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私は2021年の6月に行われた基本情報技術者試験に、約3ヶ月の勉強で合格することができました。
前提として、私は文系の大学生であり、当時はプログラミングもあまりしていませんでした。そこから独学でどうやって合格できたのかを、利用した参考書なども合わせて紹介します。
まずは合格するために利用した戦略を紹介し、その後に時系列に沿ってどのような勉強をしていたのかを説明します。
基本情報技術者試験とは?
本題に入る前に、基本情報技術者試験の基本的な情報についてです。基本情報技術者試験は年に2回開催されるCBT(コンピューターで回答を選択する形のテスト)であり、基本的な問題が問われる午前試験と、文章を読み解くなど応用問題が多い午後試験に分かれています。試験時間はそれぞれ150分ずつであり、どちらの試験でも100点中60点以上取ると合格がもらえます。
午前試験は問題数が多く、時間制限が厳しい
これは過去問を解いていたときも、本番の試験でも感じたことですが、午前試験はとにかく時間制限が厳しいです。問題数は80問あるので、1問につき2分もかけられません。しかし、幸いなことに合格率は6割とれれば良いので、「いかに捨て問を見極め、解ける問題だけ解いていくか」が重要です
午後試験は文章から状況を読み解く応用問題
午後試験は午前とは大きく異なり、「とある会社のシステム障害の状況とその対応策」といった文章が与えられ、それに関連する知識や、状況を読み解く力が求められます。こちらも冒頭から丁寧に読んでいくと時間がなくなってしまうので、問題を素早く読み解く力や、文章から情報を整理する力が必要です。
また、午後試験は大問が11問あり、必須問題が2問、残り9問の中から3問選んで回答する形式になっています。ここでも、どの問題が解きやすいかを見極める力が必要になってきます。
独学で受かるために使った戦略
午後試験の選択問題は表計算に決める
午後試験の選択問題の中には、PythonやC言語など、プログラミング言語を利用した問題があり、同じ部類で表計算(いわゆるエクセルの関数などの問題)も出題範囲になっています。エクセルはほとんど使ったことがなく、Pythonの方が楽かと思いましたが、インターネットで調べたり、過去問を解いたりして表計算の問題の方が解きやすいと判断し、選択問題は表計算に絞りました。そうすることでそもそもの勉強範囲も削れますし、本番でもどの問題を解くか悩む必要がないので時間の削減になります。
表計算は使用する関数がある程度決まっているのと、私が解いた解きは後ろに使用される関数の説明が記載されていたので、いざという時もそこを参照して解けるという安心感がありました。
ブックマーク機能を活用する
こちらはCBT特有の機能ですが、特定の問題をブックマークしておいて、問題一覧からブックマークした問題を見ることができる機能があります。問題数が多い基本情報技術者試験では、とにかく時間との勝負になるので、問題分を読んで少しでも解けるか怪しいと感じた場合は、とりあえず選択肢をマークしておいて(もし時間切れになってしまった場合でも、偶然当たっているかもしれないからです)、次の問題に進むようにしていました。
また、わからない問題だけではなく、解き方はわかるけど計算などで解くのに時間がかかりそうな問題も、同様にブックマークをしておいて、あとで見直しをするときに検算をしていました。
試験と同じ制限時間の中で過去問を解く
これは基本情報技術者試験に限らず言えることですが、過去問は最高の教材です。本番になるべく近い形で解くために、過去問でも時間制限を設け、予測不能な出来事にも対応できるように練習をしていました。
時系列で勉強内容を紹介
本番の3ヶ月前 – ざっくりとインプットを進める
基本情報技術者試験の勉強に本腰を入れ始めたのは本番から約3ヶ月前でした。この時点ではまだどんな問題が出るのか、試験時間はどのくらいなのかもわからない状態でしたので、過去問をパラパラとめくったり、Youtubeで基本情報技術者試験の概要説明の動画を見たりして、試験の全体像を大きく頭に入れるイメージで調べていました。
