「品質管理に関する資格が欲しい」

「超音波検査や放射線検査などの技術を証明する資格が欲しい」

 

このような方におすすめなのが「非破壊試験技術者資格試験」です。

本試験は、表面及び内部のきずや劣化具合を調べるために行われる非破壊試験について一定以上のスキルがあることを認定する資格試験です。

 

本記事では、非破壊試験技術者資格試験の合格を目指す上でおすすめの参考書をご紹介していきます。

 

非破壊試験技術者資格試験について

非破壊試験(NDT試験)とは、その名の通り物を壊さずに表面や内部のきずや劣化の状態を調べるために用いられる、品質管理において重要な手法です。測定方法としては放射線や超音波、赤外線など様々なものがあるので、本試験でも方法及び用途別に分けて実施されています。

 

非破壊試験は、原子力発電所、プラント、鉄道、航空機、橋梁、ビル、地中埋設物など様々な社会資本に適用されているので、資格の需要も高いです。

 

それでは、非破壊試験技術者資格試験の概要に関して以下にまとめていきます。

 

【非破壊試験方法名称と試験区分】

レベル1 レベル2 レベル3
放射線透過試験(RT) ○ ○ ○
超音波探傷試験(UT) ○ ○ ○
磁気探傷試験(MT) ○ ○ ○
浸透探傷試験(PT) ○ ○ ○
渦電流探傷試験(ET) ○ ○ ○
ひずみゲージ試験(ST) ○ ○ ○
赤外線サーモグラフィ試験(TT) ○ ○
漏れ試験(LT) ○ ○ ○
超音波厚さ測定(UM) ○
極間法磁気探傷検査(MY) ○ ○
通電法磁気探傷検査(ME) ○
コイル法磁気探傷検査(MC) ○
溶剤除去性浸透探傷検査(PD) ○ ○
水洗性浸透探傷検査(PW) ○

※カッコ内は略称を示しています。

 

レベル1 レベル2 レベル3
受験資格 「訓練シラバス」に基づいた訓練を受けていること(内容は試験区分および保有資格に応じて異なる) ・訓練シラバスに基づいた訓練を受けていること

・レベル2資格を保持していること

試験方式 【一次試験】筆記試験(四肢択一式)

【二次試験】実技試験

【一次試験】

筆記試験(四肢択一式)

【二次試験】

筆記試験(四肢択一式、記述式)

試験時間 【一次試験】120分

【二次試験】試験区分によって異なる

【一次試験】150分

【二次試験】120分、60分

受験料 18,700円
合格基準 【一次試験】

一般、専門いずれも70%以上取得

【二次試験】

80%以上取得

【一次試験】

合計70%以上取得

【二次試験】

各科目70%以上取得

出題内容 【一次試験】(一般):30問(部門により40問)以上

各NDT方法における原理、装置などに関する問題など

【一次試験】(専門):30問以上

供用前・供用期間中試験(製造を含む)における各NDT方法についての分野専門理論の提要に関する問題など

【一次試験】

・材料科学、製品・製造・加工の基礎知識:25問以上

・認証システムに関する知識:10問以上

・レベル2の基礎知識(4NDT方法):各15問以上

【二次試験】

・当該NDT方法のレベル3の基礎知識

・当該NDT方法の適用、コード及び規格に関する知識

・当該NDT方法の手順書の作成

【二次試験】

・実技試験(不連続部の検出・報告、ひずみ測定は測定結果の整理と報告書の作成)

【二次試験】

・実技試験(不連続部の検出・報告、ひずみ測定は測定結果の整理と報告書の作成)

・レベル1に対するNDT指示書の作成

 

非破壊試験技術者資格試験では、大きく8種類の非破壊試験方法があり、レベルも3段階に別れて行われています。

 

受験には「訓練シラバス」に基づいた訓練を受けていることが必要となり、訓練内容、時間についてはNDT方法や保有資格に応じて異なります。

 

 

受験資格のほか、試験内容についても区分によって異なりますが、公式サイトに詳しく掲載されていますのでご確認ください。

 

試験は一次試験と二次試験に分かれ、一次試験は四肢択一式の筆記試験です。一次試験に合格すると二次試験に進むことができ、レベル1・2は実技試験、レベル3は筆記試験で行われます。

 

続いて、非破壊試験技術者資格試験の合格率を見てみましょう。

 

【合格率】(2021年春期資格試験結果)

レベル1 レベル2 レベル3
放射線透過試験(RT) 50.0% 27.3% 17.4%
超音波探傷試験(UT) 40.3% 25.0% 10.4%
磁気探傷試験(MT) 48.6% 32.3% 7.4%
浸透探傷試験(PT) 42.6% 34.8% 11.3%
渦電流探傷試験(ET) 24.1% 30.1% 8.5%
ひずみゲージ試験(ST) 53.9% 51.4% 37.5%
赤外線サーモグラフィ試験(TT) 50.0% 22.2%
漏れ試験(LT) 50.0% 41.1% 33.3%
超音波厚さ測定(UM) 49.4%
極間法磁気探傷検査(MY) 48.6% 21.1%
通電法磁気探傷検査(ME) 0.0%
コイル法磁気探傷検査(MC) -
溶剤除去性浸透探傷検査(PD) 47.4% 32.9%
水洗性浸透探傷検査(PW) -

