テスト時間、問題数、形式はどのようになっている?
問題数80問
試験時間90分
4者択一形式
となっております。
ユーザー試験パワー・ユーザー
レベル1試験プロフェッショナル・コーディネータ
レベル2試験プロフェッショナル・エンジニア
レベル3試験プロフェッショナル・アーキテクト
*レベル2、レベル3に関しては、いまだ実施なし
Part2 – IoT検定の過去問・サンプル練習問題(一問一答無料)
問題1 ★
2016年に日本の内閣設置組織の日本経済再生本部が作成した「日本再興戦略2016—第4次産業革命に向けて—」の「第4次産業革命」に関する説明の一部。
(A)に当てはまる言葉。
「IoTにより全てのものがインターネットでつながり、それを通じて収集・蓄積される、いわゆるビッグデータが(A)により分析され、その結果とロボットや情報端末等を活用することで今まで想像できなかった商品やサービスが次々と世の中に登場する。」
- 人工知能
- クラウドファンディング
- サプライチェーンマネジメント
- シェアリングエコノミーサービス
正解1
IoT(Internet of Things)という言葉の狭義の意味→家電製品などの「もの」がインターネットにつながること、もしくはつながるための技術。
IoTの価値を考えた場合、もっと広い意味→IOTはデータを収集するだけではなく、その後に分析して活用することまでを含む。
データ分析を行う上ではさまざまなツールがある。「第4次産業革命」時代では人工知能を活用することで、これまでになかった新しい製品やサービスが生まれるといわれる。
∴正解は選択肢1の人工知能。
選択肢2のクラウドファンディングは、個人や企業がインターネット上で出資金を集めるWebサイト。
選択肢3のサプライチェーンマネジメントは、複数の企業間で統合的な物流システムを構築するマネジメント手法。
選択肢4のシェアリングエコノミーサービスは、土地やクルマなどの遊休資産を活用するために借り手をインターネット上で募集するWebサイト。
問題2 ★★★
(A)に当てはまる言葉。
米ハーバード・ビジネス・スクールの教授であるマイケル・ポーター氏が提唱する競争戦略の分析手法「ファイブフォース分析」で挙げている企業の競争相手は、
「既存ライバル企業」「供給企業の交渉力」「買い手の交渉力」「新規参入事業者」「(A)」。
- 代替品
- ベンチャー企業
- 金融機関
- 新規の技術
正解1
マイケル・ポーター教授が提唱するファイブフォース分析では、企業が戦略上意識すべき5つの競争相手として、「既存ライバル企業」「供給企業の交渉力」「買い手の交渉力」「新規参入事業者」の4つに加えて、代替品。
∴正解は選択肢1。
代替品の例→
20世紀において、カメラは銀塩フィルムカメラ(以下、フィルムカメラ)が主流。ところが、20世紀の終わりにパソコンが普及し始めると、レンズの映像をデジタルデータとして保存するデジタルカメラが普及。やがて、フィルムカメラはほとんど生産されなくなる。この場合、フィルムカメラにとってデジタルカメラは代替品。この時、伝統的なフィルムカメラの企業にとって最大のライバルは、デジタルカメラを製造する電子機械製造を得意とする業界となった。
さらに21世紀に入ると、デジタルカメラに対して同じくらいの性能を有するスマートフォンが普及。この場合はスマートフォンが代替品となる。この場合、デジタルカメラメーカーのライバルは携帯電話の製造会社となる。
IoTのような新しい技術による革新の時代においては、企業は5つの競争相手の全てに常に注意を払わなければならない。そして、場合によってはイノベーションを起こし、企業の立ち位置や投資領域を変えるなどの判断が必要。
問題3 ★★★★
INSEAD(欧州経営大学院)の教授であるレネ・モボルニュ氏とW・チャン・キム氏が提唱している企業戦略論「ブルー・オーシャン戦略」に関する説明。
- 企業間の競争が激しい領域を目指す戦略。
- レッド・オーシャンに比べて価格の値下げ競争に陥りやすい。
- 新しい価値や需要をつくり出すことで顕在化させる必要がある。
- 実現するには現在は存在しない機能を世の中に必ず提供しなければならない。
正解3
レネ・モボルニュ教授とW・チャン・キム教授が提唱している「ブルー・オーシャン戦略」は、競争相手の少ない新しい競争領域を自らつくり出し、比較的容易に利益を出すための戦略。
