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「火薬類取扱いのための資格が欲しい」
「土木や建設関連で役立つ資格を取得したい」
このような方におすすめなのが「火薬類保安責任者」という資格です。
本資格は、危険物である火薬類の製造・取扱いの際の保安を担うための資格となっています。
本記事では、火薬類保安責任者の合格を目指す上でおすすめの参考書をご紹介していきます。
火薬類保安責任者試験について
火薬類は建設現場やトンネル工事、発掘現場での発破作業などで使用されますが、誤った取扱いをすると大事故につながる恐れもあり危険です。そのため、火薬類を製造または使用する際には火薬類保安責任者の配置が義務付けられています。
火薬類保安責任者は、製造保安責任者と取扱保安責任者に分かれます。その名称の通り、製造と取扱い、それぞれにおける保安に特化した資格となっています。
それでは、火薬類保安責任者試験の概要に関して以下にまとめていきます。
火薬類製造保安責任者 | 火薬類取扱保安責任者 | ||||
甲種 | 乙種 | 丙種 | 甲種 | 乙種 | |
受験資格 | なし | ||||
試験方式 | 記述式 | 選択式 | |||
試験時間 | 90分(1科目) | 150分 | 120分 | ||
受験料 | 25,900円 | 18,000円 | |||
合格基準 | 一般教養科目は50点以上
その他の科目は60点以上 |
各科目とも60点以上 | |||
試験科目 | ・火薬類取締に関する法令
・火薬類製造工場保安管理技術 ・火薬類製造方法 ・火薬類性能試験方法 ・火薬類製造工場に必要な機械工学及び電気工学大要 ・一般教養 |
・火薬類取締に関する法令
・信号焰管、信号火せんまたは煙火製造工場保安管理技術 ・信号焰管、信号火せんまたは煙火製造方法 ・火薬類性能試験方法 ・一般教養 |
・火薬類取締に関する法令
・一般火薬学 |
火薬類製造保安責任者は、甲種・乙種・丙種の3つに、火薬類取扱保安責任者は甲種・乙種の2つに分かれます。受験資格は設けられていないので、どの区分からでも受験が可能です。
製造の甲種・乙種は記述式で出題され、それ以外の区分では選択式で出題されます。
合格基準は、一般教養科目は50点以上、その他の科目は60点以上に設定されています。
ただし、製造の甲種・乙種は経済産業大臣が、それ以外の区分は各都道府県知事が実施するため、試験方式が異なる可能性があります。受験する地域の実施要項をよくご確認ください。
続いて、火薬類保安責任者の合格率を見てみましょう。
【合格率】
2022年 | 2021年 | 2020年 | ||
火薬類製造保安責任者 | 甲種 | 12.0% | 30.1% | 26.9% |
乙種 | 24.0% | 18.5% | 20.8% | |
丙種 | 54.8% | 63.6% | 62.3% | |
火薬類取扱保安責任者 | 甲種 | 58.9% | 57.2% | 53.4% |
乙種 | 61.6% | 55.8% | 49.3% |
火薬類保安責任者の合格率は製造の甲種・乙種で20〜30%程度、その他の区分では50〜60%程度となっています。
火薬類保安責任者試験の対策ポイント
上記項目で見たように、火薬類保安責任者の合格率は製造の甲種・乙種で20〜30%程度、その他の区分で50〜60%程度です。
勉強時間の目安としては、火薬類製造保安責任者・丙種および火薬類取扱保安責任者で30〜50時間程度とされています。難易度の高い火薬類製造保安責任者・甲種/乙種ではさらに長期間の学習が必要となると思われます。しっかりと計画して臨みましょう。
それでは、火薬類保安責任者試験の対策ポイントを見ていきましょう。
火薬類製造保安責任者・丙種および火薬類取扱保安責任者試験では、過去問演習中心の学習を行なうと効率よく進めることができます。特に、火薬類取扱保安責任者の方は法令、火薬学ともに過去問の類似問題の出題が多いため、演習段階で得点率を上げておくと本番でも対応できるようになります。
一方で、製造の甲種・乙種では過去問集の類が出版されておらず、公式サイトには1年分の過去問しか載っていないので、公式テキスト中心の学習となります。独学が心配といった方は日本火薬工業会主催の講習会の受講もおすすめです。
さらに、製造の甲種・乙種とその他の区分で試験方式が異なる点にも注意しましょう。製造の甲種・乙種は記述式で出題されるため、しっかりと自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
火薬類保安責任者試験のおすすめ参考書
それでは、火薬類保安責任者試験の対策におすすめの参考書をご紹介します。
1.丙種 火薬類製造保安責任者 過去問題・解答解説集
製造・丙種用の過去問集です。「火薬類取締法」「火薬類取締法施行規則」「火薬類取締法施行令」に関する問題が過去8回分収録されています。
2.甲種 火薬類取扱保安責任者 過去問題・解答解説集
取扱・甲種用の過去問集です。火薬類取扱保安責任者では過去問の類似問題の出題が多いので、問題集を使った演習を進めておくと合格に近づけます。
3.乙種 火薬類取扱保安責任者 過去問題・解答解説集
上記問題集の取扱・乙種用のものです。火薬類取扱保安責任者試験はどちらも暗記科目となるので、しっかりと過去問演習を積んでおきましょう。
4.完全解説! 火薬類取扱保安責任者試験
テキストと問題集一体型の火薬類取扱保安責任者試験用の参考書です。試験で問われるポイントがコンパクトにまとまっているので、試験で出やすいところを学習するのに向いています。
火薬類製造保安責任者の甲種・乙種用のテキストは一般の参考書がなく、公式テキストも書店などでは販売されていないようです。ご購入の際は公式サイトからの申し込みが必須となります。
火薬類保安責任者試験のおすすめ参考書のまとめ
ここでは、火薬類保安責任者試験のおすすめ参考書をご紹介しました。
火薬類保安責任者は、製造を行う化学メーカーだけでなく、現場で使用する建築・土木分野でも役立つ資格です。
是非この機会に火薬類保安責任者の受験を検討してみてはいかがでしょうか。