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「労働環境の改善に貢献したい」
「コンサルタントとして働きたい」
このような方におすすめなのが「労働安全コンサルタント」という資格です。
本資格は、企業や事業所の依頼のもと、適切に状況を診断・指導を行うことができる国家資格です。
本記事では、労働安全コンサルタントの合格を目指す上でおすすめの参考書をご紹介していきます。
労働安全コンサルタント試験について
労働安全コンサルタントは、現在の労働環境の状況を診断し、適切な指導を行うことで改善に導く仕事です。技術の進歩により労働災害の原因も多様化している近年、需要が増加しています。
また、労働安全コンサルタントは安定した顧客が見込めるようになれば独立も可能な職種なので、将来的に独立して働きたいといった方にもおすすめの資格です。
それでは、労働安全コンサルタント試験の概要に関して以下にまとめていきます。
受験資格 | ・大学または専門学校において理科系統の課程を修めて卒業した者で、その後5年以上安全の実務に従事した経験を有する者
・短期大学または高等専門学校において理科系統の課程を修めて卒業した者で、その後7年以上安全の実務に従事した経験を有する者 ・技術士、一級建築士試験、1級土木施工管理技術検定、1級建築施工管理技術検定合格者、第1種電機主任技術者の免状交付を受けた者 ・厚生労働大臣の登録を受けた者が行う安全に関する講習を修了し、かつ、15年以上安全の実務に従事した経験を有する者 他 |
試験方式 | 【筆記試験】
・共通科目:択一式 ・専門科目:記述式 【口述試験】 |
問題数 | 【筆記試験】
・産業安全一般:30問 ・産業衛生関係法令:15問 ・専門科目:大問4問 |
試験時間 | 【筆記試験】
・産業安全一般:2時間 ・産業衛生関係法令:1時間 ・専門科目:2時間 【口述試験】 15分 |
受験料 | 24,700円 |
合格基準 | 【筆記試験】
総得点のおおむね60%以上、かつ各科目40%以上 【口述試験】 4段階評価の上位2ランクであること |
試験科目 | 【筆記試験(共通)】
・産業衛生一般 ・産業衛生関係法令 【筆記試験(専門)】※1区分を選択 ・機械安全 ・電気安全 ・化学安全 ・土木安全 ・建築安全 |
労働安全コンサルタント試験には受験資格が設けられています。学歴や保有資格によって必要となる実務経験年数が異なりますので、申込前に公式サイトをご確認ください。
試験は筆記試験と口述試験に分かれていて、さらに筆記試験は共通科目と選択科目に分かれます。選択科目は機械、電気、化学、土木、建築の5区分から1つを選択し、受験となります。筆記試験合格後は口述試験となり、両方に合格すると晴れて労働安全コンサルタントの資格を取得できます。
合格基準は、筆記試験が総得点のおおむね60%以上、かつ各科目40%以上、口述試験が4段階評価の上位2ランクであることと設定されています。
続いて、労働安全コンサルタントの合格率を見てみましょう。
労働安全コンサルタント試験の合格率
筆記試験 | 口述試験 | 最終合格率 | |
令和3年度 | 40.1% | 81.0% | 32.1% |
令和2年度 | 28.3% | 78.8% | 22.0% |
令和元年度 | 30.1% | 82.0% | 24.5% |
労働安全コンサルタントの合格率は、筆記試験が30〜40%程度、口述試験が80%程度で、最終合格率は20〜30%程度となっています。
安全管理者との違いは?
似た様な資格に「安全管理者」という資格がありますが、どのような違いがあるのでしょうか?
この2つの資格の違いは、業務内容にあります。労働安全コンサルタントは、その名前の通りコンサルタントを行い、労働環境の改善のための指導などを行います。現場も複数掛け持ちして働く場合も多いです。
一方で、安全管理者は実際に現場の安全管理を行います。こちらは事業場ごとに選任され、1つの現場の専属として働きます。安全管理者としての資格は、2日間にかけて行われる講習を受講することで取得が可能です。
また、労働安全コンサルタントの資格を取得していれば、安全管理者として現場で働くことも可能です。
労働安全コンサルタントの資格を取得しておけばどちらとしても働くことができますが、取得難易度が高いことがネックになります。ご自身の希望する働き方に合った資格の取得を目指しましょう。
労働安全コンサルタント試験の対策ポイント
上記項目で見たように、労働安全コンサルタントの合格率は20〜30%程度と難関資格であることがわかります。さらに、本資格はある程度の実務経験を積まないと受験できないので受験者全体のレベルも高いと考えられ、余計に難易度の高い資格試験であると言えるでしょう。
勉強時間は筆記だけで100時間程度が目安となるようです。実務経験を基に進められるので学習期間としては短めになっているようですが、高難易度試験であることを踏まえて油断せずしっかりと計画を立てて臨みましょう。
それでは、労働安全コンサルタント試験の対策ポイントを見ていきましょう。
まずはしっかりと筆記試験の対策を固めていきましょう。筆記対策を進めることが必然的に口述試験の対策にもなりますし、口述試験までは期間も空くので、まずは筆記試験の合格を目指して勉強していきましょう。
労働安全コンサルタントの資格試験では、過去問演習を中心に進めるのが一般的です。過去問から試験の出題傾向を掴んでいきましょう。
何より一番有効な対策となるのは普段の業務です。本試験では過去問やテキストがそのまま出題されることが少ないので、実務経験内で得た知識を振り返りながら学習を進めると良いと思います。
口述試験については、受験動機や業務上の知識が問われます。過去に質問された内容について、受験者された方がウェブ上で公開していたりするので、参考にしながら対策を進めましょう。
労働安全コンサルタント試験のおすすめ参考書
それでは、労働安全コンサルタント試験の対策におすすめの参考書をご紹介します。
1.まずはこれ!!労働衛生コンサルタント筆記試験対策問題集
2.労働安全コンサルタント試験のための「産業安全一般」
共通科目である「産業安全一般」について、受験のために必要最低限の知識をまとめた参考書です。知識が幅広くどこから勉強していいかわからないといった方はこちらから始めてみると良いかと思います。
3.労働安全コンサルタント・労働衛生コンサルタント試験合格への手引き 改訂増補版集
労働安全コンサルタントに合格するためのポイントがまとめられた一冊です。合格体験記も掲載されているので、こちらを参考にすると学習が進めやすいかもしれません。
4.労働安全コンサルタント・労働衛生コンサルタント試験問題集
令和3年度と令和2年度の2年分の試験問題が掲載されています。2年分ずつまとめられたものが毎年出版されているので、他の年度も解いておくとより力がつけられるかと思います。
5.労働安全コンサルタント試験 模擬問題集
過去の問題を分野別に分析し体系化した模擬問題集です。分野別に演習を積み、苦手分野を克服するといった使い方もできる問題集となっています。
労働安全コンサルタント試験のおすすめ参考書のまとめ
ここでは、労働安全コンサルタント試験のおすすめ参考書をご紹介しました。
労働安全コンサルタントは、労働環境を改善に導く、近年需要が高まっている資格です。
是非この機会に労働安全コンサルタントの受験を検討してみてはいかがでしょうか。