ブルー・オーシャンといわれる新しい競争領域は、自然と存在するわけではなく、自らが破壊的イノベーションなどを通して新しい価値や需要をつくり出すことで顕在化させる必要あり。
∴正解は選択肢3。
選択肢1、企業間の競争が激しい領域は「レッド・オーシャン」と呼ばれ、基本的に避けるべき領域。よって、誤り。
選択肢2、一般にブルー・オーシャンよりもレッド・オーシャンの方が競合相手が多いため、同じような商品を出すことが多く、結果的に値下げ競争に陥りやすい。よって、誤り。
選択肢4、ブルー・オーシャンを実現するための方法には、新しい機能を追加するだけではなく、あえて機能やサービスを削る方法によって実現することもある。従って、誤り。例えば、シニアや子供向けに、通話とGPS機能しかない携帯電話を提供する。このような事例がこれに該当する。
IoTや人工知能を契機とする技術革新の時代では、業界の常識やビジネスルールが変わりやすく、同じビジネスを継続することが難しい時代になる。そうした時代において、レッド・オーシャンに向かうのではなく、ブルー・オーシャンに進んでいくという考え方が戦略上必須。
問題4 ★★★
QC7つ道具のうちの1つで、品質管理やデータ分析における相関分析に使われる。2つの軸から成るグラフ上に、データを点でプロットする。正しいもの。
- パレート図
- 散布図
- 特性要因図
- ヒストグラム
正解2
QC7つ道具(表)と呼ばれるツールを利用して品質改善を実現するQC手法は、品質管理においてよく利用される手法。主に問題点の抽出と優先度の順位付けなどを行う。
表
問題文には、「相関分析に使われ、グラフ上にデータを点でプロットする」とあるので、散布図の説明になる。
∴正解は選択肢2。
IoTでは、どのような目的であっても非常に多くの項目(気温や湿度、品質値など)に対してデータを収集し分析する。データ分析では、複数の項目に対してそれぞれがどのように影響し合っているのかを分析する相関分析や、どのような推移で変化するのかを予測する回帰分析、データの傾向を基に複数のグループに分割するクラスタリング分析などを行う。ここで、その一部を人間が視覚的に確認するために、散布図はよく利用される(図)。
問題5 ★
スマートグリッドやHEMS(Home Energy Management System)に関する正しい説明。
- スマートグリッドは家庭内の電力管理システム。
- HEMSは太陽光発電などに対応する次世代送配電システム。
- HEMSで使われるネットワークをHAN(Home Area Network)と呼び、ECHONET Liteなどが使われる。
- 家庭内でガスコジェネレーションを効率的に制御するためにスマートグリッドが使われる。
正解3
スマートグリッドは次世代送配電システムのこと。送電網のコンピューター制御を進化させるとともに、通信機能を持つ電力量計であるスマートメーターをMDMS(Meter Data Management System)で一括制御するなど、商用電力系統(送電網、配電網)を再構築したものです。風力発電などの再生可能エネルギーを安定した電源として利用可能。なお、ガスコジェネレーションはガスによる給湯・暖房・冷房などと発電を同時に行うシステム。
スマートグリッドを特定の地域で実現したマイクログリッドや、地域全体のエネルギーや生活環境のIoT化を推進するスマートシティーなどもある。
HEMS(Home Energy Management System)は家庭内の電力管理システムのことで、エアコンや照明などの自動制御だけではなく、太陽電池による発電までをトータルに管理する。HEMSで使われる通信ネットワークをHAN(Home Area Network)と呼び、通信規格としてECHONET Liteなどが使われる。
∴正解は選択肢3。
選択肢1の「家庭内の電力管理システム」HEMS。
選択肢2の「次世代送配電システム」はスマートグリッド。
選択肢4の家庭内の効率的な制御は、スマートグリッドではなくHEMSに関連する。
問題6 ★★
自動運転など自動車のIoT(Internet of Things) に関係する正しい説明。
- 自動車にインターネットへの接続機能を持たせることを高度道路交通システム(ITS)と呼ぶ。
- 回転数や燃費などのエンジン関するデータを「センソリス(SENSORIS)」で取得して通信することで車両の予防保全を実現できる。
- 米国国家道路交通安全局の自動は運転の定義ではオートパーキングやレーンサポートはレベル1。
