宅建を取ろうか考えている方の中には、学習方法に悩む方や独学で合格する方法を探っている方もいらっしゃると思います。そこで、宅建の概要からどのように合格までの道筋をつけるか、を考えていきたいと思います。
まず宅建の基本情報から理解しましょう。
一般的に宅地建物取引士を指す略称です。試験名称の宅地建物取引士資格試験(以下「宅建試験」)との区別を明確にするために、「宅建士」と呼ぶこともあります。
宅建は不動産取引の専門家とされる資格で、宅建を持っていなければできない独占業務もあるため、人気が高い資格です。
宅地建物取引士として働くには、試験に合格することに加えて、都道府県知事への登録を行う必要があります。また、登録するためには、登録申請時までに宅地建物の取引に関する業務に2年以上従事した経験があるか、登録実務講習を受講し、修了する必要があります。
宅建の基本情報
・全問マークシート式
・4つの選択肢から一つ答えを選ぶ問題が50問出題される
※5問免除の受験者は45問
・試験時間は2時間
※5問免除の受験者は1時間50分
分野ごとの出題数が決まっており、
○権利関係 14問
○宅建業法 20問
○法令上の制限 8問
○その他関連知識 8問
となっています。
合格基準は相対評価となっており、合格率がおよそ15%〜20%程度になるように合格基準点が定められます。
これまでは70%前後の正答率が目安となってきましたが、受験者の学力の向上などを背景として、合格基準点が上昇傾向にあるという意見があります。
難易度が今後上がっていく可能性もありますが、宅建試験は、改正された内容以外は、過去に出題された問題から大きく変わることはないので、過度に心配する必要はないと思います。
独学で合格できるか?
結論から言えば、可能です。
実際、独学で合格した人もいます。
しかし、社会人で効率よく学習したいと考えている方や1人ではモチベーションが維持できない、という方は資格の学校や通信講座を利用した方がよいでしょう。
合格するには
試験の概要や合格基準の設定を踏まえて、独学する場合に、合格するための方針を考えてみたいと思います。大きく2つのポイントを見てみます。
①配点
これまでの合格基準点は30点台後半であることが多いため、10問程度は間違っても合格できることがわかります。
分野別の配点を見ると、「宅建業法」が最も重要で、次に「権利関係」が重要であることもわかります。この二つの分野が宅建試験の肝ですので、学習時間の多くをこれらの分野で使うことになります。
「法令上の制限」は、専門用語が多く、理解しにくい分野のため、苦手な方も多いようです。
「その他の関連知識」は他の分野と比較すると得点しやすくなっています。その中でも、いわゆる5問免除の対象となる最後の5問は、過去問をある程度解けばわかる問題がほとんどであるため、短時間で得点しやすいです。あまり時間をかけず、さくっと正解できるようにしましょう。
②相対評価
宅建試験は相対評価であるため、試験の対策で重要なことは、とにかく基礎を徹底することと言えます。たいていの受験者が正解できる問題を確実に正解できるようにするだけで合格に近づけます。
過去には、いわゆる悪問と呼ばれる、正解しにくい問題が出題されたこともありましたが、それらは捨ててもよい問題です。そういった問題が出題されても、合否には影響しないと気楽に考えましょう。
勉強法
勉強法は、自分に合ったものを見つけることがもちろん大事です。ただ、やみくもに学習していくと、途中で息切れしてしまう可能性もあります。
そこで、宅建試験の勉強法で抑えておくべきポイントを挙げていきます。
・過去問をたくさん解く
・アウトプットを増やす
・テキストは新しいものを使う
基本的には、一般的な勉強法と同じような内容ですが、注目すべきは、宅建試験対策では過去問がとても重要なツールになることです。過去問と同様の問題、似た問題が多く出題される試験ですので、少なくとも10年分は過去問を解きましょう。過去問を解くことは、多ければ多い方がよく、しっかりとした解説が載っている過去問集や過去問を収録したアプリを活用することが効果的です。
テキストの内容を覚えたとしても、選択肢の正否の判断ができない、ということはよくあります。私も市販のテキストで勉強して、いざ過去問を解くと全く解けず、青ざめるという経験をしたことがあります。効率的に勉強するなら、一問一答などでアウトプットを積極的に行いましょう。宅建の出題形式では、「一問一答が解ける=問題に正解できる」ことが多いです。ただ学習を続けていくと、わからない箇所を一つずつ減らしていく作業になり、大変に感じるかもしれません。そうした場合、短期的な目標を作って達成していくことを繰り返すことで合格という目標を達成しやすくなります。
そして、独学する場合のテキストは、最新のものを使いましょう。古いものだと法改正に対応できない可能性が出てきます。
宅建試験は、事前に法律に関する知識があるかないかで、体感的な難易度は大きく変わります。法律をよく知らない方は、期間を長く見積もってスケジュールを立てて勉強することがおすすめです。
学習に必要な時間は?
学習に必要な時間が様々な媒体で時間がいろいろ出てきますが、宅建の学習時間は人によって大きくばらつきが出ると感じます。法律の知識が事前にあるかは大きな要因ですが、法律の考え方に馴染めるかどうかも重要だと思います。また、過去問を解き続けて暗記できる方であれば、合格までの学習時間はかなり短くなると思います。
ただ、平均的な目安としては、試験の半年前から学習を始めるのが一般的かと思います。短期集中だと3ヶ月前からのイメージが定着しています。1日の勉強時間は2〜3時間程度を想定しています。
まとめ
ここまで、宅建の独学のポイントや勉強法などについてみてきました。
以上の内容を踏まえると、自分の能力や試験との相性を鑑みて、合格までの計画を立て、実行していくことが、宅建試験には必要なのかなと思います。
宅建試験の合格を目指す人は、この記事をぜひ参考にしながら、自分に合った計画、勉強法を見つけ、合格を勝ち取ってください。
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