 

上記表には2021年春期試験の結果を示しています。

 

非破壊試験技術者資格試験の合格率は、レベル1の平均が43.7%、レベル2で30.2%、レベル3で11.7%となっています。

 

コイル法磁気探傷検査、水洗性浸透探傷検査については受験者がいなかったため合格率のデータがありません。

 

通電法磁気探傷検査の合格率が0%となっているのは、受験者が2名という少人数であることが理由のようです。

 

非破壊試験技術者資格試験の対策ポイント

上記項目で見たように、非破壊試験技術者資格試験の合格率は、レベル1の平均が43.7%、レベル2で30.2%、レベル3で11.7%と、試験難易度としては普通〜高いレベルであると言えます。

 

また、受験者数が少ないと特異的な合格率を示しやすいので、受験人数も併せて確認しておくと難易度の把握がしやすいかと思います。

参考:http://www.jsndi.jp/qualification/pdf/70-09ndtflash.pdf

 

勉強時間については、第1種だと20〜30時間が目安となるようです。第1種となると試験難易度が高くなるので、かなりの勉強時間が必要となります。

 

それでは、非破壊試験技術者資格試験の対策ポイントを見ていきましょう。

 

非破壊試験技術者資格試験の対策としては、一般的な資格試験対策と同じように、テキストを一読したのち問題集を使った演習を進めるのが主な方針となります。

 

間違いやすい問題については、公式サイトに掲載されている「NDTフラッシュ」という資料にまとめられています( http://www.jsndi.jp/qualification/index7n.html )。こちらを押さえておくと、本番での間違いを防ぎやすくなるので確認しておきましょう。

 

また、独学では不安といった方には講習会の受講もおすすめです。講習会を受けることで、受験資格である訓練時間も一部満たせるので効率的です。

 

非破壊試験技術者資格試験のおすすめ参考書

それでは、非破壊試験技術者資格試験の対策におすすめの参考書をご紹介します。

 

1.非破壊試験技術総論

 

非破壊試験に関する技術全般に関してまとめた公式テキストです。内容としてはレベル2で要求されるNDT方法をカバーする程度となっていますが、レベル3を受験される方でも基礎固めとして十分利用できます。

 

2.非破壊試験技術者のための金属材料概論

 

非破壊試験の対象となる製品や構造物には金属で構成されていることが多く、適正な非破壊試験を行うためには、金属に関する知識をつけておくことが重要となります。非破壊試験に関連付けられる知識がまとめられているので、漠然と金属について学習するより効果的です。

 

3.イラストで学ぶ非破壊検査入門

 

イラストや図、フルカラーの写真がふんだんに使われているのでイメージがつきやすく、視覚的にわかりやすくなっています。非破壊試験についてこれから学ぶ方に、最初の一冊としておすすめのテキスト。

 

4.超音波による非破壊材料評価の基礎

林高弘
出版社 ‏ : ‎ 大阪大学出版会、出典;出版社HP

 

超音波を使った非破壊試験に特化したテキストです。分野全体を俯瞰して基礎をまとめたテキストとなっているので、初学者でもわかりやすくおすすめです。

 

5.非破壊試験を用いた土木コンクリート構造物の健全度診断マニュアル

 

非破壊試験がよく行われる土木分野における、点検・調査方法をまとめた一冊です。より実際の操作に沿った内容となっています。

 

6.絵とき 非破壊検査基礎のきそ (Mechatronics Series)

谷村 康行
出版社 ‏ : ‎ 日刊工業新聞社、出典;出版社HP

 

イラストや写真を使って非破壊検査の基礎部分を解説した参考書です。実例もあり、実践的な内容となっているので実務に生かしやすいです。

 

非破壊試験技術者資格試験のテキスト・問題集の多くは公式サイトからの専売となっていて、一般の書店やECサイトでは購入できません。試験区分ごとのテキスト、問題集、参考書も販売されているのでチェックしてみてください。

 

非破壊試験技術者資格試験のおすすめ参考書のまとめ

ここでは、非破壊試験技術者資格試験のおすすめ参考書をご紹介しました。

 

非破壊試験は、製品や構造物を壊すことなく内部のきずや劣化具合を調べることができ、安全管理などに役立てられています。近年では資源のムダを減らすといった点の注目度も高いため、安定したニーズの見込める資格です。

 

是非この機会に非破壊試験技術者資格試験の受験を検討してみてはいかがでしょうか。