- 本格的な自動運転にはライダーやミリ波レーダー、複数のカメラなどが必要。
正解4
インターネット接続機能を持つ自動車をコネクテッドカーと呼ぶ。クルマをクラウドなどに接続することで、周囲の道路状況など、さまざまな情報サービスを受けることが期待される。
高度道路交通システム(ITS: Intelligent Transport Systems)は1990年代から推進されていたシステムで、道路とクルマ、またはクルマ同士で情報を交換する道路交通システム。必ずしもインターネット接続を前提とはしていない。
「センソリス(SENSORIS)」は、障害物や渋滞情報などの車両のセンサー情報をクラウドに収集するための標準規格。エンジン回転数や燃費などの走行データは自己診断機能(OBD: On-board Diagnostics)コネクターで取得できる。OBDは自動車の内部でエンジンなど制御している電子制御装置(ECU: Electronic control Unit)などのデータを取り出すコネクターで、現在のクルマには装備されている。
米国国家道路交通安全局(NHTSA)の自動運転の定義では、オートパーキングやレーンサポートはレベル2。レベル1は自動ブレーキやオートクルーズなどで、レベル3が緊急時にドライバーの対応が必要な自動運転。
本格的な自動運転にはレーザースキャナーやミリ波レーダー、複数のカメラなどのセンサーが必要。物体の形状や位置を判断するために使うレーザースキャナーはLiDAR(Light Detection and Ranging)とも呼ばれ、波長がµmと小さいため、数cmの精度での測定が可能。本体を車体の上部に付け、開発では360°回転させるものが使われる。
表
ミリ波レーダーは精度が劣るが100m程度前方の探知を行い、衝突防止システムにも使われる。
∴正解は選択肢4。
選択肢1「インターネット接続機能」はコネクテッドカー。
選択肢2「エンジンデータ取得」はOBDコネクター。センソリスは路上の障害物や渋滞の情報をクラウドに収集する際の規格。
選択肢3オートパーキングはレベル2。
問題7 ★
サイバーフィジカルシステム(CPS)など、最新のIoT技術を活用した先進国における新しい製造業のあり方について、官民が連携して取り組むことを目指すプロジェクトであるインダストリー4.0プロジェクト。同プロジェクトを提唱・推進している国。
- シンガポール
- ドイツ
- 米国
- 中国
正解2
インダストリー4.0は、ドイツ政府とドイツの企業がプロジェクト組織をつくって提唱・推進しているプロジェクト。
よって、正解は選択肢2。
インダストリー4.0は、先進国における新しい製造のあり方を考えるプロジェクト。その背景には、これまでの少品種大量生産では新興国に負けてしまうという危機感がある。少品種大量生産では、どの国でも同じようなものを造ることになりやすく、価格競争に陥る可能性が高い。
価格競争への対抗策の1つがマス・カスタマイゼーション。マス・カスタマイゼーションは、顧客の細かい要望であるカスタム注文にも対応しつつ、工場を効率良く自律的に(人間が指示しなくても自ら臨機応変に)動かすことで、コストを抑えながら大量に生産するという考え方。
カスタマイズと大量生産という相反することをIoTや人工知能の技術を使って実現することで、新興国の大量生産と違う領域へ。
ゆえに、この考え方は日本や米国などからも注目されており、日本とドイツはインダストリー4.0をはじめとする新しい製造業のあり方について連携するための共同声明を行った。
問題8 ★
ISO 14971に関する説明として、(A)に当てはまる言葉。
(A)のリスク管理が主目的であり、その全工程における発生リスクを事前に定義して、評価を行ってコントロール下に置く。
- 医療機器
- 交通システム
- 航空・防衛機器
- 食品工場
正解1
ISO 14971は、「医療機器」のリスク管理を目的とした規定。リスクの事前定義と評価を適切に行う。また、情報産業では医療機器のソフトウエア開発・保守における規定「IEC 62304」と併用することで高い信頼性を保証。
∴正解は選択肢1。
問題9 ★★
ドローンなどに関する法律について正しい説明。
- 操縦者の目で見えない範囲でドローンを飛ばすことは申請の有無に関わらず法律で禁止されている。
- 自分の土地の敷地内(上空約300m以内)であれば、どこでも無条件に飛ばすことが認められている。
