通関士は、貨物の輸出入が行われる際に必要な通関業務を行うための職種であり資格です。
通関士になるためには、通関士試験に合格することに加えて、勤めている通関業者による財務大臣への申請と確認が必要です。通関士試験には、学歴などの受験資格は設定されておらず、法律で定められている要件に当てはまらなければ、誰でも受験できます。
通関士は、書類の審査や作成が主な業務であるため、将来性を危惧する声があります。その一方で、貿易を行う際に必要な職業であるため、将来的にも活躍する機会があると考える方もいます。
通関士を目指す方にとっては、職業の将来性は重要な要素だと感じるでしょう。そのため。このページでは、通関士の将来性について見ていきたいと思います。
通関士の仕事はなくなるか
通関士の仕事は、無くなることはないが数は減るのではないか、一般的には考えられています。その理由として、AIや情報の電子化による業務効率化、書類作成・審査の効率化が挙げられます。
現状の通関業務は、アナログな部分と非効率的な部分が多いため、今後機械化や効率化が進めば、通関士の雇用の機会が減少する可能性は高そうです。
では、全て無くなるかといえば、そういうことでもなさそうです。なぜなら、書類のチェックの責任者としての立場が維持される可能性と、貿易に関する知識と法律の専門家として貿易実務や助言業務を行う機会が残る可能性が指摘されているためです。
通関士を目指している方は、過剰に不安にならなくても良いと思います。
将来的に通関士の仕事はどうなるか
では、通関士は将来的にどんな職業になるのでしょうか。
一部では、貿易実務のコンサルタントになるという意見があります。この意見は説得力があり、おそらくそうなると考えた方がよさそうです。
その理由は、２つあります。
一つ目は、通関士の業務が専門的であることです。
二つ目は、貿易実務は国際的な取引とともに行われるため考慮すべき要素が多い上に、国際的な経済発展によって様々な要素の選択肢が増えたことにより、取引業者やクライアントにとって、最適となる選択肢がわかりにくくなっていることです。
将来、本当にコンサルティング業務を担うことが求められるようになれば、通関士の業務はさらに高度化することが想定されます。特定の商品に詳しい、各国の関税の事情に詳しいなど、高度な技能や知識を持った通関士が求められやすくなることになると考えられます。
もし、通関士が高度な専門職となった場合、数は減ったとしても、高い収入を得ることが期待できるでしょう。
将来的に通関士として活躍するには
将来的に通関士として活躍するには、専門性を高めるか通関士の業務と組み合わせる領域を開拓することが選択肢として考えられます。
そのためには、貿易実務の専門性を高められる会社に入り、経験を積んでいくことや通関士の業務をやりながら、自分の興味関心がある分野について詳しくなっていくことなどが必要となりそうです。
通関士という職業の枠にとどまらず、貿易の専門家として専門性の高いアドバイスや運営を行うことで、活躍することができるかもしれません。
通関士の将来性のまとめ
今回は、通関士の将来性について取り上げました。現在の通関士は、通関書類の審査や作成など、事務的な確認作業が多い仕事です。しかし、テクノロジーの発展により、通関士に求められる能力は、事務処理能力から専門的な知見に基づいたアドバイスなどに移っていくと見られています。
そうした変化に対応できれば、通関士の将来性は悲観するものではないと言えるでしょう。
将来的に、貿易の専門家になりたい方や貿易取引を支える仕事をしたいと考えている方、グローバルな仕事をしたいと考えている方は、通関士を検討することもよいかもしれません。