それと同時並行で、網羅的な参考書を使用して勉強をしていました。使用していたのは「キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者」です。Amazonなどで予め調べたところ、わかりやすくて人気もあるみたいだったので購入しました。他の参考書と比べてもイラストや図が多く、硬い内容でも楽しく学べる良い教材でした。かなり分厚い本でしたが、常に持ち歩いて、電車の中や暇な時間にパラパラと中身を読んでおき、机に向かって勉強するときにわかりにくい箇所や自分の中でまとめて置きたい箇所をノートにまとめるなどして勉強していました。
目標としてはスキミング(パラパラとめくりざっくりと内容を理解すること)を1ヶ月の間に3周できればいいかなと考えました。3周と言っても、定期的に読み返さないと最後まで読んだときには最初の内容のほとんどは覚えていないので、新しい章に入るたびに直前の章を軽く読み、また初めの章も読み返すことで、少しずつ頭にいれていくイメージで読み勧めていきました。
過去問は内容を確認するためにたまにかいつまんで解いていただけで、実践形式ではまだやっていません。
本番の2ヶ月前 – 問題を解きつつ、苦手分野を補強
「キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者」も一通り読み終わると、次は過去問を少しずつ解いていきました。過去問を解く前に問題集を利用して分野ごとに勉強しても良かったのですが、問題集を買うのはやめました。
他の資格試験と比べ、基本情報技術者試験は過去問が22年分もあり初見問題がなくなることがないからです。さらに、調べたところによると以前出た問題がほとんど同じ形で出ることもあることがわかったので、過去問の問題を解くことがより重要だと感じました。
まず点数は気にせず、試験時間を同様に設定した上で午前、午後試験ともに受けてみました。結果はどちらも45点程度だったと思います。解説に問題の分類(ストラテジ・テクノロジ・マネジメント)と単元が書かれているので、それぞれの分類で何点取れていたのかを集計しました。私の場合はマネジメントとストラテジの出来が比較的悪かったので、そこに絞って勉強をすることにしました。間違えた問題はマークしておいて、解説を読んでもわからなかったものはまた「キタミ式」を読み返して苦手分野を補強していきました。
本番の1ヶ月前 – 本番形式で過去問を解き、捨て問も見極める
本番の1ヶ月前に入ったときには、どの分野も大体合格ラインにはいけるようになっていきました。基本情報技術者試験は時間制限が厳しい試験なので、時間配分を確かめる目的で、本番形式で過去問を解くことを増やしました。4ヶ月前の時と大きく変わった点は、時間内に解けないと感じた問題はどんどん飛ばしていった点にあります。午前試験は150分で80問も解く必要があるので、かけることができても2分が限界です。重たい計算問題や、すぐには思いつかない問題などは積極的に飛ばし、最後まで解いたあとで、残りの時間で解くようにしました。こうすることで解けたはずなのに時間がなくて点が取れなかった、という状況を回避しながら、残りの時間で計算ミスなどに注意しながら解くことができるので、より高い点数が期待できると考えました。
午後試験は読み解く問題が多めで、求められる知識などは午前試験とあまり変わりません。なので、午後試験は試験の形式に慣れるために数年分解いただけで、勉強時間の大半は午前試験の対策に費やしました。
試験当日
基本情報技術者試験は試験日を決められた期間内であれば自由に決めることができ、午前試験と午後試験も別日に受験することができます。私の場合、連続で試験を受けるのは体力が持たないと感じたので、午前を受けたあと、次の週に午後試験を受験しました。
前日は早めに寝て、とにかく集中力をもたせた状態で試験に望みました。午前試験では110分くらいで問題が一通り時終わり、8,9問ほど飛ばしていた問題があったので、残りの時間でその問題を解いたところで試験が終了しました。
午後試験は大問1問につき約30分の時間がかけられますが、こちらは見直しの時間をあまり取ることができず、不安要素の多いまま試験が終了しました。かなりギリギリのラインでの合格だったので、もう少し午後試験にも時間を割いていれば良かったと反省しています。
小さな積み重ねが重要
さて、基本情報技術者試験の私の体験談を紹介しました。説教臭い話になってしまうかもしれませんが、出題範囲の広い基本情報技術者試験では、コツコツと勉強していくことが大切だと感じました。
皆さんの努力が実りあるものになりますよう、願っております。