- 機体本体とバッテリーの総重量が200g未満のドローンは法律の適用外なのでどこで飛ばしても問題はない。
- ドローンから人に当たっても問題はない3g程度の軽量な植物の種であれば、自由に落下させることが認められている。
正解4
選択肢1、目視外の飛行は航空法によって規制されているが、禁止はされていない。例えば、山の反対側の操縦者から目視不可能な場所の撮影など。こうした場合、申請を行えば可能。
選択肢2、自分の敷地内(上空300m以内)であったとしても人口密集地では認められない。ドローンが操縦不能で風で流される可能性が十分にあることも考慮に入れる必要がある。
選択肢3、総重量が200g以下は航空法では規制の対象外となるが、道路交通法や電波法など、国の重要施設周辺での利用は航空法以外にもさまざまな法律や規制がある。例えば200g以下であったとしても、空港の近くで飛ばしたり、国の重要施設である官邸の近くで飛ばしたりすることは禁止。
各法令は現状に合わせて改正が行われている。ドローンの運用時に確認を行うことが大切。
選択肢4、落下させる物の重さや固体か液体かなどの物体の状態に関係なく、無人航空機から物を投下しないこととなってる。
ドローンなどの無人航空機を飛ばす際には、次のような規制がある。
[1] 規制の対象: 飛行機や回転翼航空機、滑空機、飛行船であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作または自動操縦により飛行させることができるものを対象とする。ただし、機体本体とバッテリーの重量の合計が200g未満のものを除く。 [2] 規制の空域: 空港などの周辺、150m以上の高さの空域、人口集中地区の上空など、航空機の航行の妨げや落下による危険がある場合では、地方航空局長の承認を受ける必要がある。 [3] 飛行の方法の規制: 次のルールから外れてドローンなどを飛行させようとする場合には、あらかじめ地方航空局長の承認を受ける必要がある。・日中(日出から日没まで)に飛行させること。
・目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること。
・人(第三者)または物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上の距離を保って飛行させること。
・祭礼や縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと
・爆発物など危険物を輸送しないこと。
・無人航空機から物を投下しないこと。
[4] その他の規制(都道府県・市区町村などの条例、電波法など): 無人航空機を飛行させる場合には、都道府県・市区町村などの地方公共団体が定める条例や、小型無人機等飛行禁止法などによって飛行が禁止されている場所・地域がある。警察官などは、同法の規定に違反して小型無人機等の飛行を行う者に対し、機器の退去やその他の必要な措置を取ることを命ずることができる。一定の条件下では、小型無人機等の飛行の妨害、破損その他の必要な措置を取ることができる。これらの場所や地域で無人航空機を使用する場合は、管轄警察署を通して国家公安委員会に通報、国土交通省への届け出など、場所・条件によっては届け出先なども異なる。
ただし、ここで挙げているのはあくまでも航空法に関する規制であり、電波法の規制によって無線航空機の操作に無線免許が必要になる場合もある。
事故や災害時に、国や地方公共団体、また、これらの者の依頼を受けた者が捜索、または救助を行うために無人航空機を飛行させる場合については、適用されない。
∴正解は選択肢4。
問題10 ★★★★
無線モジュールを搭載した機器の製造・販売・輸出入に関する正しい説明。
- 米国の基準で適合性評価を受けた機器は、そのまま日本に輸入して使用できる。
- 観光目的の外国人がFCCマークの認証もWi-Fiアライアンスの認証もあるが、日本の技適マークがないスマートフォンを持ち込んで数日利用した。これは問題ない。
- Bluetooth SIGやWi-Fiアライアンスなどは規格を決める団体であり、製品の製造・販売には特に関係はない。
- 技適マークは、製品本体かその製品の箱に印字しなければならない。
正解2
