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「労働環境改善に貢献したい」
「労働者の健康を守りたい」
このような方におすすめなのが「作業環境測定士」という資格です。
作業環境測定士は、職場における有害物質の測定等を行い、労働災害の未然防止に貢献できる国家資格です。
本記事では、作業環境測定士の合格を目指す上でおすすめの参考書をご紹介していきます。
作業環境測定士の資格試験について
工場や建設現場では、放射性物質や粉じんなど労働者の健康に影響が出てしまうような環境で作業を行う場合もあります。そこで、労働災害を未然に防ぐために職場の有害物質などの測定および環境改善を行うのが作業環境測定士です。
作業環境測定士として働くには資格を取得した後、登録講習を受講する必要がありますが、本記事では資格試験にフォーカスしてご紹介していきます。
それでは、作業環境測定士の資格試験の概要に関して以下にまとめていきます。
第一種 | 第二種 | |
受験資格 | ・大学または高等専門学校において理科系統の過程を修めて卒業した者で、その後1年以上労働衛生の実務経験を有する者。理科系統以外の卒業者は3年以上の実務経験を有する者
・高等学校または中等教育学校において理科系統の学科を修めて卒業した者で、3年以上労働衛生の実務経験を有する者。理科系統以外の卒業者5年以上の実務経験を有する者 ・8年以上労働衛生の実務に従事した経験を有する者 他 |
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試験方式 | 5肢択一式(マークシート形式) | |
問題数 | 各科目20問 | |
試験時間 | 各科目60分間 | |
受験料 | 13,900円〜27,100円
(選択科目数毎に3,300円増加) |
11,800円 |
合格基準 | 全ての科目において60%以上の得点 | |
出題内容 | 【共通科目】
・労働衛生一般 ・労働衛生関係法令 ・デザイン・サンプリング ・分析に関する概論 【選択科目】 ・有機溶剤 ・鉱物性粉じん ・特定化学物質 ・金属類 ・放射性物質 |
・労働衛生一般
・労働衛生関係法令 ・デザイン・サンプリング ・分析に関する概論 |
作業環境測定士は、第一種と第二種に分かれています。第一種はデザイン・サンプリング、分析の全てを行うことができますが、第二種はデザイン・サンプリングに加えて簡易測定器による分析のみ行うことができます。
受験資格については、第一種・第二種で共通ですが、学歴や実務経験など細かく定められています。申込前にしっかりと確認していきましょう。
試験は5肢択一式で各科目20問ずつ出題されます。試験時間は1科目につき60分間です。全ての科目で60%以上の得点で合格となります。
試験科目は共通科目4科目、選択科目5問となっていて、第二種は共通科目のみで行われます。第一種では共通科目に加えて、選択科目を1科目以上選択する必要があり、1科目ごとに受験料が3,300円増加します。
共通科目は、労働衛生一般、労働衛生関係法令、デザイン・サンプリング、分析に関する概論の4科目、選択科目は、有機溶剤、鉱物性粉じん、特定化学物質、金属類、放射性物質の5科目です。
続いて、作業環境測定士の合格率を見てみましょう。
作業環境測定士の合格率
令和3年度 | 令和2年度 | 令和元年度 | 平成30年度 | 平成29年度 | |
第一種 | 69.0% | 61.4% | 72.3% | 65.3% | 71.1% |
第二種 | 35.8% | 43.3% | 41.2% | 41.5% | 40.4% |
作業環境測定士の合格率は、第一種で70%程度、第二種で40%程度となっています。
作業環境測定士の資格試験の対策ポイント
上記項目で見たように、作業環境測定士の合格率は第一種で70%程度、第二種で40%程度と、そこまで難易度の高い資格試験ではなく、独学でも十分合格が狙えます。
勉強時間の目安としては、1日2時間で3ヶ月程度必要となるとされています。作業環境測定士の試験では、化学分野の問題が出題されるので、ご自身の前提知識を踏まえた上で学習計画を立てましょう。
それでは、作業環境測定士の資格試験の対策ポイントを見ていきましょう。
「労働衛生一般」科目は、確実に暗記することが重要です。本科目では、有害物質と病気の関係について出題されます。業務内容の根幹となるところですのでしっかりと押さえておきましょう。
「労働衛生関係法令」では、前半の衛生管理体制・健康診断と後半の作業環境測定で対策方法が異なります。衛生管理体制・健康診断は、しっかりとした暗記が必要となり、事業所の人数に応じて対応が変化する点がポイントです。作業環境測定では実務経験をもとに学習を進めると覚えやすいと思います。
「デザイン・サンプリング」も、実務経験に基づいてイメージしながら問題を解いていきましょう。特に試料の捕集方法についてが頻出ですので、重点的に取り組んでおきましょう。
「分析に関する概論」では、高校化学レベルが習得できていれば比較的容易に解くことができます。分析機器に関しても暗記で対応できるレベルなので、正確に押さえておきましょう。
作業環境測定士のおすすめ参考書
それでは、作業環境測定士の資格試験の対策におすすめの参考書をご紹介していきます。
1.第1種・第2種作業環境測定士試験 攻略問題集
第一種2回分、第二種5回分の試験問題が試験科目ごとに分類・整理され、頻出・重要問題をまとめた一冊です。作業環境測定士の試験では繰り返し出題される問題も多いので、重要度に基づいて学習することで効率よく進めることができます。
2.作業環境測定のための分析概論(第2種測定士用)
第一種・第二種で共通科目の「分析に関する概論」に特化したテキストです。
3.図解入門よくわかる最新分析化学の基本と仕組み[第2版]
実務に必要な分析科学の知識を、図解で初心者にもわかりやすく解説した一冊です。現場で必要となる知識が視覚的に分かりやすくなっているので、入門書としてもおすすめです。
作業環境測定士の資格試験のおすすめ参考書のまとめ
ここでは、作業環境測定士の資格試験のおすすめ参考書をご紹介しました。
労働災害を未然に防ぐために環境の改善に努めるのが作業環境測定士の仕事です。労働環境の改善は近年注目されているポイントでもあるので、今後も活躍が期待できます。
是非この機会に作業環境測定士の受験を検討してみてはいかがでしょうか。