「危機管理業務に関する資格が欲しい」

「警備やビル管理に役立つ資格を取得したい」

 

このような方におすすめなのが「自衛消防技術試験」です。

本資格は、自衛消防隊活動の中核的要員としての資格の認定を目的に実施されています。

 

本記事では、自衛消防技術試験の合格を目指す上でおすすめの参考書をご紹介していきます。

 

自衛消防技術試験について

東京都火災予防条例により、東京都における一定規模を有する建物、事業所には自衛消防隊活動の中核的要員の配置が義務付けられています。自衛消防活動中核要員とは、火災等の災害発生から消防隊到着までの間に現場確認や応急救護などの活動を中心となって行う役割を指します。専門的な知識と高度な技術が必要となり、自衛消防活動中核要員になるには自衛消防技術試験に合格する必要があります。

 

また、都内の一定規模の建物に設置される防災センターに勤務するためにも必要となる資格です。

 

それでは、自衛消防技術試験の概要に関して以下にまとめていきます。

 

試験名称 自衛消防技術試験
受験資格 なし
試験方式 【筆記試験】四肢択一式

【実技試験】

・集合方式:活動要領を記述して解答

・個別方式:実操作、行動又は説明により解答

問題数 【筆記試験】25問

【実技試験】

・集合方式:3問

・個別方式:2問

試験時間 【筆記試験】

75分

【実技試験】

・集合方式:15分

・個別方式:5分程度

受験料 5,400円
合格基準 全ての科目において60%以上の正答率
出題内容 【筆記試験】

・火災及び地震に関する基礎的な知識(10問)

…燃焼、消火及び火災現象に関すること

防火対象物の防火・防災対策に関すること

・自衛消防業務に関する実務(10問)

…出火の防止に関すること

自衛消防活動に関すること

消防用設備等の維持管理に関する基礎的な知識及び取扱要領

防火及び避難施設等の維持管理に関する基礎的な知識並びに当該施設等の取扱要領

・消防関係法令(5問)

…消防法

消防法施行令

消防法施行規則

火災予防条例

火災予防条例施行規則

東京都震災対策条例

東京都震災対策条例施行規則

東京都震災対策条例に基づく事業所防災計画に関する告示

帰宅困難者対策条例

【実技試験】

・災害発生時の自衛消防活動要領に関すること

・消防設備、警報設備、避難設備等の維持管理及び取扱いに関すること

・応急救護要領に関すること

 

自営消防技術試験は、東京都における公的資格なので、受験会場も千代田区にある消防技術試験講習場と立川防災館の2か所のみでの実施となっています。各会場で月1〜2回、合計3〜4回行われます。

 

試験は、四肢択一式の筆記試験と、記述式及び実操作で行われる実技試験で行われます。

 

筆記試験は、「火災及び地震に関する基礎的な知識」、「自衛消防業務に関する実務」、「消防関係法令」の3科目からなり、試験時間は3科目合計で75分です。

 

実技試験は、消防用設備等の取扱い及び災害発生時の活動要領についての設問が出題され、筆記試験合格者のみの受験となります。

 

筆記試験、実技試験の全ての科目で60%以上の正答率を取得すると合格となります。

 

試験内容については、公式サイトにかなり細かく掲載されています。学習に取り掛かる前にしっかりとチェックしておきましょう。

 

続いて、自衛消防技術試験の合格率を見てみましょう。

 

自衛消防技術試験の合格率

 

令和4年度
第8回 第9回 第10回
消防技術試験講習場 76.2% 74.1% 83.2%
立川防災館 76.9% 72.3% 75.9%

 

自衛消防技術試験では、直近3回分の合格率を試験会場別に公開しています。会場による差異はほとんどなく、合格率は75%程度です。

 

自衛消防技術試験の対策ポイント

上記項目で見たように、自衛消防技術試験の合格率は75%程度と、試験難易度は易しい部類に入ると言えます。試験回数も月に3〜4回と多く、挑戦しやすい資格試験です。

 

勉強時間は、初学者で30〜50時間程度が目安となるようで、学習期間としては1〜2ヶ月程度です。防災に関する知識のある方であれば、10〜30時間程度の勉強での合格も可能なようです。

 

それでは、自衛消防技術試験の対策ポイントを見ていきましょう。

 

対策としては、問題集を繰り返し解くのが基本となります。自衛消防技術試験では過去に出題された問題の類似問題の出題も多いので、過去問や類似問題を使うことで効率よく進めることができます。

 

演習を進める過程で、イメージしにくいところがある時はYouTubeなどの活用も有効的です。消防設備の使い方について解説した動画などを見ておくと、実際の使い方が分かりやすく、実技試験対策にもなります。

 

自衛消防技術試験のおすすめ参考書

それでは、自衛消防技術試験の対策におすすめの参考書をご紹介します。

 

1.自衛消防技術試験 学科編 受験必携

 

自衛消防技術試験の学科編のテキストです。公式なので、試験範囲を網羅的に学ぶことができます。出題内容に沿って勉強したいといった方におすすめです。

 

2.自衛消防技術試験 実技編 受験必携

 

上記テキストの実技編です。実物の写真も載っているので、実際の操作をイメージしながら身につけられます。

 

3.自衛消防技術試験 問題集

公益財団法人東京防災指導協会
出版社、出典;出版社HP

 

 

上記テキストに対応した問題集です。過去の出題傾向の高い問題や重要事項を中心に編集されているので、試験に出やすいところを重点的に身につけられます。

 

自衛消防技術試験のおすすめ参考書のまとめ

ここでは、自衛消防技術試験のおすすめ参考書をご紹介しました。

 

都内の一定規模以上の建築物では自衛消防技術試験の有資格者の設置が必要となるため、安定したニーズのある資格です。

 

ぜひこの機会に自衛消防技術試験の受験を検討してみてはいかがでしょうか。