選択肢1、無線モジュールなどのような電気通信機器・電気用品などを輸出入するときにMRA(相互承認協定)を結んでいる場合は、自国の認証機関で行うことが可能。日本は欧州連合(EU)と米国、シンガポールとMRAを結んでおり、これらの国々では日本国内の認証機関で認証を行い、海外へ輸出することが可能。
選択肢2について、技適マークなしの製品の使用は禁止されていますが、外国人による観光目的の場合は入国の日から90日以内の使用が認めらる。ただし、次の条件を満たす必要がある。
[1] 2.4GHz帯での無線通信であること。 [2] Wi-Fiアライアンス認証を確認できること。 [3] 米国のFCC(連邦通信委員会)認証などの各国の認証が確認できること。上記条件をクリアしている場合に、スマートフォンやゲーム機などでWi-Fiによる無線通信もしくはBluetoothなどで無線通信を次の場面で行うことができます。
[1] 公衆無線LANなどのフリースポットやアクセスポイントにアクセスする場合。 [2] テザリングを行う場合。 [3] 機器同士の直接通信。 [4] ワイヤレスヘッドホンなどのBluetooth機能による通信。なお、携帯電話端末は次の場合、技適マークなしでも利用ができる。
[1] 日本国内の携帯電話事業者またはBWA事業者(WiMAX、ワイモバイルなど)による国際ローミングサービスで使用する場合。 [2] 国際ローミング可能な端末において、日本の携帯電話事業者またはBWA事業者のSIMカードを使用する場合。∴正解は選択肢2。
選択肢3のBluetoothモジュール製品を製造し、Bluetoothのロゴを使用して販売したい場合は、Bluetooth SIGに加盟する必要がある。Wi-Fiも同様にWi-Fiアライアンスに加盟しなければならない。これらに加盟していなければ、罰金を科せられたり、法律上の使用に制限が出されたりする場合がある。
選択肢4の技適マークなどは、2010年4月にディスプレー上での表示でもよいことに変更された。
問題11 ★★★★
IETF(The Internet Engineering Task Force)が標準化策定しているプロトコルであり、RFC7252で定義され、かつ、ヘッダーサイズが4バイトと軽量な非同期通信ができる。そのため、デバイス制御用のプロトコルとしてよく利用されているもの。
- CoAP
- MQTT
- AMQP
- WebSocket
正解1
CoAP(Constrained Application Protocol)は、デバイス間のデータ通信を行う目的で作られたアプリケーション層のプロトコルです。IETF(The Internet Engineering Task Force)が策定。
RFC7252で定義されており、ヘッダーサイズが4パイトと軽量であることが特徴です。加えて、非同期通信が可能なため、デバイス制御用のプロトコルとしてよく利用される。
非同期通信とは、2つの端末が同時に双方向のデータ送受信を行う通信のこと。同期通信の場合は、端末Aが端末Bにデータを送信している場合に、端末Bは端末Aに送信できない。
∴正解は選択肢1です。
CoAPはトランスボート層にTCPだけではなく、UDPを使用できる。そのため、通信を可能な限り軽量化できる。
問題12 ★★
携帯電話の通信事業者と契約した上で、3GやLTEといった通信方式によってデータ送信を行う場合、デバイスに取り付けなければならないものとして正しいもの。
- SIMカード
- SDカード
- B-CASカード
- PCカード
正解1
携帯電話の通信回線を利用してデータを送信するには、通信事業者と契約する必要がある。その上で、事業者が発行するSIMカードをデバイスに取り付け、さらに事業者の基地局が認証して初めて利用できる。SIMカードには認証情報が記載されるため、SIMカードを取り付けていないデバイスは事業者の回線を利用できない。
∴正解は選択肢1です。
日本国内では携帯電話の電波がほとんどの地域をカバーしているため、山間部などでも無線で直接インターネットに接続できるというメリットがある。一方で、事業者に利用料を支払う必要があるが、多くの事業者がIoT向けの低速で低額なプランを用意。
通信方式には、3G、LTEなどがあり、将来的には4G、5Gといった高速通信の活用も期待される。
SDカードは補助記憶装置としてデータを保存できるカード。B-CASカードはテレビのデジタル放送を受信するために必要なカード。PCカードはノートパソコンなどの携帯端末で利用できるカード型の拡張デバイス。
