と測量士試験の概要を紹介してきました。測量士は、地理の正確なデータの計測に必要な仕事です。実務経験がものを言う仕事ではありますが、体力も必要なケースもあり、年齢に応じた働き方が求められやすいでしょう。




測量の仕事に興味がある方や建設関係の仕事をしたい方、公共性のある仕事をしたい方などは、取得を検討してみてはいかがでしょうか。