環境法令検定とは、環境法令の知識力を測る検定試験です。業務において環境法令に携わる方を対象とし、学習の機会を設けると共に、現在の実力を確認し、法令の順守へつなげる目的もあります。すでに環境法令を担当されている方以外にも、新たに担当となった方への教育資料としても活用されています。

検定の名称通り、環境に関係する法律が試験対象となります。法律を扱うとなると、難易度はかなり高めなイメージですが、実際はどうなのでしょうか。ここでは環境法令検定試験の難易度について紹介していきます。

環境法令検定試験は難しい?

●受験資格
環境法令検定試験では、受験資格は特にありません。どなたでも受験が可能となっています。

●試験方式
試験はCBT試験方式となっており、全60問を試験時間90分で解答します。出題形式は全問択一問題であるため、記述式の問題はありません。

本試験には「○級」といった試験区分はなく、その代わり、100点満点中の点数でランクが認定される評価方法が導入されています。

ランク 基準 評価
ブロンズ 70点〜80点未満 特定の環境法令分野に詳しく、以下の業務が可能な実力があります。
・環境負荷の比較的少ない業種・業態における環境担当者
・上記における環境内部監査員、順守評価者
シルバー 80点〜90点未満 広範な環境法令分野に詳しく、以下の業務が可能な実力があります。
・環境負荷が比較的高い業種・業態における環境担当者
・上記における環境内部監査員、順守評価者
ゴールド 90点以上 すべての環境法令分野に詳しく、以下の業務が可能な実力があります。
・環境マネジメントシステム審査員

※69点以下の場合、認定はありませんのでご注意ください。

●試験範囲
環境法令のうち、下表の代表的な環境法令が試験範囲となっています。これらの法令の全てから最低1問ずつ出題されます。
比較的多く出題される環境法令は赤字で示しています。

分野 適用法令
総合 環境法基礎
環境基本法
大気汚染 大気汚染防止法(大防法)
自動車NOx・PM 法(排ガス抑制法)
水質汚濁 水質汚濁防止法(水濁法)
浄化槽法
下水道法
廃棄物 循環型社会形成推進基本法
廃棄物処理法
資源有効利用促進法
容器包装リサイクル法
家電リサイクル法
小型家電リサイクル法
建設リサイクル法
食品リサイクル法
自動車リサイクル法
PCB特別措置法
騒音 騒音規制法
振動 振動規制法
悪臭 悪臭防止法
化学物質 化管法(PRTR法)
化審法
毒物及び劇物取締法
ダイオキシン類対策特別措置法
危険物 消防法
労働安全衛生法(安衛法)
土壌汚染 土壌汚染対策法
地球環境 省エネ法
建築物省エネ法
地球温暖化対策推進法(温対法)
フロン排出抑制法
その他 生物多様性基本法
公害防止組織法
直近の法改正

●その他
試験は毎年2回、3月と9月に実施されており、全国47都道府県、約300箇所のCBT試験会場で受験することができます。受験料は9,000円(税別)です。

環境法令検定事務局
出版社、出典:出版社HP

法令関係は難易度が高い?

試験範囲はかなり広く、また法律であることから、難易度はかなり高いと思いがちです。実際、同じく法令を扱う「司法試験」は、範囲は異なりますが、その難易度はかなり高く、合格には数年に及ぶ学習が必要です。

しかし環境法令検定試験は、環境法令として知っておくべき基本的な問題を中心とした出題となっており、また、改正された法令は積極的に出題されています。基本的な知識を身につけていれば難しくはありません。法律を対象とした試験のなかでは難易度は低めで、受験しやすくなっています。

他の環境にまつわる検定はどうなの?

環境法令検定試験に関係する試験として、公害防止管理者国家試験、eco検定試験が挙げられます。環境法令検定試験の公式サイトでは、本試験の難易度について、「eco検定以上、公害防止管理者未満の難易度」としています。

実際、合格率をみても、公害防止管理者国家試験は約26%、eco検定は約80%であるのに対し、環境法令検定試験は、ブロンズランク以上の認定が40%となっています。

環境法令検定試験の難易度のまとめ

以上、環境法令検定試験の難易度について紹介しました。

法律を用いた検定試験のなかでは難易度は決して高くはなく、比較的受験しやすい検定試験であることがお分かり頂けたかと思います。
合否ではなく、自身の目標とするランク到達に向けて勉強する形になるので、実力を確認するという意味でも、環境法令に関係している方はぜひ受験してみてはいかがでしょうか。

環境法令検定事務局
出版社、出典:出版社HP