問題13 ★★★
LoRaなどの無線方式のネットワーク機器が該当する、特定小電力無線局として正しいもの。
- 幅×奥行き×高さが30cm未満の無線局
- 5GHz以上の周波数帯を使用する無線局
- テレビの電波など、誰もが受信可能な電波を発信する無線局
- 日本国内において設置に免許を必要としない無線局
正解4
日本国内で無線局(電波を発信する機器)を設置するには、法律で定められる許可と免許が必要。災害無線や航空機が利用する無線など、重要性の高い無線がノイズなどの妨害を受けると重大な事故につながる危険性があるため。これを無視して勝手に無線局を設置した場合は、法律に違反したこととなって罰せられる。
ただし、個人で利用する無線機器の全ての設置に免許が必要になると、非常に面倒になるため、特定の周波数については設置に免許が不要。電波法で定められた免許を必要としない無線局を、特定小電力無線局と呼ぶ。
∴正解は選択肢4。
特定小電力無線局でよく利用されるのは、2.4GHz帯と920MHz帯。デバイスなどの機器を特定小電力無線局として免許なしで設置できるようにするため、日本国内では、LoRaなどの無線規格は920MHzを利用するように設計されている。特定小電力無線局は日本国内における法律のため、海外では適用されない。海外では現地の法律で定められる。その影響で、同じLoRa規格であっても使用する周波数帯が国や地域によって異なる。
問題14 ★★★
BluetoothイヤホンやIoT(Internet of Things)デバイスなどの小型端末において、通信規格としてBluetooth3.0ではなくBLE(Bluetooth Low Energy)を採用しているものが多い理由として正しいもの。
- BLEの方が省電力性に優れているため。
- BLEの方が通信の速度が速いため。
- Bluetooth3.0は、無線局の設置に免許が必要なため。
- BLEでないと音声データを送信できないため。
正解1
Bluetooth Low Energy(BLE)は、Bluetooth4.0の一部として作られた規格。IoTやデバイス間通信における利用を想定し、Bluetooth3.0に比べて大幅な省電力とモジュールの小型化を実現。
BluetoothイヤホンやBluetoothビーコン、マウスなどの小型端末では、バッテリーの容量にかなりの制限が加わる可能性がある。そのため、通信には高い省電力性が求められることから、通信規格にBLEを採用しているものも多い。
∴正解は選択肢1。
一方、Bluetooth3.0は省電力性でBLEに劣るが、BLEよりも高速の通信が可能。
∴選択肢2は誤り。一定以上の通信速度が必要となる場合は、Bluetooth3.0を利用します。
Bluetooth3.0とBLEは両方とも特定小電力無線局に該当し、設置に免許は必要ありません。
∴選択肢3は誤り。
BLEにおける通信可否とデータ形式とは直接的な関係はなく、音声でも通信可能な速度であれば送信可能です。
∴選択肢4は誤り。
問題15 ★★★
6LoWPANは、コーディネーターを介さずにノード間で効率良く「多:多」の通信を行うために、前提とするネットワークの形態。
- スター型
- メッシュ型
- ツリー型
- リニア型
正解2
無線デバイスで構成されるワイヤレスセンサーネットワークのトポロジー(形態)には、ネットワークの形に応じて1対1型、スター型、ツリー型、メッシュ型、リニア型などがある(図1)。
6LoWPANでは、メッシュ型のネットワークを前提とする(図2)。
∴正解は選択肢2です。
スター型やツリー型の場合、通信はコーディネーターを介して行う必要があり、ノード間で直接通信はできない。多くのデバイスが接続するネットワークでは、こうした形態の場合、コーディネーターに大きな負荷がかかるので、接続制限などの上限に達しやすいなどさまざまな不都合が生じます。そこで、メッシュ型の形態を採用すれば、コーディネーターを介さずに「多:多」の通信を行い、多数のデバイスが接続するネットワークでも効率良くデータの相互通信を行うことができ、さらに、複数の経路が出来るため、障害に強いというメリットもある。
ただし、メッシュ型のデメリット:多くの通信経路が出来るため、管理が複雑になる傾向があり、高度な管理技術が必要。
Part2 – IoT検定の過去問・サンプル練習問題(一問一答無料)
参照:公式テキスト(書籍/PDF/無料等)