経理や財務の知識・技術をはかる資格の一つである、所得税法能力検定。経理や会計に関わる実務に役立てられるだけでなく、就職や転職にも活かせるこの資格を取得したいと思っている方もいるのではないでしょうか。この記事では、そんな所得税法能力検定の難易度について説明していきたいと思います。
所得税法能力検定とはどのようなものか
ではまずここで、所得税法能力検定がどのような資格なのか簡単に説明していきたいと思います。所得税法能力検定とは、源泉徴収、確定申告、その他税務署への提出書類作成など、所得税の基本である税務処理ができる知識や、実務での応用的税務処理能力を問う検定試験です。
もう少しざっくり言うと、所得税の基本処理知識や実務での応用的な税務処理能力を問う試験です。この資格を取得することによって、個人事業主や会社員が知りたい源泉徴収や確定申告の基本的な考え方、そして個人事業主が自分で確定申告をする場合の書類作成の仕方などの知識について知ることが出来ます。
企業で経理の仕事を行っている人は受けると、業務にも活かすことが出来て良いかもしれませんね。
所得税法能力検定の試験概要
次に、所得税法能力検定の試験概要について詳しく紹介していきます。
受験資格は特になく、年齢・性別・学歴等に関係なく誰でも受験できます。
そして、以下が試験概要の詳細です。
資格区分 | 1級/2級/3級 |
試験方法 | 筆記試験 |
試験形式 | 文章問題/仕分問題/計算問題 |
試験点数 | 100点満点 |
合格基準 | 70点以上 |
試験時間 | 1級:90分/2級:60分/3級:60分 |
試験会場 | 協会が指定した全国各地の専門学校 |
試験日 | 10月下旬頃、2月上旬頃(年2回) |
受験料 | 1級:3,500円/2級:2,700円/3級:2,300円 |
所得税法能力検定の難易度
それでは本題の、所得税法能力検定の難易度について説明していきます。どの級も100点満点中70点が合格ラインですが、難易度はもちろん級によって違います。一般的な合格率は3級だと80~90%、2級だと80~90%、1級だと60%となっています。以下に、過去の試験の合格率を表にしてまとめました。参考までにご覧ください。
実施日時 | 3級 | 2級 | 1級 |
2020年2月 | 91.0% | 83.3% | 60.7% |
2019年10月 | 81.4% | 89.4% | 71.0% |
2019年2月 | 87.5% | 89.2% | 61.1% |
このように1級になると合格率はある程度下がりますが、それでも難易度はそれほど高くないと言えるのではないでしょうか。しかし、そもそも所得税法能力検定は合格率の母数となる受験者の数が少ない検定で、母数が少ないことで合格率が高くなっている、とも考えられるので、しっかりと対策をして試験に臨むことが重要です。
所得税法能力検定の対策
- 基礎知識の習得:
- 所得税法に関連する基本的な法律や制度、原則について学びます。
- 用語や計算方法、税法の基本構造を理解することが重要です。
- この段階では、所得税法を解説した入門書や基礎テキストを利用します。
- 理解の深化:
- 基礎を学んだ後は、より複雑な事例や例外規定、特殊な計算方法について学習します。
- 理解を深めるためには、各種の所得(給与所得、事業所得、不動産所得など)の詳細な取り扱いや計算例を学びます。
- 応用的なテキストや過去の検定問題を活用することが有効です。
- 問題演習:
- 実際の検定問題に取り組むことで、学習内容の定着を図ります。
- 過去問題集や模擬試験を利用し、時間を測りながら実際の試験環境を模倣して練習します。
- 問題演習を通じて、計算問題やケーススタディの解答技術を磨きます。
- 知識の整理と復習:
- 定期的に復習を行い、知識の定着を確認します。
- 自身の弱点がある領域を特定し、その部分の集中的な学習を行います。
- チェックリストや要点整理のためのノート作成も有効です。
まとめ
以上、所得税法能力検定の難易度について紹介しました。試験難易度はそこまで高くなく、受験資格がなく誰でも受けられる試験ですので、この機会に是非受けてみてはいかがでしょうか。